あらすじ
2045年、国際独立市テラ・アマソナスの指導者チェリー・イグナシオが、軍事企業〈グッドフェローズ〉の捕虜を銃殺する。この虐殺をレポートしようとした迫田城兵は事実確認プラットフォームにより配信を拒否されてしまう。果たして人類に何が起こっているのか?
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Posted by ブクログ
名前だけは知っていた藤井太陽を初めて読んでみた。最高、今までなんで読んでこなかったのか猛反省。
初めてのSF作家って緊張するねんなぁ、理系素養が圧倒的に足りてないので、安易に近づくとバチコーンと跳ね返されてしまう目になり、半世紀に及ぶ読書生活で何度バチコーンされてきたことか…。
でもこの作品は、杞憂中の杞憂に終わった。遺伝子の事、多次元仮想空間の事、人造マイクロチップの事、究極のマルチタスクの事等々、理系仕草?はたっぷりあるんだけど、なんとなくのニュアンスがつかめてしまえば、それだけで十分作品に没頭できる。ちょっと凝った月村了衛といえば月村さんに失礼か?
テンポよく読み進めることができて、物語の展開も意外性があって、アクションも対話もグッと入り込める丁度良い密度で…ジェンダーと多様性のテーマもそんじょそこいらの人権さん等の想像を超えたとこがあるのに、臭さ怪しさ一切なし!
遅くなったら過去作も追いかけて行くぞ。いやぁジャパンSFもまだまだガンバってるよねぇ
Posted by ブクログ
高度に技術進化したドローン、遺伝子操作された狙撃手、公正さを前面に支持を得る手法など、今ある科学技術の延長上にありそうな戦争の形態を想像させてくれる。
中盤あたりでストーリーの核心が見えてしまって後半ややダレて読んでしまったけど、こういう未来はあり得そうだなというリアリティがあって楽しく読めました。
Posted by ブクログ
公正的戦闘規範 の第二内戦の後の世界が舞台。前作読んだのが7年前で、すっかり忘れているが、ORGANの説明等、舞台設定うっとうしいほど細かいので特に問題なし。近未来ガジェット満載で、戦闘用の犬型?多脚ローダーや監視ドローンだけでなく、自動運転(LEVELが場所によって変わる)、高層建築(1200mの富裕層マンション)、コンタクトレンズに内蔵された層化視(クシュヴ)、動画から記事の自動生成(これは既に現実化?)、遺伝子操作。展開もSPEED速く、最後の読後感もいい。だが
藤井太洋のSFは今ある技術の延長線上で現実化できそうな技術が売りだとおもっていたので、最後のおちには納得できない。最後だけオカルトファンタジーになってしまったので星4つ。 ここからネタバレ
マン・カインドが遺伝子操作により聖徳太子のごとく同時多数の事務処理ができるようになるというのは納得。分岐意識が脳内で多数芽生えるというのも判る。だが意識をドローンに載せるのは飛躍しすぎ。ドローンのセンサからの情報を処理する主体は人間の脳でしょ?人間の脳が死んだのにドローンに意識が残るってのは、さすがに説明必要でしょ!ドローンの処理ICが人間の脳のようにニューラルでできているとか。バイオテクで造る生体ICが主流になっている可能性もあるので、そのあたりのガジェット説明があったら星5つだったのに。