【感想・ネタバレ】蜘蛛の糸・地獄変のレビュー

あらすじ

大正7年、芥川はすでに文壇に確たる地歩を築き、花形作家としての輝かしい道を進んでいた。愛娘を犠牲にして芸術の完成を図る老絵師の苦悩と恍惚を描く王朝物の傑作「地獄変」、香り高い童話「蜘蛛の糸」ほか、明治物「奉教人の死」、江戸期物「枯野抄」など溢れる創作意欲の下に作品の趣向は変化を極めている。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved

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Posted by ブクログ

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収録されている作品すべて面白い。特に地獄変は絵仏師良秀を題材に描かれていて芥川の芸術観が表れているように感じられる。

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2014年02月12日

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芥川の文章は無駄がなく、冬の夜みたいな冷たい美しさだと思う。
蜘蛛の糸は学生時代ぶりに読んだけど、あのころと良い意味で抱いた感想は変わらない。人によって感想がわかれそうだから読んだ感想や解釈を話し合うのも楽しいかも。
地獄変は人を魅了するものを造るには人でいることを手放さなければならないのか、いや手放さずにいたから造ることが(描くことが)できたのか自分でもこれだという考えがまとまらないけどそれが芥川作品の良さでもある。
毛利先生は心が苦しく、切なくなる。
人のことを愚かだと嘲ったあとに知るその人の本質。
誰かのことをわかった気になることほど浅はかなことはないよなあ。

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2021年01月02日

Posted by ブクログ

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蜘蛛の糸感想
地獄から這い上がろうとする主人公の執念とそれを潔しとしないお釈迦様とは別のお天道様の存在を感じた。人間は一度執念にとらわれるとそれに固執することも多々ある視界の狭い生き物だと思った。お天道様は見ているという言葉がありありと思い出された。

お釈迦様の地獄にいる主人公を助けるために蜘蛛の糸を垂らしたあたり、お釈迦様の慈悲深さを感じた。これほどまでの聖人でありたいと自分の醜い一面を省みながら思うのであった。お釈迦様ほど人格が出来上がって、神と崇め奉られているような方が、地獄にいる人を助けたりすることがあろうか?

すごく短い作品ながらも、いろいろ思うところはあった。主人公のその後も想像してみるのも面白そうだ。

地獄変感想
とにかく絵師は耽美主義の権化で、娘が乗る牛車が燃えても、悲しむ姿は見せつつも、絵を描けるのは美を追求しすぎていて、人間の心がどこか欠けていたようにも思える。いくら良秀の申し出とは言え、娘を燃え盛る牛車に乗せるお殿様もなかなかに酷である。

ミミズクやヘビが良秀の弟子を襲い、良秀の弟子が泣きわめいたりして阿鼻叫喚と化している場面は、なかなかにカオスな感じもあった。

この作品は人間の心が欠けている人物が多く、あまり好きではなかった。人面獣心とはまさにこのことだ。芸術のために、なぜあんなむごたらしい事ができるのか私には疑問であった

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2024年12月09日

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 地獄変は教科書で学んだ宇治拾遺物語の「絵仏師良秀」の続きのお話。
燃え盛る家の中で女房子供が燃えているのを見て、不動明王の背中の火を描いたというサイコ良秀は、今回も健在。
 地獄の様子を屏風にしろと言われ「私は見たものしか書けん!」と、自分の娘が牛車で燃やされても、絵を描いていた。
 良秀が芸術のためなら家族の命だって厭わないという狂信的な芸術至上主義なのはわかったけど、それだけじゃ「宇治拾遺物語」と同じ。
 ここからが芥川。語り手のうさんくささ(事実を言っていない可能性)と、大殿の実際の行動から、良秀も大概だけど、大殿もかなり性格が悪そう。
 そんな大殿が良秀を嗜めようと、見たこともないはずの地獄の様子を屏風に書けと命じたから、今回「も」悲劇が起こる。

 ただ、そのままだと、娘が浮かばれなさすぎるので、「猿」という救いの手を差し伸べたのは、芥川の優しさだったのかな。正直「猿」必要かなぁって思いながら読みました。

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2023年05月26日

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久しぶりに読んだ芥川龍之介の作品でした。

今回強烈に感じたのは、和の様式美とでも言うべき彼の文章の美しさです。全作通じてカタカナが殆ど見当たらず、ほぼ全て漢字とひらがなのみ。熟語の並ぶ堅苦しさも若干感じこそすれ、それは日本語本来の美しさや様式美に通ずるように感じました。

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さて、本作に収められている作品ですが、「袈裟と盛遠」、「蜘蛛の糸」、「地獄変」、「奉教人の死」、「枯野抄」、「邪宗門」、「毛利先生」、「犬と笛」の8作品。

「蜘蛛の糸」は非常に有名ですが、恥ずかしながら私は芥川龍之介といえば、これと「羅生門」くらいしか知りませんでした。

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で、今回本作をすべて読んで、「袈裟と盛遠」、「枯野抄」、「邪宗門」に興味を持ちました。どれも歴史を題材にした小説ですが、そこに芥川氏一流の創作が挿入されている形でしょうか。

「袈裟と盛遠」はどうやら源平盛衰記に典拠した作品のようですが、殺人者と被害者という対立関係に内在している一種の共犯関係ともいうべき心理を描いています。この二人は不倫関係の末に、男が、女の旦那を殺そうとして誤って女を殺すというもの。しかし本作ではこの誤認をお互いが予測しているという筋立てであり、その心理描写が絶妙。なお、ソースである源平盛衰記は違った書き方であるそう(未読なのですが、盛遠が誤って女を殺してしまい、それを悔いて出家するとか)。

今でこそ、心中テーマはもはや驚くほどでもありませんが、本作は初出が1918年。きっと今以上にセンセーショナルに映ったのではないかと思い致します。


「枯野抄」は、松尾芭蕉が亡くなる直前、その弟子たちが師匠の死を前にして、夫々の思惑を思い巡らす場面を描いています。人はおよそ、大切な人の死を前に、死者を悼むのではなくむしろ自分の行く末や顛末を考えていたりするという、シニカルな情景をあぶりだします。その節操のなさを本人たちが自覚している点もまたユニークです。これは舞台などで見たら映えるのではないかと夢想してしまいました。


「邪宗門」は平安時代を題材にした伝奇小説とでもいえる作品ですが、残念ながら未完。どうなるのかとワクワクしながら読んでいたので一層残念でありました。本作を読んで私は中学生の時に一瞬ドはまりした藤川圭介氏の「宇宙皇子」を思い出しました。歴史上の人物+超能力とか魔力とか、そういう取り合わせにどうやら弱いようです笑

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ということで、久方ぶり(30年ぶりくらい?)に芥川龍之介氏の作品を楽しみました。

氏の作品は日本文学・文芸の祖という扱いでか、中学や高校とかで取り上げられることが多いと思います。ただし、到底その年代では楽しめないのではと感じました。

学究から離れた大人の方が振り返って読まれることで、かつては分からなかった面白味が感じられるのではないでしょうか。また平安期を題材にした作品が多いので、京都方面にご縁がある方、関西の方は一層楽しめるのではと感じました。たしか「邪宗門」には烏丸とか河原町とかの描写が出てきていました。私には阪急線の急行の駅、という程度しか思い出がないのですが笑 本作を読みながら京都旅行にでも行きたいものです。

あ、あと最後に。これ、表紙がとっても素敵です。絵柄もそうですが、紙の素材が和紙のような手触り感になっています。そのザラザラ感も楽しめる作品です。

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2022年11月13日

Posted by ブクログ

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短編集でクモの糸が入っている。地獄変では、娘を牛舎に入れて燃やしてしまう。絵のために。
毛利先生は、不器用ながら教えるのを生きがいにした先生の話。
犬と猫は欲がない主人公が家臣を助けて犬をもらい幸せになる話。
どの話も人間味があってよいと思う。

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2016年10月10日

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