あらすじ
男性が死の間際に「御羊」に変身する一族に仕える「わたくし」はその肉を捌き血族に食べさせることを生業とするアンドロイド。ついに大旦那が御羊になったある日、「わたくし」は儀式の準備を進めるが、一族の者たちは「御羊」に対して複雑な思いを抱いていた
第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
面白かった
幻想小説!
いやふつうに大家族を通した人間賛歌か?
まあよくわからない感じなのだが、読書体験としては極上だった
ありがとう
Posted by ブクログ
美しい世界、それぞれに不満や弱さ、優しさなどを持つ家族のすれ違いや共鳴などが独特な文体で描かれます。ところどころ、最後まで説明がなされず、特にヒントもなく触れられないまま終わる疑問もありましたが、それも人間に近しいけれど人間ではない存在が語り手ゆえのことなのかと思います。劇的な事件が展開されることはない(あっても過去の記録として)作品ですが、終盤は特に引き込まれました。
Posted by ブクログ
少しわかりにくいところもあるが、人間関係とか背景とか遺伝とか、物語の雰囲気全て好みだった。
死んだら羊になって、それから食べられるって、なかなかシビアに怖いことだ。でもそれを淡々とこなすAIのユウ、一晩眠ると記憶がリセットされ、夕方に近くなると人間に近づく設定などとてもユニークで面白かった。
Posted by ブクログ
Xで見かけて、好きな感じだろうな…で読み始めましたがドンピシャ。好みの世界観!!
You、あくまでも式のための機械かと思いきや、この一族の精神安定剤みたいにもなってるのかな。皆さん呼び方が違うのもいい。
一体桃子は何歳なんだ……トロッコに乗れるしぬいぐるみぶん回してるけど、幼女の言葉遣いと気遣いではない。一族、皆さん微妙に年齢がわからない
文体が読みづらいのもわかります、地の文が尊敬語というのは初めてと思うけど思いの外読みづらいんだな。わからない言葉遣いではないので慣れるのに時間がかかりました。
宮木あや子「太陽の庭」と綾辻行人「暗黒館の殺人」を連想してしまいました。違うけど。
ラムとマトンの中間の羊肉があることを知りました。御羊それくらいで饗されるのかなぁ。
Posted by ブクログ
一度挫折して、もう一度読み直したら、意外とするするいけました。
幻想小説だということを念頭にして、ひとつひとつの事象を自分なりに解釈して受け入れることが必要ですね…
(霧に存在が溶け出して、また自然に戻ってくるとかごく普通な様にやり出すし)
やや不安定なアンドロイド視点で、過去にいきなり飛んだりするのも、難読原因かも。
だけど、登場人物たちの心情や、キャラクター性、その奥行きに想いを馳せることができれば、なかなかない小説体験ができます。
なんの話?とかどういうメタファー?とかは、何度も読み直して自分なりの解釈をするしかないと思いますが…