【感想・ネタバレ】斜陽のレビュー

あらすじ

「私生児と、その母、けれども……古い道徳とどこまでも争い、太陽のように生き」ていく一人の女。結核で死んでいく「日本で最後の貴婦人」のその母。自分の体に流れる貴族の血に反抗しながらも、戦い敗れて、宿命的な死を選ぶ弟。生家の没落をきっかけに日本版「桜の園」を描こうとした作者が、昭和22年、死の一年前に発表した作品。この作品で、作者の名は決定的なものとなった。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

お母さまが弱って死んでいく過程、場面の描写が秀逸でした。静謐な空気が流れていました。
かずこが上原さんに自意識過剰な、前につんのめった感じの、もうストーカーっぽい手紙を送った頃は、あー、もうお母さま死にそうなのに何やってるの…と大層心配しました。
上原さんにはそんな気は、かずこを愛人にする気はないのかと思いきや、ほれちまった、なんて言われて意外でしたが、多分あれはその時ちょっとそう言っただけで、ちょっとそんな気がしてみただけで、別に惚れていたわけでは無いのではないかな。
お母さまが死んで、直治が死んで、多分上原ももうすぐ死んで、かずこは赤ちゃんと生きていくというのは、赤ちゃんがいるのは、もしかしたら光なのかもしれない。一人ぼっちじゃないですからね。
6年後に再開した上原があんなにもみすぼらしく、醜く描いてあるのは、何故ですか、太宰さん。

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2020年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

没落していく旧家が描かれ、無常感漂う作品であった。貴族として生きていくことはしたくない、だが貧乏人の中で戯れていても、自分の貴族的な面が際立つ。自分はどこにも所属できない。という弟君の苦しみは、運良くインテリ集団に入ってしまったが、彼らの考えになじめず、だからといって田舎でチャラチャラしていてるかつての友人と付き合える気もせず、どこにも所属意識を持てない自分と重なった。
主人公が『経済学入門』を読み、以下のように述べていることが印象的であった。
人間というものは、ケチなもので、そうして、永遠にケチなものだという前提が無いと全く成り立たない学問で、ケチでない人にとっては、分配の問題でも何でも、まるで興味の無い事だ。それでも私はこの本を読み、べつなところで、奇妙な興奮を覚えるのだ。それは、この本の著者が、何の躊躇ちゅうちょも無く、片端から旧来の思想を破壊して行くがむしゃらな勇気である。
主人公が旧来の人間であることを差し引いても一面の真理を表しているように思う。「近代経済学が前提とする個人が量産された場合(事実、量産されつつある)、文化なるものは残るのか?」ということを考えさせられる。

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2012年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以前読んだときの印象で、
なまめかしさを秘めつつ
美しさ、かわいらしさが表立った文章と記憶していたけれど
読み直してみたらそれだけで済まなかった。


本物の貴族である母と比べ自分自身で嫌悪しながら
恋と革命に生きると決めたかず子の決意と、
最後に明かされる直治の苦悩。


ふわふわとした文章から始まる割に
終わりにかけて劇的な展開を見せるさまが
陽が陰っていく様子なのかな。。。


しかし「恋と革命」とか「戦闘、開始。」とか
森見登美彦が使いそうなフレーズだなぁ。
とちょっと斜に構えた態度で読んでしまった自分が悲しい。

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2011年09月01日

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