あらすじ
「古典となる運命にある一冊」パトリシア・コーンウェル(『検屍官』シリーズ)激賞!
2023年Amazonベストブック選出!
Netflix「殺人事件ファイルニューヨーク」原案!
バーバラ・ブッチャー――職業・死体調査官。
ニューヨーク市検死局に勤務した23年間、
5,000を超える死体を担当してきた。
シリアルキラー、孤独死、自殺、そして9・11――
10代の頃から苦しんだアルコール依存症を乗り越えた彼女は、
死体の中に、その人の生の痕跡を読みとり、
自分自身の苦悩を重ね合わせ、死体と向かい合い続けた。
各紙誌絶賛、衝撃のノンフィクション!
ニューヨークの死体通りを知り尽くした者だけが書ける一冊。バーバラは生と死を直視し、視線をそらさない。――パトリシア・コーンウェル
ブッチャーは、死体に対するのと同じ鋭敏さと好奇心をもって、自分自身の弱さとも闘った。胸を打つほど美しい回顧録だ。――カーカス・レビュー
ダークなユーモアと個人的な苦悩を巧みに統合し、医療調査官という仕事の内側を描き出している。――パブリッシャーズ・ウィークリー
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
320kgおでぶ「彼は自分の歯で墓穴を掘った」
うまい!ざぶとんあげる!
「銃撃事件やODで亡くなった遺体が並んだ解剖台を見渡したら、死因はタトゥーだと思うだろう」
ガスで膨張した遺体はニューヨークに春の訪れを知らせてくれる
水が冷たいと死体は沈んだまま魚につつかれるけど、春が来て水温が上がると、休眠状態だった体内の細菌が目を覚まして細胞が膨張してポン!
沈んでいた死体が水面に現れるのだ
〝HALTの法則〟
過度なHungry/Angry/Lonely/Tiredに気をつけろ
破壊されたものに取り囲まれると、些細なことが気にならなくなる…のではなく、実際には、小さなことがきわめて重要な意味を持つようになる
周囲のものがすべて無秩序になると、自分でコントロールできるものに集中するようになり、どんなに些細なことであれコントロールしようとする
(9.11の現場で)
あなたは〝human doing(行動や成果によって測られる人間)〟ではなく〝human being(存在することに意味がある人間〟です
アルコホーリクス・アノニマスすげぇな
Posted by ブクログ
翻訳物はやっぱり読みづらさがあるというか、そういう話の展開?みたいな。文化が違うから多少は仕方ないと理解しているけど、読みにくい箇所はいくつかあった。
だけどそれでも面白かった。
生と死、富と貧困、無事と災害どれも表裏一体で、わたし達はその中でバランスをとって生きているんだなと思った。
著者の困難さ、辛さというものも書かれていて、やっぱりそれもバランスの問題なのかなと思った。
Posted by ブクログ
面白かった。人が死ぬとどのような状態になるのか、様々な死とその精神状態などについて興味深く読んだ。肉体的にも精神的にも過酷な死体調査官の職業は気付かぬうちに心を蝕んでいく。
半世紀ほどの人生を経て、少しずつ死が身近になってきた。ドラマの中でしか起こらないはずの突然の別れが、どうして自分には起こらないと思うのか。
当たり前の日常が突然終わることがあるのだ。今の自分が生きていることを感謝して日々を大切に生きたいと思った。
Posted by ブクログ
アルコール依存症に苦しみながら、治療中に死体検査官という仕事に出会った作者バーバラ。ブロフェッショナルで壮絶な仕事だ。9.11やスマトラ地震など大きな災害でも活躍した後、今度はうつ病になり、その仕事を失う。それでも生きていることに感謝し、立ち直る強い女性。
Posted by ブクログ
2024年の28冊目は、バーバラ・ブッチャーの「死体と話す」です。1992年から2015年までの23年間、ニューヨーク市検察局で死体調査官として5000体以上の死体と向き合った著者によるノンフィクションです。
殺人、自殺、自然死から事故による死まで、様々な死のシチュエーションが綴られて行きます。かなり精神的なタフさが求められる仕事だと思います。
ひるむな。考えるな。感じるな。感情をオフにしないとやって行けないのでしょう。
2001年9.11同時多発テロに関して、著者も事件の処理を対応していますが、現場にいたからさこそのリアリティを感じる文章です。
「あなたは、行動や成果によって測られる人間ではなく、存在することに意味がある人間」という言葉で締めたいと思います。生きてこそなんぼです。
☆4.7
Posted by ブクログ
アルコール依存症からのサバイバーが就いた職。それは死体と向き合う日々だった。どうやって死に至ったか原因を調べ報告する仕事だが、実に淡々と黙々と眼の前に起きた事実を述べている。しかしながら、最終章に近づくにつれ、心身の不調につていも描かれる。しかし、それは誰にでも起きうる事象だ。会社の誰かが辞めたり、組織の不調和が起きたり、自身の病気が発覚したり、入院したり、リハビリしたり。彼女は自身が体験したことを表現したり伝えたりする技術も手に入れた。だからこそ、この本があるのだ。死はいつも私たちの眼の前から隠されるが、いろいろな人の死は社会の一部であり、自然の一部でもある。人の死はアメリカの現代社会を物語っているようにもみえる。
Posted by ブクログ
司法解剖などの例がたくさん出てくるのかと思っていたが(たくさん出ては来る)、アルコール依存症やうつ病で苦しんだ著者自身の話も多かった。そのことが本書を小説のようにしている。
こんなに残酷なことで溢れた世界があるのかと心が悲鳴を上げる場面が多々出てくるが、人が死ぬということを科学的な視点や現実的な業務として説明している部分が多数あるので、新たな知識も増えて面白かった。
とはいえ、世界が怖くなる本でもあるので、心が丈夫な時に読んだ方が良いかも。
世界は残酷で怖くて人は弱いけど、どうにか生きよう。と言われてる感じ。
Posted by ブクログ
タイトルから想像されるニューヨークで起きた凄惨な殺人事件などの死体検視のお話はもちろんあってそれはそれでスリリングなのだけど、その仕事を始めるきっかけに始まり作者の自分語りがかなりのパートを占める。興味深い人生なので読み進めるんだけど、思ってたのとは違ったなという感想。原題はWhat the dead know- learning about life as a New York City Death investigator 著者が学んだ人生のお話
Posted by ブクログ
ニューヨーク死体調査官の女性のアル中から立ち直って適性を開花させてキャリアを積む所から、徐々に病んでいき独立して立ち上がるまでの自伝と言った方が良い内容
Posted by ブクログ
NY死体調査官として携わったさまざまな死体。
5000人以上の死体を診て死因を調査する。
そのうち680人が殺人だったという、とても酷くて描写も生々しい。
美しい死というものは無いとわかってはいるが、死体から苦しさや辛さや絶望を感じてしまうのはなんとも言い難い。
誰かがやらなければならない職だとしてもかなり厳しくキツいことだと思った。
最後まで読むのに疲弊してしまった。
Posted by ブクログ
NYの女性死体調査官。どうも、検視官とか監察医とかとは違うみたいで、それと協力して現場でご遺体を確認する仕事なのか。
難事件を検視の知見から解決していく事例の話かと思ったがどうにもそうではなかった。
著者は若くしてアル中になり、その復帰プログラムの中で、死体調査官という仕事に出会った。それが、彼女にぴったりだったらしく、見事に復帰しながら、バリバリ仕事をこなしていく。
なんで、米国のこういう奴って、日本人とは全く違う感覚で、とんでもない時にくだらないジョークとかいうクソみたいな言葉の弄びで笑うんだろうと思っているんだが、本人たちに言わせればそうでもしないと気持ちが持たない。
なんだかなあ、と思ってたら、そんな仕事を続けていくと、やっぱりキッチリ気持ちは病んでいったらしい。感情がすっかり死んでしまう。あるいは、そういう仮面が自身になってしまった。
そこで出会ったのが、9.11。その凄惨な現状。リアルだ。
お前ら、それ以上のことを、戦時中に民間人にやったん忘れんなよ、と思って読んでたら「原爆で破壊されたような」的な記述があって、そこだけは、はあ?と思ったけども。
権力争いで組織を追い出され、新しく仕事も始めて立派に立ち直ったと思ってたら、頼ってた元上司を病気で失い、うつ病を発症。
最後はそこからも離脱することは出来たが。
死、というものとずーっと向き合って来てはいるが、基本的にはそれと向き合ってきた、筆者の物語であった。
理性的で、自分と、文章を書くことで向かい合い続けて来れたことが良かったのだろうと感じた。タイトルから期待する内容とはちょっと違うが、読みがいのある一冊だった。
Posted by ブクログ
クリミナルマインドやボーンズを活字で読んだ…という表現が適切かも。
こんな凄惨な殺人が日常的に起こるNY。
これが現実で起こっているのだと思うと生きていることが奇跡のように思える。
後半のキャリアに関するバーバラの体験談は管理職なら誰しも考えさせられるのではないか。
特殊な仕事で死と向き合うこと、その中で自分を保つことの大変さ。
人間、強そうに見えても実はそうじゃないということ。たくさんの要素が詰め込まれてました。