あらすじ
三年のうちに女児を産まなければ、私は殺される――。ウミに課された過酷な運命を知り、ソナンは驚きながらも子を授かるための営みをもつ。その後、ソナンはウミとの約束を果たすため、素性を隠し、顔を灼き、国を横断して都に入った。しかし、ようやく辿り着いた場所で待っていたのは、思いもよらぬ指令だった。すべては紫姫をこの手で守るために。衝撃のラストが胸をうつ傑作ファンタジー!(解説・瀧井朝世)
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Posted by ブクログ
主人公ソナンの辿る数奇な運命とそれに対する彼の人生の選択と行動、そして紫姫の国の複雑な社会構造の中で翻弄される人々の物語。物語の終わり方は正直言って賛否両論あるだろうなという雰囲気はあるが、解説まで読んだ事で結果よりもそれまでの過程を楽しむ物語なんだなぁという認識。空想上の生物が出てくる事はないものの、神様なんていないと言いつつ、実は・・・という不可思議なファンタジー性と、現実社会と重なる部分のある国の仕組みや人々の心の有り様のリアリティのある世界観を楽しめた。最後まで謎に包まれていた紫姫の秘密は驚き。