あらすじ
バンコクの高級アパートで暮らすマリは、コロナ禍で出張先から帰ってこられない夫と別居生活を送っている。日本にいた母の葬儀にも参加できず、孤独なマリに声を掛けたのは、テオというタイ人青年だった。寄り添い、理解しようと向き合ってくれるテオに、マリは心惹かれるようになる。魂が震える最高純度の恋愛小説。
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Posted by ブクログ
面白かった。
一木けい、いいね!
読めるわ。
内容は、不倫なのに、純愛だったりで、まあ、それも愛なのかもしれない。
チーマリが幸せそうでよかった、いい人に出会えたねぇ。
Posted by ブクログ
彼女たちの求めていることは、私の求めている事だった。
テオに、祐介に、ヴィンセントに感じられた安寧がどうしたって正規の夫には感じることができなかったのが虚しかった。求めるものはいつだって正しい形で素直に手に入ることはなくって、傷つくないと、捨てる覚悟がないとだめなんだろうか。そうなんだろうな、多分。
『なーなーの国』での晶の終わりの独白を最初はどういう感情由来のものか分からなかったけど、次の『パ!』で彼女視点の話が続いた時、ああ孤独で虚無を抱えて、何もかもが通り過ぎてどうだってよくなってるんだって気づいたりしてた。
基本的に不倫や浮気をしている登場人物を好感持って読めないんだけど、彼女たちに関しては憎みきれない人となりでよかった。ゴムをしない浅はかな紗也子は「着いてきて欲しいところがある」の言葉に一も二もなくうなづいて近づく疑心から守って引っ張ってくれた。駆け落ちしたマリは哀しいくらいにいつでも冷静で、いつでも夫への誠意を保ち続けていた。晶は伝えようと言葉を絞り出して、伝わらなくて、立ち尽くして絶望するその姿が今のわたしに重なっちゃった。
"最高純度の恋愛小説"なんて嘘ばっかり、こんな不倫ばかりの人達の話って思いながら読んでたけど、でも、読んでよかったな。偏見と不快感で読むのやめなくてよかった、それくらい彼女たちの思考は言語化を求めていた言葉そのものもだった