あらすじ
今後重要なのは「AIに何をどう問うか」だ。
〈生成AIの進化が加速して、シンギュラリティの到来による大リストラは10年ぐらい早まった感がある。とすれば、2025年ごろから、業種・業界によっては大きな影響を受けることになるだろう。この大きな波に備えた対処が求められる。〉──本文より
「チャットGPT」をはじめとする生成AI(人工知能)は、瞬く間に普及し、世界は一気にAI社会に突入した。この新たなフェーズへの移行を“予言”したのが、未来学者アルビン・トフラーの名著をヒントに、著者の大前氏が提唱した「第4の波」という考え方だった。
「第4の波」とは何か? それは21世紀に入って劇的に進化した「AI&スマホ革命」が世の中にもたらす変化であり、21世紀は、いち早くこの波の特徴を捉えた者が富を独占する。だが、AIが人類の知能を超える「シンギュラリティ(技術的特異点)」に達する「第4の波」の後半には、大規模なレイオフ(解雇)が発生すると予想される。
果たして、この激変の中で生き残るのは、どのような人材なのか? また、AIに置き換えられない仕事とは何か――。
“答えのない世紀”を生きるために、来たるべき近未来図を提示する「希望の書」。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『第4の波 ~大前流「21世紀型経済理論」~』の新版です。
(底本 2024年12月発売作品)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
来年から新しいマーケットに参入するため、今後、1人でも仕事が請け負える尖った人になるため、大前先生の思考を再度学び始めました。 実践しながら考える力を養います。
Posted by ブクログ
2025/03/08「第四の波 AI・スマホ革命」☆ 大前研一
世界情勢について語れるのは大前氏を置いて他にいない。もっと活躍の場を提供してこなかった日本の不明が残念。
①マクロの世界情勢②ミクロの個別企業情報③マッキンゼーの分析
この三位一体が世界トップの現状分析と未来予測・未来構想を提供
現代は、世界情報を抜きにして適確な判断も決断も出来ない。
1.日本のDigital化の遅れは江戸幕府と同じ
かっての「武士」に相当する「ホワイトカラー」が全く変わらない。
「IT・AI革命」に目をつぶり、出身大学・国家試験・省益・業界に守られて時代錯誤の規制と手続きに人生をかけ、国民を道連れ。
「エストニアを見習おう!」はどうなった。規制とホワイトカラーは一掃され、生産性は激増する。
結局追い込まれての明治維新でしか変われない日本。
2.法規制のDigital化→廃止
建築基準法の認可申請のショック。
シンガポールはCADデータ処理により数分で認可。
日本は「紙の申請書」により1ヵ月半かかる。
医療・弁護士・会計士はAI対応で縮小・廃止=国民負担軽減!
薬剤師はAI+ロボット化できる 今でも
専門職は一掃=武士を廃止した明治維新に相当するvs既得権
3.教育改革=新たな人材の育成
記憶力はAIが得意 「偏差値教育」をやめ「STEAM人材育成」へ
(ア) 構想力・企画力の人材を育成・登用
1.→ただし富の格差超拡大→格差是正政策が重要
(イ) エッセンシャルワーカーの仕事は人間固有
4.スマホひとつで世界を動かせる(114)
本当は「新たなユニコーン企業」の誕生が望まれるが
日本は旧来の大企業が「多角化対応」
SONY 日立製作所 富士フイルム
例外はユニクロ ソフトバンク ニトリ 数少ないオーナー企業
5.老害=改革力の劣化 「国家危機」と「維新」しかないか・・・
Posted by ブクログ
非常に考えさせる内容。日本の現状や賃金が上がらない理由が説得力のある論理で書かれてあり、第4の波をふまえて、自分が何をしていくべきか考えたいと思った。
Posted by ブクログ
本書は「社会の技術的負債」の監査報告書だ。第一の波(農業)と第二の波(工業)は日本が得意だったが、第三の波(IT化)では“属人化された業務”“曖昧な業務定義”“部門ごとにバラバラなデータモデル”が障害となり、システム化が進まなかった。仮に自動化しても雇用慣行とぶつかり、コスト構造が変えられない──この指摘は、現場のエンジニアとして強く頷ける。
第四の波=AI・スマホ時代について著者は、自社の強みを極限まで尖らせる戦略を説く。技術に置き換えるなら、プロダクト思考とAPI経済、データ基盤(収集→整備→活用)、継続的デリバリ、そしてMLOpsで価値を出し続けることだ。正論ではあるが、現状の日本企業とのギャップは大きい。レガシーな承認プロセスやベンダーロックイン、工数評価文化のままでは実装に落ちない。
建築基準のCAD自動チェックや、エストニア型のフル電子会計は、技術的には「機械可読な規制」「標準スキーマ」「公開API」「監査ログ」で実現できる。だが職務再設計やリスキリングなしに導入すれば、職域を失う側から強い抵抗が起きるのも現場感覚として当然だ。
総じて、本書は日本の非効率を鋭く可視化した好著。一方で処方箋は“経営×制度×現場”の同時リファクタリングが前提で、難易度は高い。もし現場から着手するなら、(1)属人業務のドメインモデリング、(2)規則の機械可読化、(3)小さなAPI化と計測、(4)自動化と雇用のソフトランディング(役割転換)のセット運用が現実解だと感じた。技術は十分、最大のボトルネックは組織設計とインセンティブ――その厳しさを直視させる一冊。
Posted by ブクログ
正解のあるものに価値がない時代。
今問われているのは新しい問題を創り出す質問力であることを学びました。
日本にはまだ多くの素晴らしい技術があるのにこれを国として運用できず、古い慣習のもとになかなか物事が進められていないことにもどかしさを感じました。
マイナンバーカードしかり、印鑑しかり、自動運転規制しかり。
また教育についても詰め込みだけの偏差値学歴主義にも辟易する。
何十年も同じことをしていたって仕方がないのだ。
世界はこんなに変わりゆくのに。
私の看護師の仕事はなくなることはなさそうだがそれはあくまでもAIにはできないという点においてであり、それは現時点での話である。
AIが台頭する世界ではその勝者と敗者でもう立場を変えることのない階級社会ができてしまうのだろうとのみてとれる。
私たちはその狭間、シンギュラリティの瞬間に立ち会っているのだろう。
どうにか生き残るための思索を考え、実行していきたい。