【感想・ネタバレ】夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024のレビュー

あらすじ

タイカレー、どこで食べたのか、憶えてる?
今読みたい、人気作家たちのベスト短編集

浮気を繰り返す男の前世とは? 未来の夢を見る少年とその一家、インストールされたAI探偵の存在意義は、貝殻から自分そっくりの人間が生まれたら? トー横カップルの哀しい道行き、村の忖度博物館をどうする? 8年前のガラケーに届いたメッセージ――2023年に発表された短篇から、日本文藝家協会の選考委員が独自にセレクト。今読まなければもったいない、人気作家たちによるベスト短編集最新版です。

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Posted by ブクログ

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夏をテーマにしたさわやかな短編集かなと勝手に思い込んでいたら全く違ってびっくりした。どこにもそんなこと書いてなかったけど、あまりにもタイトルと表紙が…

どれも面白く読んだけど、好きだったのは以下。
乙一/ AI Detective 探偵をインストールしました、
オチが秀逸。
小川哲/猪田って誰?、結局猪田は誰だったのか読む側も同じもやもやに付き合わされて終わってしまうなんて。
中島京子/シスターフッドと鼠坂、解説を読んで腑に落ちた、母に対するシスターフッドだったのか。
武石勝義/煙景の彼方、ハッピーエンドなの…?

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2025年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 普段あまり読まない文芸ジャンル・初めましての作家さんも多いアンソロジーでしたが、いずれの作品も文章が巧みで読みやすく、それぞれに楽しめました。雰囲気はバラバラなので、読者によって好みはかなり分かれそうですね。以下、個人的お気に入りの作品をピックアップ。

【AI Detective 探偵をインストールしました】
 SFらしい設定ながら、内容がしっかりミステリーで、意外な結末もきっちり用意されている完成度の高さに唸りました。本格ミステリとしてはトリックや理論展開がやや弱い印象ですが、SFとして読むなら十分に満足。

【猪田って誰?】
 怒濤の地の文が面白くて最高でした。ささやかな日常のやりとりがリアルすぎる……。謎は最後まで謎のままですが、それでいい、それがいい。

【夏のカレー】
 ストーリーそのものも面白く読めたのですが、オチの鮮やかさが群を抜いていました……!

【煙景の彼方】
 一番のお気に入り。煙の輪の中に「一番求めているものを視る」ファンタジックな設定をフルに活かしての、切ないストーリー展開に没入しました。

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2024年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小川哲さん目当てで読んだが、意外にも他の作家の短編が気に入った。
特に表題作(著者:原田ひ香さん)。想い合いながらも結婚はせず、長らく会っていなかった女性との再会のシーンから物語が始まり、過去を思い出す構成になっている。
あと一言、互いに想いを告げていれば…と思うが、そう上手くいかないのが恋愛なんだろうな。冴子の葬式に参列していた帰りだったとは驚いた。一番言ってほしかったことを言ってもらうために冴子は現れたのだろうか。それとも自分を印象づけるために、一生忘れないでいてもらうためだったのだろうか。どちらにせよ、もう冴子のカレーを食べられないと思うと切ない。

宮島未奈さんの『ガラケーレクイエム』は、ただただ懐かしい。ガラケー、メールを受信すると折りたたんでいても点滅する等で一目で分かったのが便利だったな。誰からメールが来たのか毎回ちょっとわくわくしていた記憶がある。
主人公は、久しぶりに起動したガラケーに昔のクラスメイトからメールが来て、気になって仕方がなくなる。メールが来ていたのは2年前で、クラスメイトがそんなに前のメールの内容を覚えているのだろうか?と思ったが、一通のメールから途絶えていた友達との記憶が蘇るのは良いものだ。うらやましく思った。ガラケー、手元に残しておけばよかったな。

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2024年11月09日

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