あらすじ
この小説の主人公である「先生」は、かつて親友を裏切って死に追いやった過去を背負い、罪の意識にさいなまれつつ、まるで生命をひきずるようにして生きている。と、そこへ明治天皇が亡くなり、後をおって乃木大将が殉死するという事件がおこった。「先生」もまた死を決意する。だが、なぜ……。(解説 古井由吉・ 注 大野淳一)
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Posted by ブクログ
心という実体のない物を、先生の葛藤を軸に僕の眼を通してまざまざと描く筆致に衝撃を受けた。
先生は僕に、過去の自分を重ね合わせていたのだと思う。先生の告白が回り回って僕を罪深き行動へと誘う場面では鳥肌が立った。人生の歯車が狂い始める瞬間が音なき音として伝わってくる。
先生を自責の念で苦しめる正体は、自ら作り出した記憶の中のKであり、そのK像から解放されるには自死しか道はなかったのかと思うと悔やまれて仕方ない。人間の深層心理に迫る様はミステリー小説を読んでいるようであり、淋しさが根底に漂う儚くも美しい物語だった。
Posted by ブクログ
ふと教科書にのっていたところを思い出し
なぜKの自殺部分を載せたのかを疑問に思って
読み直しました。
改めて読むと先生もKも小難しい
明治時代の男性はこんな感じだったのか
それともやはり当時でも小難しい登場人物だったのか
名作は名作
高校時代とは違った目線で楽しめました。
Posted by ブクログ
国語の教科書で学習し、漫画で読み、やっとちゃんと読めた一冊。漫画の方を先に読んでいたので、どうしても映像がそれになってしまうのは残念だった。次からは改善したいが既に多くの名作を読んでしまっている。失敗だ。もちろん漫画では伝わってこなかったことや省略されている箇所が読めたので大満足だ。岩波の物は少し読みにくいと聞いていたがスラスラと読むことが出来たので、それもよかった。恋愛を取るか友情を取るか、果たして私がとるべき行動はどれが正解なのか、死ぬまでに自分なりの答えが出せればいいと思う。
Posted by ブクログ
先生の贖罪の話とも三角関係の末路を描いた悲劇とも読める。Kが自殺したのは有名な話だが、まさか先生が自殺してしまうとは思わなかった。この作品は三角関係の、罪への矛盾が描かれていて夏目漱石を感じることができた。
Posted by ブクログ
9年ぶりの再読でした。初めて読んだ時はよくわからないまま終わってしまいましたが、今回は内容をちゃんと理解できたと思います。お父さんがどうなったのか不明のまま終わりましたが、先生の遺言書のことを考えると分からないままで良かったのかもしれませんね。
Posted by ブクログ
娘が高校の授業の為に買った本が、リビングに転がっていたから文学苦手なんだけど、読んでみた。
めちゃくちゃ時間かかったから(読み始めて半年ほど?途中、何冊も違う本を読んじゃってた
BL脳で読んだら、めちゃくちゃ萌えな話でした。
脳内では、宝井理人さんの絵で想像しながら読みました(笑
まず、「私」が「先生」好きすぎるでしょ?普通に、信愛って感じがしない。ガツガツ系男子!
あと、「K」も「先生」好きなんじゃ・・・って思った。
先生とお嬢さんの結婚で失恋して死んでしまったKだけど、
それって、先生がライバルじゃなくて、お嬢さんがライバルだったんじゃ?
お嬢さんと先生をくっつけたくなくて、「お嬢さんの事が好き」ってくちばしってしまったんじゃ・・・。
Kはメンヘラ男子ってとこだね。
先生は普通にヘテロだから、お嬢さんと結婚もしちゃうし、
それも結局、Kへのあてつけっぽい。
ヘテロでKのこともあるから、男の「私」からグイグイ来られても困る~。
とかもう、全然ダメダメな腐脳で読んだので、なんとか読み切れた(笑
いやほんと、ちゃんと「こころ」を読んだ人、文学に詳しい人、尊敬の念を持っている人、ごめんなさい~~~。
どうしても、学校の宿題で読まないといけないけど
読んでもつまんないって腐女子はこの目線で読んだら読み切れるよ!
・・・っていうダメな大人のアドバイスでした。