【感想・ネタバレ】生殖記のレビュー

あらすじ

『正欲』から3年半ぶりとなる最新長篇。

とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ヒトや他の動物や地球が、本能で長く生きたがってて、長く生きる手段の一つが共同体から迫害されないこと。生命を育むのと同じように、共同体に貢献すること。生きる意味とかを散々考えて見いだせなくなった身としては、この共同体という考え方は「しっくり」きたかも。
私はどちらかというと共同体から迫害されてきた場面が多くて、閉じこもってる節もある。主人公は自分なりの幸福を見つけていたけど、それって自分が欲しいものがハッキリしてるからだよなとも思ったり。私が欲しいものってなんだろうな。

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2026年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読むんじゃなかったとちょっと後悔するほどに、何かが抉られる感じがした。
人間とは、生きる意味とは、と自分に問い直さざるを得ない…誤魔化して生きていることが曝け出されるような…いやきついよ!!笑

語り口はひょうきんでポップなんだけど、話している内容が刺さってもう…!!
メンタルが弱っているときには読まない方が良いかもしれない。私は回復期に読んだので、また落ち込みそうで恐ろしくなった(ギリセーフだったが)。

最後、変われなかったのがリアルだったなぁ…
私はどうなんだろう?

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2026年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

メモを残しながら読みたくなる本だった。朝井リョウさんの作品は『正欲』に続けての2作目。語り手の立場設定が斬新というか、予想とかの範疇を超えていて、本当にいい意味で頭おかしい人だと思いつつ読んだ。前半はメモしつつ、後半はメモに疲れて、のんびり読めたと思う。尚成は最後まで周りにはカミングアウトしないし、周りも踏み込まない。その設定がハッピーエンドではないリアルな現実なんだと思った。しっくりくる目標ができたという視点で言えば、尚成にとっては1番のハッピーエンドなのかもしれない。

『割とすぐ、生まれた意味とか生きる理由とか自分の価値とか、そういう暇ゆえに生まれる余計なことを考え始めたりしますよね。』
→治安の良い生息地に発生したヒトは暇そうの場面が面白かった。労働だけでは満たされないから、労働以外の時間を大事にする。

『親個体とちょっとでも違う状態で発生した時点であんたは役目果たしたよ辛くて、意味とか理由とか価値とかぜーんぶオールクリア〜!なんです。そのあと生殖行為によって次世代個体を発生させられたらもちろんラッキーですけど、あくまでそれはラッキーなのであって、マストではないんです。』
→生まれた時点で、自分が生まれた役目は果たせていると言われてるみたいだ。そうなんだ、子を産むことはラッキーであって、マストではないんだよね。なぜ日本ではほぼマストな風潮なんだろうか…

多様な個体があるから、その種は存在し続けられている。確かに、ヒト全員が私と同じ個体だったら、何かの拍子にコロッと絶滅しそう。
『そもそもヒトは、“多様性”の歴史に超最近現れた超超超新入り』の表現からも、ヒトだけで考えたら今のまさに多様性の時代だけど、ヒト以外の種は、人が生まれる前から、多様性で生きてきたわけなんだよね。

『今は、結婚だけが幸福じゃないとか、ひとりでも充実した人生を見つけられるとか孤独こそ至高の贅沢だとか…。でもそれはあくまで選択肢がある側の個体が生み出すその時々の流行りであり、成体の想像力に基づいているものです。』
確かに、その時代の流行りなのかもしれない。これからどんどん子どもが減って、世間の考え方が変われば、結婚こそが幸福って考えに戻るのかもしれない。

『結局ヒトは、その卓越した認知能力が行き届き、感情を重ねられる範囲のみにしか思考を働かせられない…』
→なぜかヒト視点での目標、考え方って書かれていて、確かにって思った。ヒトが絶滅すれば、地球のあらゆる環境問題は解決されるんだもんね。

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私もLGBTQ+の当事者なので、共感する部分も多かった。「今さら遅いんだよって、そんなふうに思ったりしない?」この言葉が特に。
でも何より面白かったのは、尚成の幸福基準だった。私はどうしたって、自分一人の基準で幸福を感じられないから人や環境に振り回されてしまう事が多い。
だから、ある意味人に振り回されずに現在を生きている尚成の事が、少しだけ羨ましい。
実際の所それが私に合わないとしても。

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大きなマットを皆で運んでいるときに大切なのは、その進行を邪魔しないこと。
そのマット自体がどれだけどうでもよくても、その進路に全く納得感がなくても、それを悟られないようにしつつ、判断、決断、選択、先導を担うポジションにも就かないようにしながら、ただただ歩くこと。
手は添えて、だけど力は込めず。
これが、今の尚成の”しっくり”です。

ことで経済的自立という解答に辿り着くところがヒトですよね~。だって他の種だったら、食料を自ら調達する力に値するのは狩りを始めとする採餌能力だし、生存し続ける力は個体そのものの強度や肉体の再生能力だったりします。でもヒトの場合、お金があれば食料を調達することができますし、逆にお金がなければ肉体を再生できないケースも多いです。これって、極端に言っちゃえば、お金があれば種が保存される、みたいなことです。
すごいですよね。だってお金って、実体として存在しないんですよ。

いざ追放の対象から外れてみると、新たに追放の対象となった個体に対し、しっかりネガティブな感情を抱くことです。

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2026年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今、さらにノリにのってる朝井リョウ作品。同性愛個体の達家尚成を担当する生殖器目線の物語。マットを運ぶフリをして手は添えるだけ。抗うほどの体力は持ち合わせてはいないが積極的に参加したくない気持ち、めっちゃわかる!新商品、こんな機能いるか?使ったことない新機能、効果がはっきりわからない機能のせいで値段が高くなってる。あったら便利?なくてもいい。拡大、発展、成長を止められないヒト。やっぱり筋トレ、運動が解決してくれるので頑張ろう!と思いました。

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2026年06月20日

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