あらすじ
■「はじめに」より一部抜粋 江戸時代の大名で剣術の達人でもあった松浦静山が説いたように、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」である。華麗な成功は必ずしも「勝利の方程式」に基づくものではなく、偶然や幸運に支えられていただけであることがままある。一方で、敗北や失敗には明確な原因がある。であるならば、むしろ歴史上に無数に存在する凡庸な失敗を反面教師とするほうが役に立つのではないだろうか。景気が悪く退屈な話だったとしても、敗者の失敗に関心を寄せ、同じ轍を踏まないよう心がけるほうが、成功者の派手で華麗なリーダー論に接して気分が良くなるよりも、よほど意義がある。本書では、あえて歴史上の敗者に注目し、彼らがなぜ敗れたか、失敗したのかを考察していく。 ■目次【第一章】現場主義・プレーヤー型 ●源義経:最強プレーヤーはなぜ「独立」に失敗したか ●西郷隆盛:情に流された英雄の末路 ●山本五十六:大作戦を破綻させたコミュニケーションの欠如 【第二章】サラリーマン社長型 ●明智光秀:「三日天下」を招いた決断力不足 ●石田三成:最大の敗因は組織づくりの軽視 ●田沼意次:官僚の枠を超えられなかった改革者の限界 【第三章】オーナー社長型 ●後鳥羽上皇:自身の権威を過信した「名君」の誤算 ●織田信長:部下の謀叛を招いた「ブラック企業」の長
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Posted by ブクログ
日本史の中で一度成功を収めたものの最後には失脚し敗者となった者達を、失敗の原因を考察しつつ教訓を得ようとする書籍。
山本五十六の失敗には納得できないことがかなりあった。現場主義として取り上げるのなら実際に部隊の司令官として戦った南雲忠一を取り上げるべきであると考える。山本は作戦方針を上手く伝えなかったとあるが、南雲が上手く山本の意思を読み取らなかったことが原因であるとも言えるし、軍令部と連合艦隊の関係は山本五十六が問題の原因ではなく、連合艦隊司令長官の立場をうまく利用して作戦を遂行した山本を称賛すべきだと考える。山本五十六の欠点を粗探しし、敗戦の責任を押し付けている様に見えた。本来なら南雲をこの枠に持ってくるべきであったのだろうが、ネームバリューに欠けるので山本五十六を持ってきたのだろうか?他の人物はよく考察されているだけに、残念である。よって星は3とする。