【感想・ネタバレ】彼女が生きてる世界線!のレビュー

あらすじ

交通事故に遭い、アニメの悪役に転生した「僕」には、ある計画があった。ヒロインを、死ぬエンディングから救うのだ。生前このアニメのファンであり、シナリオを知り尽くした「僕」なら、その運命も変えられるはずだと考えていた。だが、シナリオ通りに病気は進行しはじめ――。「僕」は「神(シナリオライター)」が残した生存ルートを探し出せるのか。人気作家・中田永一が、創作へのリスペクトと怒りを込めて描く感動の大長編!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白くって、半分くらいから一気に読んだ。ラノベ3冊分を一冊にしたので読みごたえがある。逆に分冊だと物足りないかも。でも、たぶん小学生向けレーベルだし分量的には良いのか?

乙一の異世界転生モノ。似たやつだとアークノアがあるが、こっちは流行りのテンプレに乗っかってアニメの世界という変化球で面白かった。
ゲームじゃない分アニメの声優や設定資料集、インタビューというメタ発言が出て面白い。

アクトのキャラデザはゴクオー君みたいなやつかなと想像してたら、分冊のほうでは僕ヤバの市川みたいなほうだった。全然極悪顔に見えない……可愛いよ普通に。

最後の最後、小野田が自分の自宅に住むのを提案してきてこっからBLも有りだなと感じた。その忠誠心すごいよ。まあアクト子供だしな。一人暮らしさせるのも忍びなくなるよな。

恋愛面はそれぞれ矢印出てて順当にくっつきそうだが、ハルとアクトも良いお友達エンドでなんか良かった。恋愛までやってたらちょっと話が広がりすぎるので、その予感程度で終わって良かった。

あるあるの知識によってチートはゲーム開発に振られてて、乙一らしかった。
音楽も残しそう。
あと乙一、映画の「イエスタデイ」見た?映画のほうでもハリポタ無いので。
自分が知っている素晴らしいものを残したいという気持ちはよくわかるし、リスペクトしてる分罪悪感を抱くのもわかる。

アクトがやってたボランティア活動も佐々木の心を動かしたし、寄付金も貢献したしで感動した。

殴る展開もこういうのだとお約束なのかな?リゼロでもそういうのあったし。リゼロは何度も死ぬ上にユリウスにもボコられるが。

気になったのはやっぱヒロインを救うことだけ考えて家の悪行には目を瞑っていたことかな。アクトに出来ることは少ないだろうが、もうちょっとソフトランディング欲しかった。それくらい、愛着を持ってしまったので。
悪いことしたら裁かれるべきだけど。ほんとに。死人出てるし。
鳳凰のこともっと嫌ってたかったよ……。

出雲川と桜小路の金持ちっぷり&世間知らずっぷりは面白かったが、おそらくこれを読む子供も同じく世間知らずだと思うので、アクト目線で補助されていくのは良かったなと思う。親の視点とか。

アクトはこれからどうやって生きていくのか。高校は中退か?

桜小路と出雲川がズッ友してくれるのがファンタジーだなと感じた。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アニメの世界を舞台にしていたからこそ見える希望がある。

私には二歳離れている姉がいた。姉は八歳という若さで亡くなってしまった。姉の話をすると空気が重くなり、親が悲しんでしまうので、詳しく聞いたことはないが脳の病気で亡くなった。この物語の葉山ハルのように、放射線治療や抗がん剤治療も受けて非常に苦しんでいたと聞いている。私が幼かったと言うのもあり、姉との記憶はうっすらとしかなく、今でも本当に実在していたのかわからなくなってしまう時がある。
私も、もしもの話で記憶だけ引き継いでタイムスリップしたら病気にも早く気づいて、姉を救けれるのかもしれないなどと妄想したりする時がある。
しかし、この物語はフィクションにしてその希望さえも打ち砕いてしまう。城ヶ崎アクトは転生し、葉山ハルの白血病を阻止するため多くの活動をしていた。それでも彼女は白血病を発症してしまい、元のシナリオ同様に苦しい療養生活を送った。最後はハッピーエンドで終わったからこそ良かったものの、シナリオライターのifルートとして用意した「仕掛け」がなければ彼女を助けることはできなかった。
物語の結末として本当に良かったと安堵したとともに現実の世界には当然仕掛けは用意されていなく、それもまた運命だったという言葉で飲み込むしかないと思ってしまった。

湿っぽい話になってしまったが、この物語は主人公が転生し、周りの環境を変え、そこから友情が芽生え、苦難を乗り越えてヒロインを助けるという王道にしてとても爽快感のある話となっている。
城ヶ崎鳳凰との親子のやりとり、各登場人物視点での城ヶ崎アクトの印象、出雲川史郎が自分の顔を犠牲にしてでも城ヶ崎アクトを庇ったシーン、ヒロイン葉山ハルと城ヶ崎アクトの掛け合い、そして最後の希望。これらが私の印象に残ったシーンである。
素敵な物語なので皆様もぜひ。

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2024年08月27日

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