【感想・ネタバレ】近代日本の対中国感情 なぜ民衆は嫌悪していったかのレビュー

あらすじ

明治維新後、欧米をモデルに近代化した日本。他方で中国はその停滞から一転し蔑視の対象となった。
日清・日露戦争、満洲事変、日中戦争と経るなか、それは敵愾心から侮蔑、嘲笑へと変わっていく。
本書は、明治から昭和戦前まで民衆の対中感情を追う。
世論調査がない時代、民衆が愛読した少年雑誌に着目。赤裸々な図版から、古代中国への変わらぬ思慕とは対照的に、同時代中国への露骨な差別意識、感情を描く。図版百点収載。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

中国に対してどのような感情を漫画が表していたか、特に子供向けの漫画が、ということである。あとがきで示すように、これが現在の差別に用いられないようにと著者は心配している。
 わかりやすくマンガで示されるがゆえに差別を煽る画像となっているものであり、それが、意図的というよりも当時の人気を博するためのものである。これは現在のxと同じ役目を果たしている。
 よくこれだけのマンガが集まったものである。

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

近代における対中国への感情がどのようなものであったかについて、おおかた少年雑誌を通して確認する本である。
わかりやすくまとめられていたため、読みやすいと感じた。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

「歴史はなんの役にもたたない」とよく言われるが、その実、役にたちすぎてしまうことがある。本書を通して語られるのはその好例だと思う。「プロパガンダ」といえばそれまでかもしれないが、やはりそれ以前の問題として歴史が関わることは避けられず、自らがつくりだした歴史からまた新たな歴史を生み出してしまうという悪循環的な状況が、中国・中国人を嫌悪させたといえよう。
コロナによるパンデミックの際にも、中国・中国人に対して根拠のない嫌悪が飛び交っていた記憶がある。わたしたちが普段目にしているメディアも、こうした考察の材料たりえるわけで、今後はそういったものを相対化して捉えようと心がけるきっかけとなる一冊。意外な結論が展開されることはないが、読んでよかった。

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2025年03月22日

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