あらすじ
福徳秀介のデビュー小説にしてベストセラー。
大学2年生の「僕」は、入学前に憧れていた大学生活とはほど遠い、冴えない毎日を送っていた。日傘をさしていつも人目を避け、青春を謳歌している学生グループを妬ましく思う、そんな日々。友人は一人。銭湯掃除のバイトと孤独な大学生活だけの毎日。
そんなある日、大教室で学生の輪を嫌うように席を立つ凜とした女子学生に出会う。その姿が心に焼き付いた「僕」は次第に深く強く彼女に惹かれていく。やっとの思いで近づき、初デートにも成功し、これからの楽しい日々を思い描いていたのだが・・・・・・。
ピュアで繊細な「僕」が初めて深く愛した彼女への想いは実るのか。そして、僕の人生の、その先は---。
著者自身の私小説を思わせるピュアな恋愛小説ながら、「生きる」ことそのものについても考えさせられる、心に刺さるホロ苦恋愛小説です。
文庫化にあたり、巻末には、映画出演の萩原利久さん、河合優実さんの特別対談を掲載。こちらも、見逃せません。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『今日の空が一番好き、とまだ言えない』の文庫版となります。
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Posted by ブクログ
さっちゃんのあの告白のときの場面、一番泣けた
もはや号泣のレベル
察してはあかんけど
言わずに思い続けてることってたくさんあるよね
察してとまでいかなくても気付いてくれたらいいなぁとかって
でもそのうちまぁいいかってあきらめる
自分の中で完結させる方法をさがす
結局そんなもん見つからんくて心の奥深くに封印して何もなかったみたいに笑ってるんよ
それが痛いほどわかる
だから本当に心を殴られたほど痛い想いをして泣いたのはさっちゃんやと思う
伝えきれない想いを伝えたところで恋を終わらせるって…
それは一回小さく死ぬのとおんなじやから
Posted by ブクログ
小説を読んでから映画を観ました。
河合優実さんは小説のなかの女性そのものでした。
気になったことが一点ありました。
銭湯掃除のアルバイトで夜中の2時まで働いたとしたら、さっちゃんはどうやって家まで帰ったのだろう、という疑問が残りました。
関大前駅から南千里駅まで2駅だけど、終電後なので電車はないはずです。
自転車でもなく、歩くとかなり時間がかかるはずです。
Posted by ブクログ
小西の個性的な感情。
山根との日常。
バイトのさっちゃん。
1人ざる蕎麦女。
どの登場人物との会話にも
印象に残り刺さる言葉が多かった。
Posted by ブクログ
舞台挨拶の映画を公開前に拝見して、これは公開する前に原作を早く読まなくちゃ!!ってすぐに読んだ。
めっちゃ面白かった。
原作は、ジャルジャルの福徳さん。
コント師なのでストーリーをつるくのはお上手なのかもしれないけど、ちゃんと最後は伏線を回収しまくるのは、気持ちいい。
舞台は関西大学。それはちゃんと実名ででてくるけどほかは全部名前がぼかされている。映画はそのまま出ているけど。
関大2年生の小西くんは、山根という変な言葉遣いと変な服を着ている男しか友だちがいない。もっと大学生になったらキラキラした世界が広がっているとおもっていたのに。
実は小西くんは「独りぼっち」であること、というより、「独りぼっちである自分を他人が見てどう思うか」について恐怖感を持っていた。
なので大学に入ったら日傘をさす。
「いつも日傘の変な奴」と思われたら、「あいつは変わっているから一人がいいらしいよ」って思われるかも。けして、友だちがいなくて「一人」なのではなく「自ら望んで一人」なのだと。
他人の目から守ってもらえる、誰かと目が合わないようにするという意味でも、日傘は武装。
そんな中、お団子頭の女の子が授業後颯爽と出ていくのを見た。
誰かと群れてわぁわぁやらず、ひとりでいることの強さ。すごい。
お近づきになりたいと思い、思い切って隣に座って「出席カードを出してください」とお願いしてみた。
そして次、雨の日に秘密の道をとったら、彼女もいた。
「この間出席カードをおねがいしたものです」と声をかけておしゃべりする。
彼女も「ここは雨の日の秘密の道だったのに」という。
そこから二人、話をするとびっくりするほどいろんなことがぴったり合う。
そしていっきに仲良くなっていく。
小西君は営業終了後のお風呂屋さんの掃除のバイトしている。
同じバイトに同い年のさっちゃんという女の子がいて、二人の日や一人の日がある。
掃除しながらおしゃべりするのも楽しみ。
小西君の大学生活に彩がでてきた。そんな時・・・
っていう話。
原作は映画と違うところが多々あるし(当たり前だけど)
なにより、映画のつづきが少しあって、
「あ~この終わり方ね、あるあるだね」っておもいきや、それだけでは終わらせない福徳さんの遊び心があったりするのもいい。
初小説なのに、文章も表現もとても上手で、初めて書いたとは思えない。
やっぱそれは今までずっとずっとコントを書いていたからなのかなぁ?