あらすじ
サッカー界のカリスマ、ストイコビッチ監督は「久米さんが名古屋グランパスのGMで本当に助かっている」と手放しで賞賛する。GMとはゼネラルマネジャー、つまり組織(チーム)の様々なことを決める要職だ。親会社から巧みに予算を引き出し、ときには盟友の首を切り、ときには新人を強奪する。監督やフロントと、年齢も個性も性格も違うサッカーエリートたちを如何にして融合し、勝てる集団へとまとめあげているのか。組織再建のヒントが満載。
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Posted by ブクログ
プロスポーツチームのGMという仕事が分かる。
というか、組織を運営していくこと、強い組織を作ること、ビジネスたるや、強い人材とは、等が詰まっていて、自分の経験と重ね合わせながら読んだ。
以下、ネタバレ+αのメモ。
・派閥はいらない。組織のために働くのであって、誰々のために働くのはいらない
・パフォーマンスは大事。選手の試合中の激情しかり、選手獲得の際の監督自らの迎えしかり、上層部を動かすための行動しかり。
・プロは鼻っぱしが強くなければ生き残れない。一方で、スッと冷静になれるようでないといけない。また、気配りができないといけない。
・プレゼンテーション力が人を動かす
・脳のフックにかかる話をする。相手が好みそうな話から入る。たとえ話のネタをストックし、使えるようにしておく。当たり前の話を単純にするだけでは記憶に残らない。
・調子の悪い人には、バカ話でもするだけでいい。そうすることで、見ているということを伝える。
・ストイコビッチはトヨタの社長からもかわいがられている。スポンサーへの気遣いを忘れない。後ろに目があるかというほど、あらゆることに神経を行き渡らせている。上に立つ人は鋭敏でなくてはならない。
Posted by ブクログ
【内容】
サッカー界のカリスマ、ストイコビッチ監督は「久米さんが名古屋グランパスのGMで本当に助かっている」と手放しで賞賛する。GMとはゼネラルマネジャー、つまり組織(チーム)の様々なことを決める要職だ。親会社から巧みに予算を引き出し、ときには盟友の首を切り、ときには新人を強奪する。監督やフロントと、年齢も個性も性格も違うサッカーエリートたちを如何にして融合し、勝てる集団へとまとめあげているのか。組織再建のヒントが満載。 (「BOOK」データベースより)
【感想】
名古屋グランパスGMによる「人を束ねる」組織論が記された1冊。サッカーチームのGMとはどんな仕事のなのか。どんな役割があるのか。わかりやすい事例を交えて説明してあり、興味深く読めた。基本的にはグランパスでの実践の成果であるが、過去にGMをしていたエスパルス時代の内容もあり、嬉しくなった。
筆者はプレゼンテーションが大切だという。「われわれがどんなクラブであり、何を目指していて、なぜあなたが必要なのか、どんなふうに活かそうとしているのか、ということをプレゼンテーションできちんと説明」する(P114)。ここは組織にとって重要だと思う。
日本サッカーへの提言(P218)。①シーズンを「秋春制」に。②若手選手を鍛えるリーグを。③GMの育成を。④フロントも移籍を。⑤施設の充実を。といった提言は日本サッカーの発展を願う気持ちがにじみ出る。
組織を束ねるのは、サッカーも一般企業も同じだということ。サッカー組織の運営、GMの仕事を通して、組織のマネジメントの一端を知ることができる本である。