あらすじ
また今日も、眠れない――。直木賞作家・千早茜が紡ぐ、ひとりの夜にそっと寄りそう10の物語。挿絵は人気イラストレーター・西淑。
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Posted by ブクログ
千早茜さんの短編集。第一夜から第十夜まで、どの編も眠れない人が主人公です。第一夜の主人公は、眠れない夜にクッキーの缶を開ける。クッキーの缶っていいよね。小さい頃、ドキドキして開けて、姉と中身を分けたことを思い出すけど、そういう描写があって良い。ただ、この主人公は明らかに過食症だよね笑。シンクの下に、そうやって空にしたクッキー缶がたまっている。第三夜の「水のいきもの」は、不眠を克服する話なんだけど、自分と同じ不眠の青年に、深夜の住宅街で出会って、そっと手を差し伸べてもらったことがきっかけで、眠れない夜に出てくる水の中のイメージが克服できる。なかなか素敵なお話だった。
雨が降ると、身近な人の気持ちが聴こえてきてしまうという物語も良かった。現実にはありそうにないことが、物語になると生き生きと動きだして、いいよね。だから小説って好き。挿絵もとても良いです。
Posted by ブクログ
大好きなお友達にプレゼントしてもらった本。
鬱になってから眠れない夜がずっと続いてたから、もっと早くに出会いたかったな。
どうしても眠れなくて薬を飲んで無理やり寝ていたこともあったけど、この本を読むと頭がとろ〜っとしてくる。
最後まで一気に読めて、疲れない。
短編集だからかな?
もう夜中の3時だけど、よく眠れそう。
個人的には、第二、三、七、九夜が好きかな。
特に第二夜は凄く刺さった。
目が冴えてしまうこともわかっているのに、ひたすら森をさまよい続けてしまう。
今日は珍しく森じゃなくて本に浸れて偉いな。
でも結局このアプリを開いて、感想を書いているんだけど。笑
歳を重ねると、色んなものに共感できて苦しい。
思い出したくないことがふつふつと蘇って、心臓がぎゅっとなる。
それでも、本を読むのはやめられないね。