【感想・ネタバレ】デジタルネイティブの時代のレビュー

あらすじ

デジタル通信メディアを軽々と使う若者たちは、どんなコミュニケーションをしているのか? 緻密な調査から、彼らの生態とともに、現代の日本社会が抱える問題点が浮かびあがってくる。

物心ついたころから、PCやケータイでコミュニケーションをとることが当たり前の“デジタルネイティブ世代”。彼らのコミュニケーションは、旧世代のものとどう違っているのだろうか? 文化人類学の手法を駆使して、15年にわたって調査をつづけてきた著者に見えてきたのは、PCやケータイなどのコミュニケーションメディアや、SNSやツイッターなどのサービスによって、大きく違いが出てきているという実態だった。そして驚いたことに、彼らがコミュニケーションで抱える問題は、現代の日本社会が抱えている問題──不確実なことを避ける傾向、ネット社会への不信感──と同じものだった。若者への調査から鮮やかに浮かびあがってくる、現代日本の姿。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

文化人類学と言う古典的な分野の方法論と思考過程を援用し、現代社会が作り出したサイバースペースを文化人類的な一つの地域として扱い、アプローチするというのが非常に興味深い。それにより、我々を取り巻く「コミュニケーション生態系」の性質を追求し、文化人類学で言うところの「厚い記述」を我々の生きる現代社会について行うことで、日々接する社会のコミュニケーション的な諸性質を多く明らかにしていた。もちろんそれは一面的な社会の見方でしかないという面は否めないが、十分に新規性があり本質も突く議論が展開されていたと思う。

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2015年02月14日

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