あらすじ
近代なるものの源泉となった歴史的一大変革と流血を生き抜いた「人民」を主人公とするフランス革命史の決定版。
上巻は三部会の招集、バスチーユ襲撃、ヴェルサイユ行進、ヴァレンヌ逃亡事件、1792年、ヴァルミの勝利まで。
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Posted by ブクログ
著者ジュール・ミシュレ、人民史家と称され、フランスを愛し人民による革命を賛美し、革命に関与した人々へのインタビューや各種資料を通じて革命の詳細の研究に没頭したという。
革命がはじまった1789年7月、ルイ16世「なんだって、それじゃ反乱なのか」「陛下、革命でございます。」(163頁)、なるほど国王のずれた認識をよく表現している。
著者は、共和国をつくりあげる精神を次のように語る、「若いこと、魂が若々しいこと、血が燃えたっていること、あの生産的な無分別、これである。まだ心の中にしかないものを、はや現実のうちにみる精神。それをみつつ創造してゆく精神。つまり、信念がなければいけないのだ。」(320頁)、著者の精神の高揚を感じる。
本著は随所にフランスという国家が擬人化されている、「1971年にはフランスは、自己の力づよい処女性を自覚していた。頭を高くあげ、心は無垢。自己の利害を度外視して前進していた。自分が愛らしいことを知っており、じっさい、諸国民から愛されていたのだ。」(352頁)、著者への国への愛を感じる。
著者の革命に対する高揚感や共和制国家への愛を感じる大著だ。