あらすじ
日本からはるばる海を渡ってきた比嘉勇と現地で育った移民二世の南雲トキオ。ブラジルの入植地で彼らは出会い、親友となった。そして迎えた終戦。祖国大勝利を信じる「勝ち組」と敗北を知る「負け組」の間で巻き起こった抗争が、二人を引き裂いた。分断、憎悪。遠き異国で日本人が同胞に向ける銃口。ふたりの青年の運命が交わったとき。絶賛を浴び、渡辺淳一文学賞に輝いた、圧巻の群像劇。(解説・杉江松恋)
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Posted by ブクログ
日系ブラジル人の話。
明治、大正、昭和の時代、日本は爆発的に人口が増え食料が不足していた。
そのため、日本政府は国策として、日本人を海外に放出することを考え、その送り先がハワイやアメリカ西海岸、またブラジルなどの南米であった。
沖縄は食料が不足し、日本の本土に移住した沖縄人が多かったが、本土人による差別に苦しんだ。
そこで、沖縄人の多くは、差別されない場所を求めて、はるか地球の反対側のブラジルに移住を決意した。
移住者は錦の旗を飾って日本に帰ることを夢見て、ブラジルの奥地で奴隷同然の状況にも関わらず、必死に農業に従事した。
そこはあまりに日本から遠く離れていたため、日本からの情報が乏しかった。
そんな状況下での太平洋戦争と敗戦。
直接戦場となることはなかったにも関わらず、はるか地球の反対側で繰り広げられた、日系ブラジル人同士の闘争、後に「勝ち組」、「負け組」と呼ばれることになる。