あらすじ
「人事」という言葉から、ネガティブなイメージを抱く人も多いのではないだろうか。それは、多くの日本企業が「過去」を見る「継続性のマネジメント」に縛られ、人事がその先頭に立っているからだ。いま求められるのは、「現在」を見る「戦略性のマネジメント」である。長年、人事部門を歩んできた「人事のプロ」と組織行動研究の第一人者が、会社が「勝つ」ために必要な考え方を経営の観点から綴った、稀有な一冊。
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Posted by ブクログ
八木の今まで経験した会社で人事として行ってきた取り組みと、金井のそれを裏付ける理論や科学的根拠が載っている点で、HARD THINGSの人事版(前半・後半を違う人が担当することも相違)だった。人事の知識を得る点においてはhow to本に劣るが、マインドとか気概を知ることができる(戦略人事のビジョンの場合、各章の後半パートは金井の説明になっていて、支持する理論や科学的な裏付けも知ることができる)。
また、現在取り組みたいプロジェクトがあり、それ関わる部分の付箋が凄い事になったことから、アウトプットを前提としたインプットは、より効率的だと感じた。
ただ、全てのインプットをアウトプット前提にすることは難しいので、アウトプットを前提としない場合は、脳内の引き出しにしまい、引き出しの存在だけを覚えておくようにできればなぁと思った。
Posted by ブクログ
「おすすめする人」
”人事とは綺麗事を通す仕事である”
この言葉に「なるほど。」となる人が恐らくこの本のメインターゲット。笑
つまり、広い意味で人事の仕事に関わりながらも、理想と現実とのギャップを感じているビジネスマン〜30歳くらいまで?が対象。日本GEでのHRリーダー経験を元に、人が企業にとって価値を返せるような仕組み、運用を考えている。
「学び」
個人的には上述した表現がドンピシャで刺さった。人事は経営の考えを理解しつつ現場の声もちゃんと拾った案を考えつつ、その他多くの総務的な仕事もこなしているが現場からも経営からもコストセンターだと認識されているというなかなか難しい立場。芯を持たなければ社内の御用聞きになってしまうのも無理は無いなと感じる。
だから、リーダーシップを社内に求める人事がまずはリーダーシップを持つ必要があるというスタンスは最もである。
リーダーシップを持ってビジョンを浸透させるために、具体的には以下3点の行動が真似できるなと感じた。
①doableではなくdeliverableで考える
②理念から行動まで言語化する事で暗黙知の入り込む隙をなくす
③パフォーマンスだけではなく、バリューを守れているかも重視する
Posted by ブクログ
既読本の棚卸し。
こちらは人事に関する一冊。
人事、評価、組織などについて考えている人には、良い参考書になると思います。
以下、赤線を引いた部分です。
マネジメントには「戦略性のマネジメント」と「継続性のマネジメント」がある
「戦略性のマネジメント」は、「現在」を見て、勝つための戦略を立て、それを企業内の各機能に一貫性をもって反映させるマネジメントです。
「継続性のマネジメント」とは、「過去」を見て、企業における歴史的連続性を重視するマネジメントです。
日本的経営がもてはやされた(中略)時代に、米国の経営学者ジェームズ・アベグレンらが日本企業の強みとして見出したのが、年功序列、終身雇用、企業内組合という三つの制度でした。
しかし、この「三種の神器」という考え方は”罪”でした。アベグレンの罪ではなく、人事制度を「神器」にし、奉ってしまった私たち”日本人の罪”です。
人間は、「ちょっとだけ不公平」な環境に身を置いた方がやる気が出るものです。
「CEOの仕事の八~九割は人の問題だ」
(ジャック・ウェルチ)
上司との相性も実力のうち
目標設定のモティベーション効果は、目標の困難度、目標の具体性、それに目標へのコミットメントの度合い(目標の受容度)によって決まる。
(メリーランド大学の教授を務めたエドウィン・ ロック)
年に一回のフォーマルな業績評価より、日々その場その場でフィードバックを与える評価の仕方の方が社員の成長につながる
学びは教えてもらって得るものではなく、問題意識をもって取りにいくものだ
「チェンジを起こしたかったら、賛成してくれる人を増やすより、反対する人を減らせ」
(MITエドガー・H・シャイン先生)
物事は小さいことから始めなくてはいけません。ふつうの人は小さいことにこだわりをもち、不満を感じるものなのです。
「正しいと信じることを正しくやる(do the tight thing right)」
リーダーはリーダーにしか育てられません。
リーダーシップは、部下に対してだけでなく、上司に対しても発揮しなくてはなりません。
「自分の人生にストーリーをもち、せめてその中ではヒーローであれ」