【感想・ネタバレ】ザ・ルーム・ネクスト・ドアのレビュー

あらすじ

若い頃の友人に再会した作家は、「最期の時間を一緒に過ごしてほしい」と頼まれる。友人は末期がんだった。そして、心の準備ができたら薬を飲んで死を選ぶという。思いがけぬ日々のなかで作家が見たものは──。全米図書賞受賞作家による感動作。ペドロ・アルモドバル監督映画原作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

原題『What Are You Going Through』。
邦題も英語という中々ないタイプの訳出。
と思ったら、映画化されたときのタイトルを取っているのね。
今、この時に何を想い、どう未来と向き合おうとするのか。
旅立たんとする者とかたわらで寄り添う者、各々を象徴するかのようなタイトルの意味にそこここで思いが向く。

癌を患い闘病中の友人を見舞う語り手。
たまたま訪れた地の民泊で紹介されていた元恋人の講演会をきっかけに、にぶい胸の痛みを伴う思索ばかりが紙面を通じて読者に伝えられる。
気付かぬふりをしながら分かりきった崩壊に向かってじり進む世界、人生の終焉に対する岐路を迎えてもなお距離が埋まらない母子関係、恵まれた容姿で疎ましいほどの色目を向けられていたことが遠い過去へ過ぎ去ってしまった今の自分に対する忸怩たる思い。
分断と傷つけ合い。かっこつけの隣人愛。

そんな厭世感巡る中で、友人からのこれまた深刻な頼みに応えるため、語り手と友人は一つ屋根の下の生活を始める。

そこはかとないユーモアを交えつつ語られていくのでからっとはしている。
ただ、やはりまともに向き合えばその示唆するものはお先真っ暗でどこかげんなりすることばかり。
だからこそ、ストーリーを追う頭とは別のポイントで、今自分は何を大事にし、何をすべきなのかを意識してしまう、そんな感覚にどっぷりと浸からせられる作品だった。

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2026年01月17日

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