あらすじ
「ねえ、助け合ってみない? 僕たち。」
死後も小説を書き続ける作家・響は、自分の死因が分からないままこの世に留まっている。孤独な響のことが視えるのは、古道具屋「美蔵堂」の店主・類だけ。どこか謎めいた彼は、霊を引き寄せやすい体質で……。唯一無二の関係になった二人のもとには、今日も怪異が訪れる。曰くつきの青年達がおりなすホラー短編集、第一弾!
====主な登場人物====
長月響(ながつき・きょう)
作家。自分の死因がわからない幽霊だが、今も執筆の仕事を続けている。
御蔵坂類(みくらざか・るい)
古道具屋「美蔵堂」の店主で、響の友人。霊感があり、響のことが視える。
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Posted by ブクログ
グロテスク描写がある訳ではないし、主人公は死んじゃっているにしても、他に犠牲者が出てくる訳でもないのだが、ゾワっと怖い話が多かった。
意味が分かると怖い系と言うか。
ホラー映画などは設定が仰々しすぎて「明らかにフィクション」と割り切れるため怖くないのだが、この話の怖さはすぐ隣で起きそうな怖さと言うか、日常生活に共存していそうな怖さと言うか。
容易に想像できる分、完全にフィクションと割り切りにくい怖さと言うか。
こういうさり気ないホラーの方が余程怖い。
久々に鳥肌立った。
こういう雰囲気大好き。
何より怖いのは、幽霊になってしまった主人公の謎。
伏線は示されても、回収されないので、謎が謎を呼ぶ展開に。
ただどうにも只事ではない雰囲気は伝わってきたので、それだけでもぞわっと怖い。
明らかになるのは発売が決まっている次巻になるのかな。
青年二人の会話や(ちょっと変わった)日常をほっこり眺めていればいいと思っていたら……うん、油断ならないお話だった。