【感想・ネタバレ】進撃のドンキ 知られざる巨大企業の深淵なる経営のレビュー

あらすじ

ただの「面白ディスカウントストア」ではない。異端児ドン・キホーテの「ド真面目」な経営に、日経ビジネス記者が迫る――。

成熟しきったかに見える小売業界で、
「この手があったか!」と思わせる。
そこに戦略の醍醐味がある。
◆一橋ビジネススクール特任教授 楠木建氏 推薦!

すべての謎を今、解き明かそう。
◎現場が好き勝手やっているのに、しっかりと利益が上がるのはなぜか?
◎カリスマ創業者・安田隆夫氏が退いてから、成長がさらに加速したのはなぜか?
◎出店反対運動に放火、前社長の逮捕……数々の"事件"を乗り越えられたのはなぜか?
―― 権限委譲によって仕事はワーク(労働)ではなく、ゲーム(競争)になる!

気づけば売上高2兆円の巨大企業。今や「セブン、イオン、ドンキ」と称され、総合小売3強の一角をなす。怒涛の34期連続増収増益を支えるのは、小売業界の王道「チェーンストア理論」に反旗を翻す、逆張り戦略。「ポップ洪水」に「圧縮陳列」。アルバイト店員に商品の仕入れから値付け、陳列まで"丸投げ"して、ドキドキ・ワクワクにあふれた「売り場」ならぬ、「買い場」をつくる。目指すは、理念の力で永続する『ビジョナリー・カンパニー』だ。

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Posted by ブクログ

ドンキの社風や社内制度をよく描いている。
ドンキ躍進の理由がよく分かる一冊。

ドンキの特徴として現場への権限委譲が挙げられる。
値決めから店内のディスプレイまでを現場担当者が決定する。それはメイトと呼ばれるアルバイトにまで及ぶという。またカルチャーとして、CV(コンビニエンス)+D(ディスカウント)+A(アミューズメント)を掲げている。便利で安いまでは、競合のイオンやコンビニなどと優劣つかないが、楽しませる店内作りで他とは一線を画している。こらは他の店舗型ビジネスにも応用できる要素だと思う。

会社の創業理念が浸透しているのもいいと思った。創業者は既に退任しており、いまは後継の社長が経営指揮をとっている。安田氏のエッセンスが染み付いていれば、今後も躍進していくのかもしれない。

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

ドンキの強みは、一店舗一店舗、独自に商品を仕入れ、値付けもどこに並べるのかも決めてしまう。その決定権は店長にあるのではなく、バイトも含む個々の担当者が決めることができる。

ドンキには、失敗を許容する考えがあり、失敗を糧に学んでいく文化が浸透している。
「主権在現」と言って、現場に徹底して権限を委譲する。従業員に任せるのは一部ではなく全部任せる。ヘマや失敗は山ほどあるが、押し付けるのと比べると社員が活き活きと仕事をするようになった。

創業者の「安田隆夫」さんは、「66歳、一番脂が乗り切った時期だからこそ、勇退を決断した」と語っていました。また、ご自身が起草した企業理念集である『源流』や『御法度五箇条』が、次の世代にもちゃんと受け継がれ、ドンキの躍進の起爆剤となっているところからも、安田さんの偉大さをしみじみ感じることができました。

① 失敗したからこそ、「どうやったら売れたんだろう」と真剣に考える。これが無料の授業料となる。
② 頼れるのは己の勘と経験と、度胸のみ。積み重ねた失敗の数だけ、得るものも大きい。
③ 上司は、業務時間の30%を部下とのコミュニケーションに当てる。社長も当然、これを実践している。
④ 社長は会社の主役にあらず。みんながやっていないこと、やりたくないこと、やれないことをするのが社長の役目。
⑤ 「最後は情」。安田にとって一番大事なことは、困っている社員の話を聞いてあげること。

【『源流』の一部】
1️⃣ できない理由をあげるのではなく、「どうしたらできるか」をとことん考える。
2️⃣ 「誉める」とは、相手が密かに誇りを持っていることを見つけて、認めてあげることである。
3️⃣ 相手の気持ちも分からない者が、人に強くなれる訳がない。
4️⃣ 高い志とモラルに裏付けられた、無私で真正直な商売に徹する。(阪神大震災では、ミネラルウォーターが1本2,000円で売られていたが、そのお店は当然、既に跡形も無くなっている)

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2025年01月04日

Posted by ブクログ

ドンキが如何にしてここまで大きくなったのかの理由がよくわかる。基本的に人に焦点を当てている内容なので、現場のリアリティを感じ取れる。この本を読んだ上で改めてドンキの店頭を見てみようと思った。

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

とても面白かった。
気づけば売上2兆円というコピーに惹かれて購読。
ドンキって、マイルドヤンキーが集まるとこでしょくらいの認識しかなかったけど、ここまで業態が多様化しているとは全然知らなかった。お菓子ドンキとかお酒ドンキとか。
現場のメイト(アルバイト)に仕入や根付け、在庫管理まで権限があるとは驚きだった。(主権在現)
創業会長の安田氏のインタビューも体育会系嫌いとか言ってて面白かった。

気になった一文
P.327「やはり人というのは、自分が主役になって、自らの意志によって決められる仕事に関しては、真摯かつ一生懸命取り組むものだな」
P.337「人間はみんな承認欲求の塊だと思っているんです」

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2024年08月17日

Posted by ブクログ

ドンキホーテの印象が過去のままだった

生半可な権限委譲ではない

同じようなことをする企業はあれど、委譲する側、される側、中途半端になりがち。それを長年続け、さらに発展させてきた創業者の精神と守る姿勢はなかなか真似できるものではない。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

自由奔放デザインのお店作り
買収・傘下に収めたスーパー・お店をドンキの理念で復活させていることに驚愕する。昔から言われる「顧客嗜好」を主に、地域性プラス店舗独自の特性を活かす工夫だ。今までの店舗にはない「お店独自の特性」はナショナルチェーン店の本部次第で全てが決まっていたことが、これからの地域に合った様々な消費者嗜好には向いていないと言うことだ。「権限委譲制度」の素晴らしさは社員の信頼関係を深め、社員のやる気・意欲を起こさせる要因にも繋がる。文中にある言葉が印象的だ。「失敗してこそ強みになる」全員が失敗を繰り返し奮起している
「個性(地域性・お客嗜好・店舗店員意向)」を活かした自由自在の店づくり
「できない理由よりできることをとことん考える」どうしたら出来るのかを工夫する

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2024年10月19日

Posted by ブクログ

●2025年5月26日、東京大学・書籍部にあった。セッションで寄った日。

「カルト集団のように徹底」

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

ドンキホーテの経営の根幹の現場へのとことん権限委譲っていうのがすごいし、面白かった
創業者の安田さんを上司に持ってみたい

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2025年02月18日

Posted by ブクログ

普通でないことをやり続けてこの結果。
とにかく現場主義。凄いとしか言いようがない。
こんな会社で働いたら楽しいだろうと思うし、やる気になるはず。
どんな自己啓発本よりも現実的で衝撃的だった。

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2024年11月29日

Posted by ブクログ

増収総益を重ねて小売業界4位まで4位まで躍進したドンキの戦略や特徴が分かる本である。
写真や図が豊富に用いられており、読みやすく、内容も理解しやすかった。

「ドンキのDNAはアミューズメント空間の創造」にハッとした。
私のドンキのイメージは安かろう悪かろうだったが、
なるほど、ドンキの人気は単に安いものを売っているわけでは無かったからなのかと気づいた。
今度、ドンキに行ってそのアミューズメント性を楽しんでみたいと感じる。

残念だったのが、ドンキの戦略・特徴である「現場への権限移譲」について、現場の成長、やる気を促すといった概略のメリットばかりが述べられており、詳細の方策やデメリットがあまり述べられていなかった点だ。(後半のインタビューで現場が権限を持つ分、不正も発生しやすくなると軽く述べられているくらい)
現場への権限移譲でこれまでドンキは成長してきたと理解したが、他社と違う戦略は多分にデメリットも含んでいると想像される。
現場への権限移譲の詳細、そしてそれに伴うデメリットについてドンキがどのように対応してきたかの深掘りがあれば、より面白みのある本になったと思う。

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2024年10月19日

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