【感想・ネタバレ】蒼ざめた馬のレビュー

あらすじ

霧の夜、ロンドンで神父が撲殺された。その靴の中に九人の名が記された紙片が隠されていた。そのうち数人が死亡している事実を知った学者のマークは調査を始め、古い館に住む三人の女が魔法で人を呪い殺すという噂を聞くが……神父の死と連続死の謎をときほぐす不思議な物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

なかなか面白かった「ひらいたトランプ」の登場人物が出てくると知って続けて選んだが関連性は全くないといっていいレベル。ただしこちらの方が更に気に入った。手の込んだオカルト演出の殺人組織の種明かしが主眼で、犯罪はひたすら卑近なもの、恐怖心につけこまれて騙されてはいけない、という今のご時世にも大切でありがたいメッセージ性のある良い作品と思う。

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2023年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『火のないところに煙は』を読んでいて、そういえば、クリスティーにも占い師が出てくるホラーテイストな話があったよなぁー。
……と思い出して読んだんだけど。
読みだしてすぐ、「あ、占い師じゃなくて、魔女だった」って(^^ゞ
とはいえ、占い師よりは魔女の方が読者をお話に引き込む魔力が強いのか?w
なかなか面白かった。


そんな『蒼ざめた馬』、ちょっと前にやっていたドラマは見ていた。
ただ、あのドラマって、よくわからないで終わっちゃうんだよね(^^;
実はクリスティーって、ハヤカワのクリスティー文庫が出た時、初めて読んだこともあって。
だから、『蒼ざめた馬』も、その頃に読んだんだと思うんだけれど。でも、面白かったという記憶はあるものの、内容はほとんど憶えてなくて。
ドラマを「こんなホラー、ホラーした話だったかなぁー?」と思って見ていたんだけど、なぁーんだ。全然違うじゃん(^^ゞ
こっちのラストなんて、「オマエら、もう勝手にやってろ!w」と思わず噴き出しちゃったくらい、二人でラブラブで(爆)
ドラマはなんであんな風にしちゃったんだろう?というくらい、面白い。

というのも、女性の登場人物がすごくいいんだよね。
ジンジャ―はもちろん、(主人公いわく「退屈」な)ハーミアも魅力的だし。
主人公とその友だちからケチョンケチョンのポピーも、特有の可愛気がある。
また、ストーリーのところどころで絡んでくる、オリヴァや主人公の従弟のローダ、デイン・キャルスロップ夫人のキャラもいい。
ま、肝心の魔女3人は、ドラマに出てきた3人のイメージが強烈だったこともあって、ちょっと影が薄い気もしたけど(^^ゞ
とはいえ、最後にちょこっと出てくる、アイリーン・ブランドン。これが、またいいんだよなぁー。
個人的には、主人公のマークとアイリーン、二人の視点でそれぞれストーリーを進めて。最後にガッチャンコしたら、すっごくワクワク出来たんじゃないかなぁーと思った。
アイリーンの仕事である市場調査の調査員はこの話の重要な要素なわけだし。さらに言えば、この話の発端はアイリーンの同僚のディヴィス婦人なわけだ。
前半に、自らの仕事に何か不審なものを感じているアイリーンとディヴィス婦人の会話がある中、ディヴィス婦人が…という流れがあったら、もっとドキドキ出来たんじゃないだろうか?
ただ、この話って、呪いを実際に実行させる方法は?というのが何より疑問に思うところなわけで。
アイリーンとディヴィス婦人が、あくまで脇役として隠されているからこそ、呪いの実行方法は何だろう?と読者はワクワク出来るっていうのもあるのかなぁー。


ちなみに、最後の「え、そっち?」は、ちょっと強引に意外な展開をしてみせた感がなきにしもあらずなところがあったけど(^^ゞ
クリスティーって、今でも全然古びてないんだなぁーと感心……、というか。コンピューターをめぐる、主人公とヴェナブルズの会話、あれには驚いた。
「人間はいずれ機械(コンピューター)にとってかわられるということですか」
「並の人間なら、そうなるだろう。
 労働資源の一部でしかない人間なら――という意味だが。
しかし、ある種の人間なら、そうはならない。
管理する人間、考える人間、つまり機械に問いかける質問を作る人間はどうしたって必要だからね」
これって、まるっきり現代のAIと人間をめぐる話と同じじゃん。
小花柄のチュニックの占い師のご託宣よりは、クリスティーの方がよっぽど当たるって?(爆)

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2022年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

翻訳が女性になったからか、旧版より柔らかい文章になった気がします。
旧版のを読んだことがあるのでストーリーも犯人も知っていましたが、読みやすくて楽しめました。

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2013年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上質のミステリー。
犯人は誰か、ということよりも早くこの先が知りたい!
という欲求でグイグイ進んでしまいました。
もっと、登場人物の一人ひとりを分析しながら
葛藤を繰り返し、反芻しながら読むべきミステリーなんでしょうが。

単純に驚かされています。

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2012年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オリヴァ夫人が登場しているので、ポアロはいつ登場するのかと待っていました。
最後まで、ポアロは登場しませんでした。

連続殺人事件を追う人が、警察医、学者、警部と、連携していきます。

自分を標的にして操作をしようとする女性の危険な賭け。
最後は幸せに終わる(ハッピイエンド)は、なんとなく途中から想像ができました。

主犯が誰かが、最大の山場のはずです。
最後は説明が少し物足りない気もしました。

読者の想像の範囲を広げておきたいという配慮かもしれません。

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2011年08月14日

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ネタバレ

ある女性を看取ったゴーマン神父が何者かに殺害された。ゴーマン神父の持ち物から見つかったメモには、女性が死の間際に口にしたと思われる複数の人物の名前が羅列されていた。それらの人物は何を意味しているのか。
主人公で学者のマークは、警察医の友人コリガンから事件の概要を聞き、興味を抱く。
全くの偶然から「蒼ざめた馬」の名を耳にしたマークは、霊能力を持つという怪しげな人たちが住まう「蒼ざめた馬」という名の邸宅に赴く。例のリストは、ここの怪しげな住人たちによって殺された人たちなのではないか?そして、何者かが人を殺したい人間をこの「蒼ざめた馬」に導く役割を担っているのではないか?
マークが参加する降霊会以降の不穏な空気が秀逸。そんなことは科学的にあり得ないと言い聞かせても、もしかしたらとじわじわ這い上がってくる恐怖。
オカルトをテーマにしながらも、人々の背景をしっかりと描写しているのがクリスティらしい。ただ、マークがどうしてそこまでハーミアを拒絶するのかは理解しがたかった。
ポアロシリーズ常連のオリヴァ夫人登場作品。

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2024年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オカルトな方向に話がどんどん進んで行った時はどうなる事やらと思ったけれど、犯人も想定外だし面白かった
映画みたいだったな
ジンジャーが強くて可愛らしくてジブリのヒロインのよう

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2024年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

酒場で女性同士の喧嘩を目撃したマーク。トマシーナと言う少女の髪の毛が抜けるのを目撃したマーク。数日後のトマシーナの死。オリヴァ夫人がかたる同じように髪の毛が抜ける女性の話。ある女性の今際の際の言葉を聞き名前をメモしたゴーマン神父の撲殺。神父のメモに書かれた名前。神父をつける男を目撃した雑貨屋のオズボーン。友人で警察医師のコリガンから話を聞いたマークの捜査。マッチ・ティーピング村での捜査。〈蒼ざめた馬〉と名付けられた舘に住む怪しい人々。メモに書かれた名前の人々の死。近親者たちの怯え。元弁護士のブラッドリーの組織。ジンジャーと共に囮捜査を行うマーク。足の悪いウェズナブルが立って歩いて神父をつけていた男と証言したオズボーン。

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2015年06月13日

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ネタバレ

また、気持ちよくダマされた! やはり、クリスティはいい。ああいう都合の良い毒薬が本当にあるのなら、のハナシだけれど。あの秘書はいつから秘書だったんだろう? 読み込んでいないからか、少々矛盾…だけど、読み返していたら面白みがなくなるよな。まだまだ読んでいないクリスティはたくさんある。楽しいなぁ。(2009-01-09L)

英BBC制作のドラマ版を視聴。読んだのが13年前なので、内容をスッカリ忘れていた。気持ちよくダマされた、という自分のレビューを読んで、爽やかな視聴後感を期待していたら、“イヤミス”な結末に改変されていて残念。いらんねんそういうの。あと数年経って、ドラマの内容も忘れたころに、また読んでみるか…。(2022-09-16加筆)

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2009年10月04日

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ネタバレ

手を下さずに人を殺せるか。

信頼された神父の死は直前に会った女性の死に際の懺悔で決定的なことを聞いてしまったから? 神父が残したリストに書かれた名前の人物が急死している。偶然とは思えない。しかし手口がわからない。まさか本当に魔術なのか? あるいは心にある死への願望を刺激する方法があるのか?

オカルトの流行と科学の発展は表裏一体。新しい発見が技術の革新に繋がり、どんどんと世が変化していく時代、人がオカルト的なものをまだ信じていた時代。この事件はそんな時代を舞台にして、魔術や心理学で人が殺せるか、という謎を解こうとする。

犯人はしゃべりすぎた男。なかなかに歪んだ人物だった。そして殺し方も新しくもなんともない毒殺。謎解きは一瞬。それよりもこの物語の中心は遠隔で殺人が可能かどうかということ。

語り手マーク・イースターブルックと依頼されて一緒に行動するジンジャーの動きにトミーとタペンスを思い出す。

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2025年03月08日

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