【感想・ネタバレ】藍を継ぐ海のレビュー

あらすじ

なんとかウミガメの卵を孵化させ、自力で育てようとする徳島の中学生の女の子。老いた父親のために隕石を拾った場所を偽る北海道の身重の女性。山口の島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男――。人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。きらめく全五篇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

東大大学院で地球惑星科学を専攻していたという著者の紹介で納得。読み始めた時に作者は理系だろうなと思った。研究へのリスペクトを感じる。
昔ヘンな研究っていう「そんなこと研究してるの?」って人のこと書いた本読んだんだけど、そうやって大義名分がなかったり、大衆的に必要性が明確でないことも含めて、色んな観点で追求する誰かがいることで人間社会は発展してきたんだろうと思うし、研究者や探究者へのリスペクトが強い私は、原爆の証跡を集めてた人の話が刺さった。

夢化けの島
見島の実地調査を地道に続ける助教の女性と、先祖に受け継がれてきた萩焼を再現しようとする男の話
石の名前など専門用語が多くて、ちょっとだけ難しい。

狼犬ダイアリー
単身で田舎に越したフリーライターの女性と近所の男の子が日本狼を見つける話
大昔、人間の食べた残骸などを求めてか、人間についてくるようになった狼たち。人間側からしても狩りの時に役立ったりするので、次第に生活を共にするようになった。人間に反抗的な個体は殺されたりして、次第に人間に友好的な種族となっていった。それが犬。みたいな話が印象に残った。

祈りの破片
不審な空き家を調査する公務員が、そこで原爆の痕跡が集められ丁寧に記録されていたことを知る話
孫の女の子が探っていたんだけど、被爆した男が最後まで調査が続けられないことを知りながら、これは後々重要なものになると気付き、被爆直後からコツコツと痕跡を集めていた情景が浮かんで、胸が抉られた。そこで出会った、惨状を目の当たりにして、これも神の与えた試練?と信仰を疑ってしまい孤独となった神父との関わりも良かった。研究者は最後、孤独じゃなかった。

星隕つ駅逓
落ちた場所の近くの郵便局名が隕石に名付けられると誤解した女性が、閉鎖される郵便局員だった父の活力を取り戻すために隕石を拾った場所を偽ろうとした話
家族を心配する気持ちがダイレクトに伝わってきた

藍を継ぐ海
ウミガメの卵を盗んで自分で羽化させようとした少女の話
大切に育てたカメも大海へ向かう、唯一の姉も東京へ行く、誰かを見送る側の気持ちが切ない。子どもが上京するとか海外に行くとか、こういう気持ちになるんだろう。頑張れ、頑張れと、子ウミガメたちを見送った姉は、自分が上京するときも自分を奮い立たせていたんだろうな。

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2026年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

(良)浪漫を求める一冊!!短編。一つ一つの話に素敵な浪漫がつまってました!落ちてきた隕石のかけらを探す、ウミガメの誕生を見守る、絶滅したニホンオオカミを見つける、古い窯を探す、長崎の原爆に焼かれた像の破片。祖先の思いを現代に繋ぐ。印象的だったのは『祈りの破片』神を信じきるには耐えられないほど心が傷つくことがある。

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2026年04月03日

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