あらすじ
小説『薔薇色の君』の悪役令息に転生したダリル。物語の通りに舞踏会で婚約者から婚約を破棄され、実家から勘当、通っていた学園も追放された彼が向かったのは、呪われていると噂されるハウエル公爵家の別邸だった。そこで使用人として働くことになったダリルが出会ったのは、顔の痣のせいで人間不信になった公爵子息カイル。ひょんなことからカイルに気に入られたダリルは、公爵でありカイルの実父、カーティスとの仲を取り持つことにする。不器用な親子がゆっくりと仲を深める様子を、一使用人として側で見ていたダリルだったが、とある出来事によって、ダリルと親子の関係がさらに特別なものになって…… ※電子版は単行本をもとに編集しています。
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不器用×鈍感の契約から始まる恋
悪役令息を物語通りに勤めあげないとループする...という設定で始まった物語。さて、どこへ向かうのかと思ったら、その先には素敵な恋物語がありました。
生真面目故に不器用なカーティス様と空気を読むのは長けているのに自分への好意には鈍感なダリル。そんな2人を後押しするツンデレなカイル少年が可愛くてたまりません。周囲に心を閉ざしたカイルが少しずつダリルに懐いていく様子が可愛らしく、『一生分の誕生日プレゼント』として父とダリルの結婚=ダリルと家族になりたいと望んだカイルが切なくも愛おしいです。
カイルのための契約結婚という形をとってはいるものの、カーティス様は既にダリルにベタ惚れ。カイルにも読者にも一目瞭然だというのに、ダリルには一向に伝わりません。そのモダモダ感がどこかコミカルで面白かったです。
ブラコン弟のネイトがもう少し絡んできても良かったかな...と思うのと、ダリルの転生者設定があまり活かされていなかったように感じたのがちょっと残念。