【感想・ネタバレ】新訳 ヴェニスの商人のレビュー

あらすじ

貿易商のアントーニオは親友から借金を申し込まれる。ある貴婦人に求婚するための資金がないという。貸してやりたくとも、彼の全財産は現在、船の積荷となって海の上。仕方なく、ユダヤ人のシャイロックに借りるが、「返済できない場合は、体の肉を1ポンド差し出す」という酔狂な条件つき。果たして、船は難破し、約束を守らねばならなくなったアントーニオだが……。シェイクスピア作品で最も人気が高い、悲喜劇の傑作。

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Posted by ブクログ

こういう新訳には「新訳」としての価値がじゅうぶんにあるのではないか、と感じます。(普及版である文庫だし)。アル・パチーノ主演の映画にも触れた訳者あとがきも興味深い(あとがき自体は映画公開の直前に書かれたものみたい)。「シャイロック」にどれだけ肩入れするか(できるか)で、この劇の印象が変わってくるというのは当然のこと。そのへんも勘案された、「上演を目的」ともされる新訳です。だから流れがいい。途中、まるでヴェネツィアのゴンドラに揺られているような(ヴェネツィアにもゴンドラにも詳しくはないが)リズムの「うた」が印象的です。私はやはり「詩人」としてのシェイクスピアもまた、とても好きみたいです。

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2011年07月19日

Posted by ブクログ

市村正親シャイロック・藤原竜也バサーニオの舞台を見た後、細かい部分を確認したく購入。新訳ということで、現代的な言い回しで読みやすい。
おとぎ話のような物語の中、差別の当事者として登場するユダヤ人の金貸しシャイロックのなまなましい心情描写が圧巻。
シェイクスピアがどんな意図を持ってこの戯曲を書いたのかは知るすべもないけれど、「ヴェニスの金貸し」として読んでしまう人の数は少なくないんじゃないか、と思わせる。それくらいにシャイロックという人物は魅力的。

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2010年09月21日

Posted by ブクログ

現代の世界の縮図を見ている気分になります。本当の正義とは何なのか? いわれの無い差別と搾取が人間をこんなにも悲しい存在にしてしまうのか?? 古典とは思えない。。。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

たまには古典を読もうということで、あまり中身を知らなかった『ヴェニスの商人』。読みやすくわかりやすい内容であるものの、割と倫理観を揺さぶられる内容ということを知る。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

社会批評の影響で避けてきましたが、読後は、その面白さに後悔するほどでした。特に、裁判の場で変装して登場するポーシャは、歌舞伎の荒事の主役のように堂々としており、その知的な駆け引きに魅了されました。また、最後の展開も印象的です。登場人物たちの夫婦愛や友情が曖昧に描かれ、物語に深い余韻を残します。この作品を「ユダヤ人差別の教科書」と単純に捉えていた過去の認識は、作品の多面性を見過ごしていたのだと痛感しました。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

 財産のない情熱家バサーニオは、噂に名高い女相続人ポーシャに求婚するために金が必要だった。大商人アントーニオは、この若い友人のため、航海中の全財産を担保にユダヤ人金貸しシャイロックから大金を借りる。シャイロックは無利子で融資するといった――ただひとつ、「期限を破った場合は、アントーニオの胸から肉一ポンドをもらう」と条件をつけて。

 2005年秋に映画『ヴェニスの商人』公開に合わせて出たもの。
 すばらしい訳だと思います。シャイロック、アントーニオ、バサーニオ、ポーシャ、それぞれの人物像に口調がぴったり合っている。
 これを小田島訳で読んだのは映画公開のころだったし、映画もこのところ観返していないしで、いい具合に中身を忘れていたので読んでいて楽しかったです。

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2010年11月05日

Posted by ブクログ

シェークスピア作品特有の、たたみかけるようなクライマックスのシーンがすごくスカッとしますよ。すっきり~、そしてかなり愉快!

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2010年03月20日

Posted by ブクログ

いやお前の肉切り取ってよこせはやり過ぎだけど、できらあ!て約束しちゃったのアントーニオだしなあ…というもどかしさが終始漂う作品。
シャイロックの主張の方が筋が通ってるように感じられ、なんなら主人公サイドに嫌悪感持ってもおかしくない筋書きなのに、不思議と好感をもってしまうキャラクターばかりなのはさすがシェイクスピアというところなのでしょうか。
作劇的には何の意味のないただの明るいやつというランスロットが好き。
そして下ネタギャグで終わるの最低で笑ったw

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2025年09月16日

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