あらすじ
一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせ場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそれぞれに、何かが起こる瞬間を待っていた。迫りくるタイムリミット、もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく! 抱腹絶倒、スピード感溢れるパニックコメディの大傑作!
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Posted by ブクログ
主要登場人物は、なんと27人と1匹。
多っ!!
冒頭では登場人物が一覧で紹介されていて、そのあまりの多さに「これは絶対苦戦するやつだ」と覚悟していたのですが、実際にはまったく混乱せず、驚くほどスルスル読めました。
本書には、いわゆる「章」がありません。
代わりに「1」「2」「3」……という形で、次々と視点が切り替わっていきます。ほぼ同時刻に起きている出来事が、1〜2ページごとにテンポよく別の人物の視点で描かれるので、読んでいてまったく飽きません。
登場人物が多いにもかかわらず、「誰が誰だっけ」と混乱しないのも見事です。
おおよその場面は、以下の通りです。
1つ目。関東生命八重洲では、その日が営業強化月間の最終日。月の売上を左右する超重要な日であり、東京支社へ契約書を届けなければなりません。そこへ、元族の総長だった女性・えり子がオートバイを乗り回し、契約書を送り届けようと奔走します。
2つ目。「ぴざーや」の店長で、えり子の友人でもある人物。えり子に頼まれ、重要な書類を持ち、大雨で電車が止まり立ち往生してしまった関東生命八重洲の額賀部長を、自前のバイクで東京駅まで法外なスピードで送り届けます。
3つ目。舞台「エミー」のオーディションを受け、見事その座を勝ち取った小学生の麻里花と、そのライバルの玲奈。帰り道の東京駅で偶然出会った二人は、3人組の男性のうち1人が落としたジッポライターを拾い、持ち主に声をかけます。
4つ目。ヒステリックで真面目すぎるあまり、少し気難しい佳代子。そんな佳代子をたぶらかした正博。そして、佳代子と別れるための芝居に協力させられる、正博のいとこの美江。正博と美江は誰が見ても美男美女で、その二人の様子を見た佳代子は激しく取り乱し、一人で店を飛び出してしまいます。
5つ目。大学のサークル「ミステリー連合会」に通い、次の幹事長の座を狙う春奈と忠司、そして現幹事長の蒲谷。蒲谷が出す難問をミステリー好きとして推理し、正解した方を次期幹事長にするという流れの中で、二人は佳代子、正博、美江の修羅場に遭遇します。
6つ目。ホラー映画監督のフィリップ、そのペットのイグアナであるダリオ、そしてフィリップを支える霊感の強い久美子。自身の映画のプロモーションで来日中、ダリオが行方不明になってしまいます。そこで偶然ホテルで居合わせたミステリーサークルの学生3人や、正博と美江たちと行動を共にすることになります。
7つ目。オンラインで仲良くなった俳句仲間とのオフ会に参加するため、東京にやってきたご年配の俊策。初めての東京で、お土産が入った紙袋と、まったく同じデザインの見知らぬ人の紙袋がすり替わっていることに気づかないまま、事件に巻き込まれていきます。しかも、オフ会で会うはずだった俳句仲間は、全員が元刑事という濃すぎる面々です。
8つ目。過激派組織「まだらの紐」のメンバーたちは、東京駅に仕掛けた爆弾と、それを爆破する計画のために東京駅へ来ていました。ところがその準備中、爆弾の試作品が入った紙袋を、同じデザインの紙袋を持っていた見知らぬおじさんのものと取り違えてしまいます。さらに、紙袋を紛失したことや今後の対応を3人で話し合い、動き出した矢先、メンバーの1人がジッポライターを改造した爆弾の起爆スイッチを落としてしまいます。
この約8つの場面がテンポよく切り替わっていくのに、まったく混乱しません。読んでいて、「本当によくここまで練って構成したな」と何度も感心しました。
イメージとしては、テレビ画面が8分割され、それぞれの場所で別々に進んでいた物語が、やがて東京駅という同じ場所に集まっていき、最後には分割されていた画面が一つにつながるような感覚です。
複雑に絡み合っていた伏線が、後半で次から次へと倒れていくさまは、まさにドミノのようでした。
Posted by ブクログ
神。面白すぎる。それから、楽しい。序盤はいろんなキャラクターがち一掴ずつ登場するので話に入って行きづらいかもしれないと思ったが、東京駅という舞台にみんな集まって展開していって、まさにタイトル通りドミノのように人物の行動が影響しあっていて、読んでて楽しかった。みんなが主人公なのでそれぞれの目的があるから縦軸もたくさんあってそれにそれぞれドキドキしたし、その目的ゆえの行動で時にすれ違って衝突して大きな話にも展開していて、読後感も最高。読んで良かったー
Posted by ブクログ
かなり多くの登場人物のある一日の東京駅周辺を舞台に繰り広げられるとっても勢いのある話
時代背景が出版当時2000年付近なのでちょっと古い(携帯とか社内便、元ヤンとか)けど、楽しい。その時代を知っている必要があるかもしれない。
東京駅に訪れたことがある人は何となく情景も浮かびやす位と思う