あらすじ
神山藩が舞台の『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』『霜月記』に連なる最新作。
国を棄てるかもしれぬ。
だが俺が知らぬ顔したら、義妹は死ぬ。
武士の理にあらがった二人の逃避行を描く表題作を含む、
四季薫る神山の原風景と、そこに生きる人々の気品が漂う作品集。
山本周五郎賞作家が織りなす、色とりどりの神山のすがた。
「半夏生」
国の堤を支える父と弟。彼らの背中は清く大きかった。
「江戸紫」
藩主の病が招く騒擾を防ぐ妙案はいかに。
「華の面」
能を通じて思い知る、同い年の藩主の覚悟。
「白い檻」
神山の厳冬。流刑先での斬り合いに漂う哀愁。
「柳しぐれ」
町を駆ける盗人の、一世一代の大仕事。
「雫峠」
神山を出ると決めた、二人の間に芽生えた思い。
~「神山藩シリーズ」とは~
架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
半夏生、たまたま読んでいた日とラジオで言っていた花言葉と重なり忘れられない花の名前となる。やはりこの作家の文章の雰囲気は好きだなぁ。前回の震災の話はあんまりよくなかったけど時代小説はしんみりと心に響く、
Posted by ブクログ
神山藩シリーズ第4作。今回は短編集。藩内の諍いをうまく丸め込む無能と言われた家老の話、若き藩主の振る舞い、士道に背きながら幼馴染との思いを遂げようとする下級武士、堤の造成に関わり命を落とす父子など、心に刺さる物語。神山の自然や土地柄が目に浮かぶようで、訪れてみたくなるほど。作者砂原浩太朗の力を感じる。今後も楽しみ。
Posted by ブクログ
神山藩シリーズということで少しおまけで5☆
いずれも幸せうすい人間模様といったところか。
とりわけ表題作『雫峠』の「この十年、だれも幸せにならなかった…」のセリフは非常に重く受け止めた。
Posted by ブクログ
ほほう…そうきましたか。
6編とも素敵な人間関係が描かれている。特に「華の面」の若き藩主と能のシテ方を修行する若者、そして「白い檻」の僻村に流された武士と百姓の関係がよかった。そこへ最後の「雫峠」。読む順番も最高だった。