あらすじ
極限のどんでん返しが続く、劇薬ミステリ。
とある業者が誘う、「死にたい」という願望の先の、驚愕の結末。
極限のどんでん返しに翻弄される、息もつかせぬ“劇薬“ミステリー。
雇っていたバイトが自殺未遂し、周囲の態度と激務に苦悩するコンビニの雇われ店長。
愛する人のため、一刻も早く行方不明になりたいと言う女。
蝶のコレクションをふさわしい人に譲ってから、蝶の毒で死にたいマニアの男。
保険金がほしい元半グレの居酒屋店主。
赴任先の同僚から日常的に性暴力を受けるようになってしまった女性教師。
「死にきれないあなたのお手伝いをいたします」
死を望む者のもとにどこからともなく届けられる白いカードは、自称「自殺幇助業者」への連絡手段。
そこにある二次元コードは人々を、そして業者自身をも、思わぬ結末へと導いていく。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『さんず』 の文庫版となります。
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Posted by ブクログ
自殺幇助業者という、これまで読んだことのない職業がメインキャラの物語だった。
殺し屋とか殺人事件を解決する探偵とか、そういう話はたくさん読んできたけど、自殺を手助けすることを物語にしてしまおうというのはユニークな発想だと思った。
それぞれの章は話が長すぎず、視点もコロコロ変わるので気持ちを切り替えて読みやすいと感じた。
4章目のラストでやっと本名が出て、そこから5章へのつながりがとても面白く、ドキドキしながら読み進めた。
最後あれで終わるのはちょっと心がムズムズするというか、もう少しゆっくり話が展開していってもよかったのかなあとは思う。
まあ、自殺の理由は本人にしかわからないというのと同様に、5章以降の展開も作者にしかわからないのだろうしそれは読者が勝手に想像を膨らませるしかないのだろう。
「女王はかえらない」を10年前に初めて読んだ時の衝撃は流石に超えてこなかったが、降田さんの作品はやはり面白い。
むしろこの作品を読んで、「女王はかえらない」の恐ろしさを実感したかも。
もう一回読みたくなってくる。