【感想・ネタバレ】新・半導体工場のすべて 設備・材料・プロセスからAI技術の活用までのレビュー

あらすじ

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

元NECの伝説的な技術者であり半導体製造の全工程を熟知する第一人者が、半導体にまつわるヒト・モノ・カネを「工場」を切り口に整理し、多数の図解とともに解説した大好評入門書の最新版。世界的な工場建設ラッシュ、TSMCとラピダスの動向、3D積層化やAIをはじめとする次世代技術などの情報を新たに盛り込んだ。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

めも

・EUV
 作れるのはASML(蘭)
 使いこなせるのはTSMC(台)
 ラピダスも導入

・ダマシン
 象嵌細工。絶縁層で溝を作って、めっき→エッチングで銅の埋め込み配線を形成。

・シリコン
 生産の66%が中国(2012)。アルミニウムと同じく電気の缶詰。電気代の高い日本では作れない。



0
2025年10月14日

Posted by ブクログ

外回りの設備
・オンサイトプラント:大気中から窒素を分離供給
 →半導体工場では窒素ガスを大量に使用
・超純水供給設備:河川・湧水を精製純化
 →超純水:異物が極めて少ない特殊な水、
   各工程で何度も超純水で洗う作業が必要
   (ex.300mmのシリコンウエーハを1万枚/月 製造の場合、3,000ℓ必要)

半導体とは
・元素
-元素半導体 ex.シリコン(Si ケイ素)など
 -化合物半導体
 -金属酸化物半導体
・材料の性質:温度・圧力などの環境変化で電気特性が大きく変化し、導電体/絶縁体に切り替わる
・電子部品としてのダイオード、トランジスタなど半導体を使った素子や装置

半導体が出来るまで
 前工程(拡散工程)→ウエーハ検査工程→後工程
  前工程:シリコンウエーハ上に電気抵抗・電気容量・ダイオード・
トランジスタなど素子と内部配線を作りこむ
      →素子を作りこむ(FEOL)
①シリコンウェア
    ②成膜 温度を上げて酸化方によりSiO₂、CVD法によりSi₃N₄を成膜・堆積
③露光 フォトレジスト(感光性樹脂)を塗布、マスクを通してArFを照射
          →Cr部分は遮られ石英部分は透過し、縮小したパターンを転写
            レジスト材の組成:感光材PAG(フォト・アシッド・ジェネレータ))
樹脂PHS(ポリ・ヒドロキシ・スチレン)
溶剤PGMA(プロピレン・グリコール・モノエチルエーテル・アセテート)
※KrFやArFのエキシマレーザーの露光の場合
       EUV露光技術:オランダASML社のEUV露光機でTSMCが世界発の量産
              EUV露光機は非常に精密・高価(レンズの明るさNA=
              0.55の装置で600億)で、使いこなせるのはTSMCのみ、
             次いでサムスン・インテルが追随中
   ④現像処理 フォトレジストのパターン形成
   ⑤エッチング ドライエッチング(化学反応室でウエーハの材料層に応じた
          ガスを導入、上部・下部に平行に置いた電極に高周波電圧を
          加え、ガスをプラズマ化し化学反応を起こして、揮発性の
         生成物を廃棄除去)で基板表面に浅い溝を作る
   ⑥成膜
   ⑦CMP 研磨剤を含んだ研磨液(スラリー)を流しながら、ウエーハ表面を
         研磨パッドに押し付けて研磨し、平坦化する。
         →スラリーには研磨剤としてAl₂O₃,CeO₂,Mn₂O₃,アルカリ成分、
           分散材、界面活性剤、キレート材防腐剤が含まれる
        →研磨パッドには樹脂、不織布、ウレタンフォームなどが使われる
           ⇔ウエーハ表面の凹凸が増えると、
        ・薄膜形成時に段差部での被覆性が悪化し断線による歩留まり低下
        ・リソグラフィ工程のフォトレジストの膜厚が薄くなったり、
          露光時にレンズの焦点距離が変動し、設計寸法に忠実な解像が
          難しくなる
   ⑧リソグラフィ・不純物添加 単結晶ウエーハの状態では絶縁体に近い
                  →P・As等を少し添加するだけで電気が通る
                     (第Ⅴ族をn型、第Ⅲ族のBなどはp型)
⑨ゲート酸化
   ⑩多結晶シリコン成長
   ⑪多結晶シリコンパターニングイオン注入(n型・p型)
   ⑫異方性エッチング
   ⑬イオン注入(n⁺型・p⁺型)
   ⑭熱処理、NiSi₂形成 NiとSiを熱反応させNiSi₂形成を形成
                  →抵抗層を下げる目的で利用
   ⑮Niエッチング  ウエーハをDHFに浸け、Niは溶解しNiSi₂は残る
⑯全面SiO₂膜成長 CVD法でウエーハ全面に厚いSiO₂膜を堆積、
                 CMP法で表面を研磨し完全平坦化
→素子間を金属配線で接続する
   ⑰コンタクトホール開孔(BEOL)
ウエーハ検査工程
  後工程
   組立工程
    裏面研削・ダイシング
    マウント及びボンティング
    封止
    リードメッキ捺印・リード成形
   検査・選別工程
最終検査:テスターを用い製品規格に照らして良品か否かを検査・判定
    →SPC(統計的プロセス制御)で規格内でも基準を設け、
プロセス処理が安定しているかを統計的に判断
    →異常と判断するとアラーム発生・技術者が対応し異常の発生を未然に防ぐ
      ・データ推移が右肩上がり/下がりになっていないか
      ・データ推移の上下動が激しくないか
      ・前年同期比、月・週間単位など、
                

原材料・機械・設備
 原材料の保管期間
  シリコンウエーハ、スパッタリングのターゲット(Si,Al,Ti,W等):無し
  ガス類 NH₃,B₂H₆,BCl₃など:6ヶ月、その他の多くは1年
  薬液類 感光性ポリイミド塗布材など:3ヶ月
      HMDSやシンナーなど:1年
      その他の多くの薬液:6ヶ月
       →特にフォトレジストなどは温湿度によって粘度などの特性が変化
        →材料メーカーは製造ラインと類似の温湿度環境で保管
         →定期的に供給する場合は材料保管倉庫も工場近く
 特殊材料ガスの危険性
  モノシランSiH₄
   ・常温で比重1.1の無色透明な気体。
   ・シリコン基板上に同じ結晶構造を持つ薄膜を成長(エピタキシャル成長)
させる時や、絶縁膜上に多結晶シリコンを堆積するときの原料として使用
・自然発火性があり、大気中で濃度1.35%以上で発火
    →高濃度のものが大気中で燃焼すると900℃になり黄褐色の粉末を生じる
    →低濃度・高速で放出されると、放出箇所以外の拡散場所で自然発火・爆発
    →半導体製造でも使用するN₂Oと混ざると爆発の危険性が高まる
    →火災の場合は放水だけでは不十分で、シランボンベなどリーク源から絶つ
 
 処理法
  ・バッチ処理:複数枚のシリコンウエーハを同時に処理
        →単位時間当たりの処理可能枚数(スループット)が多い
        →単位処理当たりの占有床面積(ブランクス)も有利になる場合あり
  ・枚葉処理 :シリコンウエーハを1枚ずつ処理
       →微細なパターンを安全かつ均一にできる
       →大口径化においてはより均一、かつウエーハ間のバラツキも抑える
         →近年増加
          ※成膜装置・エッチング、洗浄のウェットは混在、
           リソグラフィ装置、不純物添加のイオン注入、
洗浄のドライは枚葉、不純物添加の拡散はバッチ
 
 信頼性試験とスクリーニング
  信頼性:部品・システムが使用条件下で意図する期間中、
      機能を正しく遂行する性質
  故障率:1FIT=1×10⁻⁹/時間(10億時間に1回)で表す
   →一般的目標値は300FIT、常用故障率で100FITで、通常の使用期間だと
    試験数・時間は膨大でコストもかさむ
    →電圧・電流・温度・湿度など通常より厳しい加速条件下で行う加速試験
     で見積もる
    ※加速試験から通常使用の信頼性を推定するには、
     統計手法・データの裏付けが必要

0
2025年08月30日

「IT・コンピュータ」ランキング