【感想・ネタバレ】ソクラテスの弁明 クリトンのレビュー

あらすじ

自己の所信を力強く表明する法廷のソクラテスを描いた『ソクラテスの弁明』。死刑の宣告を受けた後、国法を守って平静に死を迎えようとするソクラテスと、脱獄を勧める老友クリトンとの獄中の対話『クリトン』。ともにプラトン初期の作であるが、芸術的にも完璧に近い筆致をもって師ソクラテスの偉大な姿を我々に伝えている。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

悪法もまた法なりという言葉で知っていたソクラテスであり、ギリシャ哲学といえばの人

ソクラテスがその時代の著名とされる人と対話しその人の矛盾をつきまくった結果悪い噂が流され、不正な死刑を宣告されている状態で友人のクリトンが国法を守って死を迎えるのではなく脱獄しようと提案してくれる

が、しかし、ここで脱獄してしまえば今までソクラテスやクリトンが大事にして来た国法の威厳が地についてしまうことになるため、自分の命を守ってポリシーを捨てるか、ポリシーを守って命を捨てるかという選択をすることになる。

というストーリーがソクラテスとクリトンの対話の中で進んでいった。


無知の知のように、知らないという事を自覚する事からスタートすることが大事

0
2024年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉遣いが古い(昭和感)が、それは訳の問題。
プラトンの筆致には古さを感じない(これは訳のおかげといえるか)。

日本語の言葉遣いのせいで多少読みにくいところもあるが、そんなに問題はない。
内容そのものは思っていたより平易で、2000年以上も前の人たちとの考え方と現代人の考え方は意外にも似通っているんだなと感じた。
ソクラテス、死刑になるほど悪いやつではないけど、そりゃ嫌われるよなと思った。

0
2025年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

●議論
ソクラテスが何をどのように考えていたか知りたく。
考え方というよりも、生き生きとしたソクラテスの弁明が印象的であった。
孔子もそうだか、有名な人物は決してその時は幸せに生きていたわけではないと思った。

0
2025年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ソクラテスは非常に信仰心の強い人物であり、そんな彼の精神に従うことを諦めなかった結果として彼は死刑に処せられた。これは単純に彼の精神が死刑を定めている法律つまりは国家の意向にそわなかったというわけではない。当時の国家を先導していたのがいわゆるソフィストと呼ばれる人々であり、彼らの精神とソクラテスの精神とが合致しなかったという意味である。だからこそソクラテス自身は国家に対しての忠誠心をも持っており、その国家が定めるルールである死刑でさえも受け入れる選択をした。


正直なところ、物語として読んでみるととてもこんな人いないだろうという感想が1番に出てきました。私自身の日本人として信仰心の浅さからでしょうか。でもソクラテスは実在している。これはきっと対話篇という形で仕上げた詩人のプラトンの力ゆえなのでしょう。これほど熱量のある人物を目の前に不正のもとに彼が裁かれその極刑すらも受け入れてしまう場面は、かなりの臨場感を持って読む人の前に現れてきます。


気楽に読むには難しいため、信仰心のすごく強い人が自分の正義を持って不正と戦う物語くらいに読めればいいんじゃないでしょうか。多くの方がソクラテスの熱い気持ちを感じられるといいですね。

0
2022年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

善く生きるとはどういうことか。ソクラテスの死生観がよくわかる名著です。

◆ソクラテスについて

古代ギリシアの哲学者。哲学の父や哲学の祖と呼ばれ、「無知の知」の概念や「問答法」という思考法を残した事で有名。

◆ソクラテスの弁明のストーリー

ソクラテスは「国家の信仰と異なるものを信じ、若者に悪い影響を与えている」という罪で裁判にかけられ、陪審員たちの多数決により、死刑を求刑された。

友人クリトンから逃亡を持ちかけられるが、ソクラテスは自分の信念を貫き通し、死を受け入れた。

◆ソクラテスの死生観について

◇読書前の疑問
なぜソクラテスは死を選んだのだろうか?
若い人へ大切なことを伝え、良い方向に導いていきたいと考えるのであれば、「生きる」という選択肢もあったのではないか。急場をしのぎ、生きながらえていたならば、時間をかけてより多くの人へ伝えることができたかもしれない。他人から根拠のない批判を受けたとしても、じっと耐え、また次の機会を待つ。そのような生き方を「潔くない」と言う人もいるかも知れないが、時には不遇にじっと耐え、細々とでも生涯をかけて本職をまっとうする姿が、残った人への良い手本になったのではないか。命はひとつしかないのだから。

◇ソクラテスが死を受け入れた理由

「人は自ら最良と信じたものを危険を冒してでも固守すべきである。信念を曲げる恥に比べたら、死は念頭にすら置くべきものではない。」

「死が人間にとって悪いものなのか、または至福のものであるのか。それは誰も知らない。」

「つまり死を恐れることは、“知らないものを知っている”と信じることであり、“賢人ならずして賢人を気取る”ことに他ならない。」

 「一方で、不正(信念に背くこと)が悪であることを私は知っている。だから不正を行うことを恐れるが、死を恐れることはない。」

クリトンとの対話から
当時の国の状況として、逃亡した場合、残された家族や知人までが罪に問われたり財産を没収されるなど酷い目にあう可能性が高かった。逆にここで潔く死を選べば、信念を貫き正しく生をまっとうすることができる上に、家族友人の生活も守られ、残る子供たちについてもクリトンら友人たちに良く養育されるであろうと信じていた。また死後の世界ハデスは、至福の場所であるかもしれないし、もし不正を行ったならば結局はハデスの法で裁かれることになるだろうと考えた。

◇読後の感想
後半のクリトンと対話から、死を選んだ理由が、自分の信念を貫きたいだけでなく、家族や友人を思いやっての判断であったことがわかった。当時の状況を考えれば、自分であっても死を選ぶのかもしれない。人が人を裁くというのはとても難しいことで、様々な失敗と改善を繰り返した結果今の法律や裁判制度が出来上がっているのだと思うと、現代の日本も悪くない、幸せなことだと思った。

0
2022年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉が難しかったためほとんど理解できず…。
解説本などを読んで理解を深めてからこの本を読むのがいいのかもしれない。

あまり覚えていたないがクリトンとの対話で「寿命もあと少しなのに罪を犯してその後の短い人生ずっと後悔しながら天に昇った後もその後悔を引きずっていくのか。」みたいなセリフは新たな気づきになった。

読むのに時間がかかりすぎて初めの方はすっかり覚えていないため、また読み返そうと思う。

0
2025年11月18日

「学術・語学」ランキング