あらすじ
養老孟司×久石譲 対談集!
脳科学と音楽が織りなす驚きの世界へ、あなたを誘います!
解剖学者・養老孟司と作曲家・久石譲が、脳と音楽の不思議な関係を紐解く画期的な一冊。
なぜ人は音楽に感動するのか? 映像と音楽のシンクロはどのように起こるのか? 脳科学の視点から音楽の魅力に迫ります。
- 脳と音楽の関係を、わかりやすく解説
- 久石譲の作曲秘話や、養老孟司の斬新な視点が満載
- 音楽の楽しみ方が変わる、新しい知見の数々
音楽ファンはもちろん、脳科学に興味がある方にもおすすめ。この一冊で、あなたの音楽体験が劇的に変わるかもしれません。
今すぐ手に取って、音楽と脳の深遠な世界を探検しませんか?
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Posted by ブクログ
さすが養老先生の本。面白い。
久石さんとの対談で、聴覚と視覚、音楽などの切り口で話が展開されていてよい
メモ
•視覚にないものは時間、聴覚にないものは空間
•虫は想定外のことに対応できない。プログラムされている。人間は進化を待たなくても脳により環境適応できる
•言葉で表現しようとすると落ちていく、比べようがないものを哲学ではクオリアという
•言葉で表現できないものを表現するために芸術がある
•耳は半規管と繋がっており、人間の中では比較的古い感覚機であるからこそ、聴覚は情動につながりやすい
•そういうものだと思う は典型的な日本の考え方
•プラグマティズム 何が真理かを理論や理念でなく、実際の行為が生み出した結果有用性で判断しようとする哲学
•いいと言われるものには持続的であると言う要素が含まれている
•自分が閃かなくて困っている人は自然の中に出ていけばいい
•感情的かフラットか
Posted by ブクログ
★感想
バランス、リズム、円、生きる力とは。
それぞれのキーワードは点だが、
人との関わり(自分の捉え方、互いが楽、楽しい生活など)、
授業づくり等において、つながる感覚。
ちょっと長いけれど、やっぱり読書はいい。
★好き 引用 一部変更
・作曲の胆も閃きにあらず
P80 久石氏 いい音楽と悪い音楽はどこでわかれるんですか。
養老氏 いいといわれるものには「持続的である」という要素が入ってくることでしょう。その場限りのものはやっぱりよくない。どのくらい尾を引くか、というところが大事なんじゃないかな。(聴く側にとって、脳みその中で、ピンボールがあっちこっちに跳ね返る感じ)
久石氏 (作曲の仕事)そういう意味では、結構地道な作業なんです。
P104
文章の基本はリズムですよ。読みにくい文章と言うのは、根本はリズムが合わないんです。ラジオ体操でも音がついてリズムがあるからできる。音がなくてただ目で見て真似しろといっても同じようにできませんよ。(生物の基本は螺旋活動)視覚に現れるリズムって「螺旋」なんですよ。横からみると戻ってないけど、絡んだり下がったり・・・時計と同じ。解剖学者の三木茂夫先生はよく「形の真髄はリズムである」と。生物の基本にはすべてリズムがあるという。卵が親になる、その親が卵を・・・ただ同じところをぐるぐる回転しているわけではなくて、それが時間の経過とともに少しずつズレていく(例 進化)。ズレていく過程に関与するのが「時間」指揮者が指揮棒で円を描くように、リズムの基本は円。
P133 現代は、花鳥風月なく、すべて人間の世界。
自然は人間社会のちまちましたことなんか関係ない世界です。だからそこにふれることでバランスが取れる。
・人間は本来敏感な反応ができたはずで、それだけそうした感覚を持って生きているかが肝心(レヴィ=ストロース 野生の思考 みすず書房)人が持っているものに回帰するような日々の過ごし方というものを考え直さないといけない。文科省は「生きる力」といいました。言葉ではぴんと来ないでしょう?今の人は生きているという感じが見えない。自然に入っていくことが感覚のバランスを取り戻すことになる。
もののあわれとAI
P238人間は歓声と情緒がないと生きていけない
音楽を聴いて、なぜ人は感動するのか。音楽を感じるというのは、古い方の脳、前頭葉ではなく、もっと原始的な脳(大脳辺緑系)の部分に音は直接届いているから、人は感情を揺さぶられている
感動や美しいといった気持ち、数学や情緒的なものも。純粋理性みたいな部分だからピントこないかもだけど、数式を見て綺麗っていう人がいるのは論理だけじゃない、数学の中に情緒的なものがある。人間ってやっぱり完成とか情緒がないと生きていけないんだろうな。
★自分の引用メモを生成AIに要約してもらった
1. 感性と身体感覚の「土壌」を取り戻す
・構造物に囲まれて「触れる」ことが失われると、身体が置き去りになる
・「木の文化」のように、人の触感に合った素材との触れ合いが、身体と感性をつなぎ直す鍵
・感性を育てるには、五感に直接触れる日常が必要
2. 音楽・文章・生命の本質は「持続とリズム」
・良い音楽には「尾を引く余韻」がある
・生物も文章も「リズム=螺旋の動き」を持つ。形の真髄もリズムに宿る
指揮棒が描く円のように、時間の中で少しずつズレながら螺旋状に進化していくのが命の営み
3. 意識が暴走する現代、人は自然とつながる必要がある
・現代は人間関係中心になり、言葉や意識が肥大化して呪いのように深刻化(例:いじめ)
・自然の中には「人間の都合が及ばない中立世界」がある → そこに触れることで感覚のバランスが整う
・時々“人間の社会”を離れ、自然に身を預けることが必要
4. 自由と尊厳を守る「統合的な共生社会」のあり方
・パラリンピックの選手たちは「自力でできることはやる。助けは最小限に」
・健康な人ほど、手を出したがる=「何もしない不安」からの善意の押し付け
・「人生は作品」なら、その人の描き方に任せる自由を大切にすべき
5. 人間の根源には感性・情緒がある:AIとの対話
・音楽の感動は理性ではなく、原始的な脳(大脳辺縁系)に届く
・数学にも情緒がある:「美しい数式」に感動する人がいる理由
・感性なくして人間は生きていけない → AGI(汎用人工知能)に何が宿るのか