あらすじ
「書を日没する処の天子に」(聖徳太子)、「この一門にあらざるは人非人たるべし」(平家)、「貧乏人は麦を食え」(池田勇人)……。ヤマトタケルからマッカーサーまで、世を騒がせた暴言、失言の数々をユーモアたっぷりに検証する清水版・新日本史。
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Posted by ブクログ
暴言はしばしば本音であるから、発言者の肉声を生き生きと伝えてくれる。それをキーワードに駆け足で書かれた日本史。この着眼点はよいと思う。
東条英機「生きて虜囚の辱めを受けず」には、著者の憤りが込もっている。
しりあがり寿の章扉イラストは特に要らなかった。
Posted by ブクログ
日本史に残る暴言や失言を検証して、発言者の真意や裏側の読み解きを試みた本。
本人が言ったとされるものについては当時の時代背景を、曲解された言葉については曲解された経緯などが書かれています。
言葉があるからこそ歴史は動き、言葉が遺されることで私たちは歴史人物の人間性を感じることができます。名言だけでなく暴言や失言の背景を知ることで、歴史はもっと身近になります。
Posted by ブクログ
「書を日没する処の天子に」(聖徳太子)、「この一門にあらざるは人非人たるべし」(平家)、「貧乏人は麦を食え」(池田勇人)等、歴史上の数ある名言には暴言・失言が溢れていた。ヤマトタケルからマッカーサーまで、発言者の真意や歴史の裏側に迫る暴言で読み解く新・日本史。
あの人物が言ったと伝えられてきた言葉が実は別の第三者の言葉だったのか等々びっくりな新解釈も出てきますが、歴史的背景をもとにした著者・清水義範氏の説明を辿っていくと説得力あります。
こうゆう明後日の切り口から歴史に出会えていればもう少し興味を持って授業に励めていたのかも・・・なんて思いつつ、肩の力を抜いて読める興味深い内容でした。
Posted by ブクログ
歴史上の人物の、今に残る言葉を「暴言」というキーワードで読み解いていくという趣向の本。
聖徳太子の「日出づるところの御子、・・・」とか、明智光秀の「敵は本能寺にあり」、神尾春央の「胡麻の油と百姓は搾れば搾るほど出るものなり」、東条英機「生きて虜囚の辱めを受けず」などが扱われている。
有名な言葉をまずは、「暴言」と括り出して、その後、その文脈を確認して、真意はこうだったんじゃないか、と推定するのが本書のスタイル。
おもしろいといえば面白いのだが、何となく「暴言」のパワーを常識の枠組みに回収していくようにも思われなくもない。
特に、よく知られているエピソードが多い古代から江戸までは、正直、あまり面白くない、と感じてしまった。
けれども、近現代に入ってくると、俄然面白くなった。
(それは単に私の知識がなく、新鮮に思えるからだったのかもしれない)
丁寧に文脈を確認していく作業がなされていて、好感が持てた。