【感想・ネタバレ】カフェの世界史のレビュー

あらすじ

普段身近に楽しんでいるカフェというものは、どのような歴史的なルーツを持っているのか、どのような文化的背景とつながっているのか、飲み物とお菓子を片手に「なるほど」と思えるような、いつものカフェタイムがちょっと楽しくなるような世界史の話。
noteフォロワー1.7万人、イタリアからカフェや美術館について発信を続ける気鋭の研究者、渾身の初著書。

装画:藤田嗣治《カフェにて》1949
※権利者の許諾を得て使用しています※

ザッハトルテはアルプスを越え、バームクーヘンは海を越えた。
ロンドンのコーヒーハウスは社会を変えた。パリのカフェは芸術を支えた。
カフェ誕生前夜から、現代の最新事情まで。
カフェとそれを取り巻く飲み物やお菓子を切り口にした歴史案内。

※カバー画像が異なる場合があります。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

韓国に向かう機内で読んだためか1〜2行しかない韓国、中国への言及がめちゃくちゃ記憶に残っている
本著で言ってた通り韓国のカフェ(コーヒースタンド)の密度は日本に比べて高かった

世界史の知識が皆無のためしんどいところもあったがカフェの成り立ちを理解するうえでは必要であると感じた
発祥は酒なしの語らいメインの場ということで時代背景と相まって流行る理由がわかる

コーヒーはよく飲むけどエスプレッソはあんまりだがヨーロッパでは主流ということで少し試したい気持ちが沸いた

スタバがイギリスで全然流行ってないの背景考えるとかわいそうだけど笑ってしまう

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

全く個人的な嗜好なのだが物事のルーツを辿るのに感心がある。本書は文字通りカフェの成り立ちから始まっていてありがたい。イタリアにおけるスターバックス事情など現代にも筆が及んでおり大変面白かった。情報量は申し分無いが世界史そのものが関わってくるので読んでいて中盤に疲れたのも正直なところ。ケチをつけている訳ではなく著者の知識がそれだけ深いという事。
買ってはいないが1冊手元にあっても良い本。

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2025年04月22日

Posted by ブクログ

全6章、各章全3節で構成されており、それぞれの節は特定の時代とカフェ・コーヒー文化を絡めたテーマが設定されている。
節の序盤は教科書的な歴史の説明がなされ、続いて例えばイスラムからコーヒー文化がやってきた、とか、インスタントコーヒーが誰々によって発明された、とかのコーヒー豆知識が解説される。
実在するカフェ(スターバックス)やメーカー(ネスレ、森永)が登場するので興味を持って読めた。

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2025年06月24日

Posted by ブクログ

主に、イタリア、フランス、イギリス、オーストリアを軸にカフェ文化の歴史をまとめていて、非常に興味深かった。一口にカフェといっても国々によって成り立ちは異なるし、カフェで提供されるコーヒーやケーキなども異なる。オーストリアのザッハトルテ、イタリアのエスプレッソは早速味わうことにする。モロゾフと日本との関係、バームクーヘンが日本で流行した理由に、戦争が深く関わっていることに歴史の奥深さと非情さを感じた。

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2025年04月03日

Posted by ブクログ

カフェの世界史
カフェが侃侃諤諤の議論の場になることで、カフェがなければ、フランス革命も起こり得なかったと言うのは、言い過ぎかなと思いましたけど、コーヒーやカフェのない世界もやはり考えにくい。
フランスのクロワッサンのルーツがオスマントルコとの戦いにルーツがあるという話も興味深いです。
イタリアで、発想を得たスタバが、イタリアでなかなか受け入れられないというのは、面白いなと思いました。それだけ、エスプレッソやコーヒーに拘りがあるということでしょうか。
イタリアでは、1.5ユーロで、気軽にエスプレッソが飲める値段設定。カウンターとテーブル席で値段が異なるのは、同じ飲み物でも、面白いと感じました。

世界史の流れの中で、コーヒーやカフェの歴史を見ると、どちらも切っても切り離せない関係もなんだと、実感。

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

カフェという場所の歴史やそれにまつわる飲み物やお菓子などの歴史について書かれた本
イタリアのバールやエスプレッソについてはイタリアという国が世界史の中で見ても局地的にしか大きく注目をされないこと、カフェ的な立ち位置のバールの成り立ちはその世界史のなかでは存在感が薄かったタイミングで発展していったことなどについて紐解かれている。またシアトル系カフェや日本の純喫茶、なぜ京都ではカフェやパン屋が多いのかなどについても書かれており、カフェという場所が好きな人はおもしろい一冊だと思う

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2025年03月19日

Posted by ブクログ

本書の冒頭で川北稔さんの『砂糖の世界史』が出てくる。
自分も1年くらい前にこの本を読んで、とても楽しかったのを覚えている。

モノから世界史を見るというコンセプトは本書も同じ。
著者はイタリア史を専門とする、まだ若い研究者のようだ。
大航海時代、コーヒーがヨーロッパに渡ったところから説き起こし、産業革命、市民革命の時代を経て、喫茶文化として根付いていくところを追っていく。
第一次世界大戦下では、コーヒー豆の流通に影響を与える。
ヨーロッパが戦場となることで行き場を失ったコーヒー豆を安く買い取ったアメリカが北欧で売りさばいて巨利を手にしたり、戦後世界恐慌時のコーヒー消費量激減に直面したブラジル政府がネスレ社に長期保存可能なインスタントコーヒーの開発を依頼したり…といったことが書かれていて、モノの世界史ならではの面白さを味わえた。

日本の喫茶店や西洋菓子メーカーの歴史にも目配りする。
ユーハイムやモロゾフといったメーカー、京都の喫茶店文化のことが出ていたが、自分にとって一番驚いたのは、カフェ・パウリスタのこと。
大正時代の作家の文章で見たことのある店なのだが、創業者の日本からブラジルへの移民輸送に協力したとしてサンパウロ州からコーヒー豆無償提供という褒賞があったため、比較的安価で、一杯のコーヒーだけの客も歓迎される店となった、ということだったらしい。

5章以降は20世紀後半の状況。
この辺りは世界史というより、コーヒービジネスの変遷といった趣。
ヨーロッパの老舗のカフェの盛衰がある一方で、ハイブランドがカフェ経営に乗り出したり、スタバを中心とした世界的チェーンの世界展開のことなどが書かれていた。
イタリアに留学経験がある著者だけに、イタリアのバール文化の話など、身近に感じられるように紹介され、読んでいて楽しいところだった。
イタリアのバールのことだけでも、十分一冊の本になりそうな気がする。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと気になっており、本屋でばったり会ったため読むにいたる。コーヒーやカフェ、お菓子の歴史が当時の社会状況と共に書かれている。著者がイタリア史専門ということで、歴史的な背景に関する記述がものすごく細かく、逆にカフェの話の方が少し抽象的なような気がした。世界史好きにはおすすめ。
1番読んでよかったと思ったのはカフェの成り立ちと機能について知れたこと。カフェの前身であるコーヒーハウスはイギリスで誕生した。当時はコーヒーを楽しみつつ談笑ができる場として店を開いたらしいが、実際はただの飲食の場ではなく、政治や文学・哲学などの議論が熱く交わされていたとのこと。この場ができたことにより政府は「世論」が大きくなりすぎることを恐れたために、閉鎖令を出したらしく、これは今回の参院選後にSNSへの対策を口にする政府と見事に重なる。これは17世紀のことだ。また同じ時期のフランスでも同様の機能として使われており、こちらではさらに大衆への刊行物が配布される場としても使われていたそうだ。カフェを起点として政府への反逆精神を育み革命の準備をしていた。
SNSは匿名性故に人々の奥底から本音を引き出し、結果世論を形成しており、世論の形成が現実から仮想の空間に移行したとも取れる。そこの変化に何か危険性はないのか。顔の見えない関係で作られる世論は本当にいい未来につながるのか。そのあたりはしっかりと考えないといけない。

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2025年08月06日

Posted by ブクログ

カフェの世界史と題されてはいるが、どちらかといえば世界史を辿るなかでカフェやコーヒーの文化に寄り道するような構成になっている。
あとがきを読むと、カフェを入り口にして歴史学への興味を持ってもらいたいという思いを込めて本書を書いたそうなので、世界史が主、カフェが従となるような形になるのは当然なのかもしれない。

世界史の記述は高校生レベルのものなので、目新しく感じることは少ないと思う。ただ、コーヒーやカフェに関しては知らないことも多かったのでおもしろい部分も多かった。イタリアのバール文化をモデルにしているスターバックスが、イタリアではなかなか受け入れられなかった話などは良かったと思う。

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2025年06月26日

Posted by ブクログ

3.5かな。イタリアやフランス、ウィーンなど幅広くヨーロッパ史を網羅しつつ、最近のスタバやコスタ進出の流れも言及されていて、新書ながら読み応えはあった。もう少し軽妙な文体だと読みやすかったと考える。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

カフェの歴史を世界のさまざまな国について述べられているが、どちらかというとコーヒー文化を切り口に世界史をひもといているかのよう。そう思っていたらあとがきにそのようなことが書かれていた。
カフェについても面白く読んだが、それに纏わる各国のお国事情が興味深かった。

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2025年05月02日

Posted by ブクログ

カフェの歴史をテーマにしているが、ルネサンス期イタリア史を専門とする筆者があとがきに書いている通り、カフェを入口に歴史に興味を持ってもらうことが本書の狙いの一つだけあって、大航海時代以降の世界史を現代に至る迄概観しつつ、ヨーロッパ各国・日本等の文化の時代背景や、その当時の政治や社会情勢をカフェの歴史と関連付けながら理解できる一冊。

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2025年04月30日

Posted by ブクログ

砂糖、コーヒー、紅茶、カカオと世界史でよく取り上げられる「世界史を動かしたモノ」と様々な歴史的できごとを結びつけていて、まさに歴史は多面的にとらえるものということを感じました。ちょっとしたエピソードも多くて、歴史好きには興味深い本かと思います。ただ時折文章が読みづらい(いちど文章を読んだだけでは意味がわかりづらい)ことがありました。読点の位置や助詞の使い方のためかと思います。初の著書ということもあるのかな。テーマは面白いので次作に期待しています。

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2025年02月23日

Posted by ブクログ

【現代人が知る歴史はほんの数ページだけ?】
カフェと一言に纏めるには歴史を紐解くとかなり長い歴史がそこにはあった。
難解な歴史を読みやすく書き綴った本書は歴史が苦手なあなたでも読み進めることができる。
これを読むと"カフェ休憩の味わい方も変わる"かもしれない。
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FUCK SOCIAL MEDIA. READ BOOKS.
“The truth is nowhere to be found in such places.”
Instagram @fucksocialmedia_readbooks
Twitter @fsm_read_books
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"カフェの世界史"は、増永菜生さんが、カフェを通じて世界の歴史と文化を探求した一冊です。
本書は、カフェの起源から現代に至るまで
その"発展と社会への影響"を多角的に描いています。
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第1章では
ヨーロッパに喫茶文化が伝わる過程を紹介。
【全てはここから始まった】
"コーヒーハウスの誕生"やザッハトルテがアルプスを越えて広まった歴史が語られます。
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第2章では
【世界が動く時には必ずカフェも活躍した】
"産業革命期のイギリス"や"革命前夜のフランス"におけるカフェの役割、さらにロシアの喫茶文化とお菓子についても触れています。
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第3章では
【芸術には欠かせない存在として...】
"万国博覧会や美術館の発展"とカフェの関係性を探り、"世界初の美術館併設カフェの誕生"や「王室御用達」お菓子の歴史が紹介されます。
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第4章では
【ついに日本へ?】
"第一次世界大戦期のコーヒーとお菓子"
"日本へのコーヒー文化の伝来"そして1920年代のパリにおける知識人とカフェの関係が描かれています。
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第5章では
第二次世界大戦後の"コーヒーライフの多様化"
,大量生産・大量消費時代の到来"
そして20世紀後半のコーヒービジネスの展開が詳述されています。
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最終章となる第6章では
【大半の現代人が知るカフェの歴史はこの辺りから】
"ファッションとカフェの関係"、"スターバックスの世界的展開"そしてフェアトレードなど、現代のカフェ事情が取り上げられています。
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著者は、本書を「歴史や文化って面白い」と感じてもらうための「入口」として執筆したと述べています。
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そのため、専門的な研究書ではなく、幅広い読者が楽しめる内容となっています。
また、各章ではカフェやお菓子にまつわるエピソードが豊富に盛り込まれており、読者の日常のカフェタイムをより豊かにしてくれるでしょう。
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本書の装画には、藤田嗣治の《カフェにて》(1949年)が使用されています。
視覚的にも楽しめる工夫がされています。
カフェ好きや歴史愛好家はもちろん、日々の生活に彩りを加えたい方にもおすすめの一冊です。
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2025年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

想定よりかなり分厚い本だったので手に取ったとき驚いたのだが、読んでみて納得。
カフェの歴史についてのみ記した訳ではなく、ヨーロッパ史、ロシア史を解説した上でカフェの話をしているので、そりゃ話も長くなるわなという。
確かに背景の歴史が分かった上でカフェの歴史を読まないと理解しづらい部分はあるが、本題に入るまでが長いのが難点。
カフェの歴史を知りたいのに世界史の授業が延々続くので、途中で投げ出す人が増えそうである。
カフェの話がしたいのか、世界史の話がしたいのか、読んだ印象としては後者である。
特に第一次世界大戦に入るまでの前半は、その傾向が強いように思う。
事実、あとがきに「カフェを入口に歴史学に興味を持ってもらう」こともこの本の目的のうちだと書かれていたので、上記の印象は間違っていない模様。
他にも「カフェの話からは離れるが」と断って脱線することも多いので、個人的には少しもどかしい内容だった。
歴史部分や脱線部分をもう少し削ってコンパクトにして欲しかったなあ。
新書にしては分厚いので……ノベルスかと思った。

後半の大戦中の話やスタバの話などは興味深く読みやすかった。
大戦の話はさておき、スタバだと身近に感じやすいからだろうか。

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2025年02月17日

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