あらすじ
感染症の拡大を背景に周囲の病院の救急態勢が崩壊する中、青年医師・公河が働く病院は「誰の命も見捨てない」を院是に患者を受け入れ続ける。長時間の連続勤務による極度の疲労で、死と狂気が常に隣り合わせの日々。我々の命だけは見捨てられるのか――芥川賞受賞の気鋭が医師としての経験を元に描いた、受賞後初の単行本。
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Posted by ブクログ
基幹病院が崩壊し医療崩壊した地域の唯一、救急を受け入れる病院に外科医・公河が勤務している。
長時間の連続勤務による極度の疲労で狂気を表出。天体の運行、そして本能と生理に逆らった労働に脳髄が消耗、何十時間も横にならなかったら縦になっている内臓が押しつぶされていくのだ。
患者は見捨てられないが、院是の『誰の命も見捨てない』の中に医者の命は含まれていない。患者は弱さを振りかざして自分の命を搾取してくる。
奥内は自分より悲惨なミイラ少年のために働くことができていた。あらゆる境界を見失い震撼する二元性が表されている。
Posted by ブクログ
医師でもある著者が凄まじく多忙な緊急医療の医師達を描いた作品
ただし、単なる医療現場の悲惨さだけでなく、医師の命に対する想い、葛藤や、友情、恋愛まで踏み込んだ異色な作品だ
現実と妄想が入り乱れて、一見読みにくい作品だが、つい引き込まれて一気読みした
それにしてもやはり、医者の多忙さは異常だ
月に100時間を超える残業、72時間の連続勤務、今どきは一般企業ではありえない過酷さだ
我々は当たり前のように医療を受け入れられると信じ込んでいるが、それは綱渡りなのだろう
Posted by ブクログ
しんど過ぎて途中何度も挫けそうになった
でも極限状態の人間の狂気的な描写はかなりリアルなんだと思う
私の父も外科医で、幼い頃はそれこそ当直もあり、論文書きながら、手術もこなし、幾度となく夜呼び出されて、家族旅行の思い出なんてほぼないし、学校行事に来たことなんて一度もない…結局急逝する2年前、79歳まで医師として仕事を続けたけれど、父が読んだらどんな感想言うだろうなぁ〜とふと思った