あらすじ
地形的に見ると、アメリカもロシアも中国も弱い。
だから、戦争をやめられない。
近年、「世界情勢を理解したい」という需要が増えています。
ロシアのウクライナ侵攻、パレスチナ・イスラエル戦争、中国の台湾・尖閣諸島・南シナ海での野心的行動など、ニュースで不安定な国際情勢にまつわる話題を見聞きしない日はありません。
国際政治を考える上で、まず見るべきものは何でしょうか?
歴史、文化、統計、報道――どれも重要です。
しかし、本書はそれが「地理」であると考えます。
ニュースを普段見ていると、外国首脳の発言や人々の意見ばかりが目に入ります。
それらを見ていると、世界情勢を動かしているのは「人間の意志」だとつい思いがちです。
しかし、人間の思考や行動は、私たちが思っている以上に地理に動かされています。
それも、気づかないうちに。
地理を基準に世界を眺めると、次のようなさまざまな事実が見えてきます。
●アメリカは広い海で隔てられるので「攻められづらい」国だが、同時に他国を「攻めづらい」国でもある
●ロシアはヨーロッパの大国と平らな地形で繋がっているせいで、領土を拡大し続けなければならない
●対立を深めるアメリカと中国は、実は国土や隣国との関係など、「似た者同士」である
●日本にとって朝鮮半島はユーラシア大陸との「橋」。朝鮮半島の安全を確保することは伝統的な地政学的課題
寒い場所では、港が流氷で閉ざされて、貿易ができません。
「国を守ろう」と思っても、地形が平坦だとかなり苦労します。
地理が「檻」だとすれば、国は「囚人」です。
囚人に何ができて、何ができないかを知るには、まず檻の形を知らなければならないのです。
本書は、地政学動画において平均再生回数150万回という圧倒的な支持を得る著者・社會部部長が、不変の地政学の法則を解説する1冊。
「海と陸」というシンプルな切り口を中心に、これまで世界で起きてきたことの真の理由を知り、今の世界で起きていることを「自分の頭で考えられるようになる」本です。
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このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
地政学の本を初めて読みました。
きっかけは沈黙の艦隊の映画を一緒に見た主人がこちらとリヴィアサンなどを買い始めた為です。
とても読みやすく面白かったです。なぜ中国は尖閣諸島を狙うのか、なぜロシアはウクライナに侵攻したかなど相手の立場になって考えると相手には相手の道理があり戦争するから悪い国と一概に言えないのだと思いました。
作中の偉人が伝えた善い人と悪い人は区別できない。は自分の小さな人間関係でも当てはまるなと思いました。自分自身もお互い理想と現実を知り対話していきたいと思いました。
漫画の国境のない世界を伝えた海江田。現実にならないかなと思いました。
Posted by ブクログ
地政学について何も知らない初心者ですが、わかりやすく書かれていて読み切ることができました。(地図と睨めっこしながらですが…)
何も知らないと理想主義で戦争をする国が悪いという思想になってしまいます。しかし、それぞれの国にそれぞれの考え、不安があり、お互いに考慮する必要があることがわかりました。
注意して読んでいるつもりでも、日本の領土拡大などに関する内容ではそれが正しいことのように感じたり、他国の行動が間違ったことをしていると感じたり、、
相手の視点・状況をよく理解することが必要!そのための各国の弱点や地政学的に重要な土地など、知っておくべき情報が沢山含まれていました。