あらすじ
福徳秀介のデビュー小説にしてベストセラー。
大学2年生の「僕」は、入学前に憧れていた大学生活とはほど遠い、冴えない毎日を送っていた。日傘をさしていつも人目を避け、青春を謳歌している学生グループを妬ましく思う、そんな日々。友人は一人。銭湯掃除のバイトと孤独な大学生活だけの毎日。
そんなある日、大教室で学生の輪を嫌うように席を立つ凜とした女子学生に出会う。その姿が心に焼き付いた「僕」は次第に深く強く彼女に惹かれていく。やっとの思いで近づき、初デートにも成功し、これからの楽しい日々を思い描いていたのだが・・・・・・。
ピュアで繊細な「僕」が初めて深く愛した彼女への想いは実るのか。そして、僕の人生の、その先は---。
著者自身の私小説を思わせるピュアな恋愛小説ながら、「生きる」ことそのものについても考えさせられる、心に刺さるホロ苦恋愛小説です。
文庫化にあたり、巻末には、映画出演の萩原利久さん、河合優実さんの特別対談を掲載。こちらも、見逃せません。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『今日の空が一番好き、とまだ言えない』の文庫版となります。
感情タグBEST3
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心に残った言葉を書き留めます。
人と変わってる方が、簡単に生きられる。だってみんなと合わせて生きていたらちっちゃな違いが目に付いてしまうから。
恥ずかしい時は自分を他人だと思えばいい。
ありがとうとどういたしましてはセットの言葉。
嫌いな人が困ってたら助けてあげること。それから、私に助けられて、ざまあみろと思えばいい。
朝を楽しめる女は1日を楽しめる。
人を嫌いになる時は理由があるけど好きになる時は理由なんてない。助走ないと好きなんて伝えれない。
他人に自分を思い出してもらう時、笑顔で思い出してもらえるように。
笑って頬が痛くなるのはうそ笑いの証拠。本気で笑ってたらどこも痛くならない。
くだらないことは下らないこと。つまり上がり続けるということ。くだらないことはたくさんしたほうがいい。
毎日を一生懸命生きる。明日死ぬかもしれないから。でも多分明日も生きてるから今日は休んでも大丈夫。
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さっちゃんのあの告白のときの場面、一番泣けた
もはや号泣のレベル
察してはあかんけど
言わずに思い続けてることってたくさんあるよね
察してとまでいかなくても気付いてくれたらいいなぁとかって
でもそのうちまぁいいかってあきらめる
自分の中で完結させる方法をさがす
結局そんなもん見つからんくて心の奥深くに封印して何もなかったみたいに笑ってるんよ
それが痛いほどわかる
だから本当に心を殴られたほど痛い想いをして泣いたのはさっちゃんやと思う
伝えきれない想いを伝えたところで恋を終わらせるって…
それは一回小さく死ぬのとおんなじやから
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ジャルジャルアイランド(YouTubeチャンネル)に河合優実が出演していてなぜだろうと思い福徳の小説が映画化されることを知る。以前から福徳の世界観に興味を持っていたので購入、一気に読み切った。
大学のキャンパスで陽キャの輪に入れず、むしろそんなやつらを蔑むことで自らの存在意義を確保しようとする主人公・小西徹と彼を取り巻く少数の面々たちが織り成す日常と彼らの微妙な心の揺れに、痛いほど共感してしまった。
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小説を読んでから映画を観ました。
河合優実さんは小説のなかの女性そのものでした。
気になったことが一点ありました。
銭湯掃除のアルバイトで夜中の2時まで働いたとしたら、さっちゃんはどうやって家まで帰ったのだろう、という疑問が残りました。
関大前駅から南千里駅まで2駅だけど、終電後なので電車はないはずです。
自転車でもなく、歩くとかなり時間がかかるはずです。
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映画を先に見ました。ちょっとピンとこなくて原作で補完しようと思いまして。
原作を読んで良かった。
映画よりも情報量が圧倒的に多いので、物語に厚みがあるように感じます。
読み手の年齢によって、受け取るものは全然違いそうだなぁ。でも、それぞれ受け取れるものがあると思いますので、年齢に関係なく読むといいね。
大学生達の恋愛。
チャートで表すと面白いような恋愛。
矢印の向きや太さで表すとせつないね。
さっちゃんの矢印は永遠にあのままかと思うと
本当にせつない。
その矢印の外にいるさっちゃんのお父さんは、
なかなかのの存在感。手紙にはやられた。
同様に、
主人公はもちろん小西君ですが、影の主役は小西君のおばあちゃんじゃなかろうか?
そう思ってしまうくらい金言連発で、存在感あります。(映画ではおばあちゃんはこんなにアドバイスしてくれない)
原作者福徳秀介は、おばあちゃん子だったのかな
そして、喫茶〝ため息〟のマスターがこれまたいい存在感。いいエピソードを持ってるんだな。
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映画もみた。
小説の方が良かった。
映像化は
やっぱりどこを削ってどこを残すか?
が肝やった(生意気)
芸人ならでは?というか心情描写がリアルすぎる。
3つくらい出てくる超絶長ゼリフのパート。そこは映画でも良かったけど、心の中の思いをぶちまけてる感じが、青くてアツくて感動した。
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映画がすごく良くて、監督が原作をどのように調理したのか確認したいという特殊な動機で読んでみた。映画は原作にかなり忠実に作られていて、劇中主演3人の印象的な長台詞があるのだが、これは多少省略はあるがほぼ原作の一字一句そのままだった。やはりコント芸人である著者ならではの台詞の言葉の選び方、順番、テンポなど、魅力を最大限に伝えるならこの原作どおりで映画の台本もいくという判断の正しさを感じる(逆に通常の小説で書かれている台詞は、一見ナチュラルに思えても実際に口に出してしゃべると不自然なもので、そのまま台本には使用できないものなのかも知れない)。映画にくらべると原作は、より主人公の小西徹の物語と言う感じで、主人公が好きになる彼女との関係、バイト仲間との関係、親友との関係だけでなく、回想による祖母との関係の描写のウェイトが大きくなっている。この小説はボーイ・ミーツ・ガールなのだが、原作で描かれる彼女はあくまで主人公が遠くから憧れるような対象としてあまり彼女自身の内面が発露されることがないが、映画ではもう少し彼女側の内面も描かれていて、この2人の男女はより対等に近く描かれていた。それは映画で彼女を演じた俳優(河合優実さん)をより多く見せたい、つまり小西役の俳優(萩原利久さん)とのダブル主演であるという構造になっているからかも知れない。そのため映画では、2人の関係性を示唆する「セレンディピティ」という重要なキーワードが彼女の方から提示されるのだが、これが原作にはないというのが衝撃だった。つまり主役の男女を対等な位置に押し上げるため、小西がどう思っているかだけの原作から、映画では彼女は小西をどう思っているかを描くために、原作にないワードをオリジナルで出してきたのだが、これが不自然でなく上手くはまったのが映画化成功の大きな鍵だったのだと思う。全体的に変えないために大胆に変えるところは変えるということが大事なのかもと思った。この小説では小西の主観が基本なので、小西の思い違いによるミスリードは簡単にできるのだが、映画では彼女側からの視点も描いてしまい、より客観的な視点になっていることで原作よりもこのミスリードが困難になってくるのだが、映画はここを「映像的な詐術」で成し遂げてしまっていてなるほど~と感心してしまった(客観性が原作より高い分よりミスリードが強くなっている)。小説の映画化は数多あるが、本作は台本上の多くの台詞が原作そのまま使われていて、そうことが維持されていると、原作と映画は別物という感じにならないのだなというのも発見だった。
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小西の個性的な感情。
山根との日常。
バイトのさっちゃん。
1人ざる蕎麦女。
どの登場人物との会話にも
印象に残り刺さる言葉が多かった。
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映画館に映画を見に行くのが億劫だった時期に公開してしまい、泣く泣く(?)原作を読んだ。
いや、文章うますぎーーーーーーこれ、映画より先に本で読んでよかったランキング上位!
若者はこうやって成長していくんだよって感じですかね(はあ)
感情が乏しい自分のまま人と交流できた学生時代、尊かったなと思う
初恋クレイジー、聞いたよ
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4.0 よくできた恋愛小説。関西出身、自意識過剰の自分にとっては共感部分は結構あった。誰かの横にいたいと思うことは、人生の勝利であり、奇跡だと思う。結果がついてこないことも含めて。映画も良かった。見た後で読んだので、俳優の顔しか浮かばなかった。
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ジャルジャルのカクカクした顔の方の小説。
いや、正直 福徳さんがこんなに文才ある人だって1ミリも知らなかった。
予想以上に面白かったです。
独特な言葉の言い回しとセンスのよさ。
回りくどいけど全然嫌味がない、むしろ心地良かったな。最初から最後まで文章もすべて変わり者って感じだった(いい意味で)
人と群れるのが苦手で、華やかなキャンパスライフからかけ離れた地味な大学生の小西くんが恋に落ちたのは、学食でひとり蕎麦を食べるお団子頭の「一人蕎麦女」桜田さん。
青くて甘酸っぱくて可愛くて優しい、めちゃくちゃハートフルな青春物語。
小西くんのおばあちゃんや桜田さんのお父さんの家訓のような名言がどれも素敵だった。
喫茶店のマスターとのやりとりもほのぼのしてクスッと笑えて。
唯一の友人山根くんもとってもいい味出してたし、バイト仲間としか思ってなかったさっちゃんからの突然の告白、文字だらけでなんと8ページも!!!でもすんごい伝わってきて切なかった。
スピッツの初恋クレイジーの話もよかった。
お笑い芸人だけあって、ところどころに笑える場面もってきてくれるから、全然飽きずに読めたし、途中からの悲しい展開と、ラストの伏線回収からのハッピーエンドは見事でした。
登場人物全員魅力的で、裏切りとか、駆け引きとかのない、純粋で優しく爽やかな物語。
またいつか読み返したい。
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ずっとずっと読みたくて色んな本屋さんに行くたびに単行本を探してたけど見つからなかった。数年経って映画化が決まり文庫本出版も決まっておめでたいしありがたい!(単行本ならではの良さも正直あったと思ってるから気持ちは五分五分)
そもそも芸人さんの中でジャルジャルが一番好きやからっていうのも前提であるけどこの小説好き 小西徹くんのおばあちゃんと桜田花ちゃんのお父さん、良いなーこういう言葉選びできる感性の持ち主と結婚したいな ただ、お父さんの手紙フラグ回収で見事だった
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ジャルジャルのライブに行ったら受付に置いてあり、「サイン付きですよ〜」と言われたので衝動買い。
お笑い芸人さんって、やはり、言葉での表現が特別「特別」な感じがするなぁ。
Posted by ブクログ
舞台挨拶の映画を公開前に拝見して、これは公開する前に原作を早く読まなくちゃ!!ってすぐに読んだ。
めっちゃ面白かった。
原作は、ジャルジャルの福徳さん。
コント師なのでストーリーをつるくのはお上手なのかもしれないけど、ちゃんと最後は伏線を回収しまくるのは、気持ちいい。
舞台は関西大学。それはちゃんと実名ででてくるけどほかは全部名前がぼかされている。映画はそのまま出ているけど。
関大2年生の小西くんは、山根という変な言葉遣いと変な服を着ている男しか友だちがいない。もっと大学生になったらキラキラした世界が広がっているとおもっていたのに。
実は小西くんは「独りぼっち」であること、というより、「独りぼっちである自分を他人が見てどう思うか」について恐怖感を持っていた。
なので大学に入ったら日傘をさす。
「いつも日傘の変な奴」と思われたら、「あいつは変わっているから一人がいいらしいよ」って思われるかも。けして、友だちがいなくて「一人」なのではなく「自ら望んで一人」なのだと。
他人の目から守ってもらえる、誰かと目が合わないようにするという意味でも、日傘は武装。
そんな中、お団子頭の女の子が授業後颯爽と出ていくのを見た。
誰かと群れてわぁわぁやらず、ひとりでいることの強さ。すごい。
お近づきになりたいと思い、思い切って隣に座って「出席カードを出してください」とお願いしてみた。
そして次、雨の日に秘密の道をとったら、彼女もいた。
「この間出席カードをおねがいしたものです」と声をかけておしゃべりする。
彼女も「ここは雨の日の秘密の道だったのに」という。
そこから二人、話をするとびっくりするほどいろんなことがぴったり合う。
そしていっきに仲良くなっていく。
小西君は営業終了後のお風呂屋さんの掃除のバイトしている。
同じバイトに同い年のさっちゃんという女の子がいて、二人の日や一人の日がある。
掃除しながらおしゃべりするのも楽しみ。
小西君の大学生活に彩がでてきた。そんな時・・・
っていう話。
原作は映画と違うところが多々あるし(当たり前だけど)
なにより、映画のつづきが少しあって、
「あ~この終わり方ね、あるあるだね」っておもいきや、それだけでは終わらせない福徳さんの遊び心があったりするのもいい。
初小説なのに、文章も表現もとても上手で、初めて書いたとは思えない。
やっぱそれは今までずっとずっとコントを書いていたからなのかなぁ?
Posted by ブクログ
2025_04
読みやすかった、単調だった。今そんなに記録に残らない評価を書こうとして、なんもなく福徳のこと調べたら、どうやらお父さんが46歳で亡くなったらしい、交通事故で。この事実を知ると、なんだかこの本はとても福徳の心のうちを表現してるように見えた。コテコテの関西弁だけがジャルジャルを感じさせている本かと思ったけど、これは福徳秀介を表現している本だったんだね、いやあ〜あっぱれ。
Posted by ブクログ
作者のジャルジャル福徳氏が、何かのTV番組で「好きなジャンルは恋愛系」と言っていたのを耳にして、例えそうでもなかなか公言できないんだよねっておじさんは思うのです。
ただ、ジャンルに共感はできても、主役あるいは主役周辺の人が「死ぬ」のや「病気になる」のはとっても苦手で…
山根のエセ関西弁はともかく、私も関西なので小西徹の関西弁は普通に読めてしまうのだけど、他地域の人が読むとどんな風に感じるんだろって思ったり。
華やかなキャンパスライフに馴染めない自分と、大学生活を謳歌する学生グループを妬ましく想う気持ち なんとなくわかるよ。Notキラキラ大学生。