【感想・ネタバレ】なぞときのレビュー

あらすじ

あの屈強な佐助が血だらけになって、犯人は小鬼の鳴家だってぇ? 菓子職人・栄吉の新作あられの味見会は見合い話を掴む場になっちゃうし、若だんなと妖は摩訶不思議な怪異に遭遇、おまけに若だんなは独立する奉公人の世話をしろと命じられちゃった! 若だんなと長崎屋の妖達はすべての謎を解けるの~? シリーズ第23弾!

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ネタバレ

初出2024年「小説新潮」の5話

「なぞとき」
犬神である佐助が顔に傷を負った謎を、若だんな以下のみんなが賭けをして解こうとする珍妙な話。

「かたごころ」
おしろの三味線の弟子である大店の娘の縁談が壊れた謎を、またみんあで解こうとするが、場久の悪夢を食べる力で若だんなが真相近づくという、チート話

「こいぬくる」
長崎屋の近所で窃盗事件が続き、事件に使われたらしい子犬を若だんなが保護し、飼い主を見つけて犯人に辿り着く。

「長崎屋の怪談」
夜中に目覚めた若だんなに女の怪異が現れ、結界でも防げない。さらにみんなで対策を話し合おうとすると食べ物が歩き出し、合戦を始める。原因は場久の語った怪談を勝手に出版した本から怪異が抜け出したことがわかる。
江戸中にばら撒かれた怪異は寛朝さんに丸投げ?

「あすへゆく」
長崎屋の番頭2人手代1人が辞めることになったが、それぞれ前途に問題を抱えていて、若だんなと藤兵衛旦那が現実的解決をする。

展開がファンタジーっぽくない話が多かった。

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2025年09月12日

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ネタバレ

しゃばけシリーズ。

タイトルのまんま、謎をとくお話。
佐助が顔を怪我したのはなぜか。
小町娘の縁談が破談になったのはなぜか。
鍵をくわえる仔犬の飼い主はだれか。
若だんなの離れに現われた女の怪異は誰なのか。

原点に戻ったような感じ。
若だんなと妖たちのまわりで起こる謎を解いていく。
こういうふんわりした話がこのシリーズの真骨頂なのでは。
今回は謎を解いた者に褒美を出すというところが少し違うが。

一番面白かったのは、寛朝が長崎屋に来た場面。
離れに現われた女の怪異の正体を見極めにきたが、
鳴家たちに頭の上に登られたり、
貧乏神金次に間抜けじゃ駄目だとか、役立たずの禿げ頭と言われたりと、
広徳寺の高僧なのにひどすぎる。

若だんなが父から店を辞める者たちの面倒を見るように頼まれるとは、
その成長ぶりは感慨深かった。

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2024年08月27日

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ネタバレ

しゃばけシリーズ第24弾。他愛のないなぞときを妖としていて、謎が解け賭けに勝ったら何を望むかという時に、貧乏神金次は祟れる相手が欲しいと言ったことはだめ、妖たちが何とかできる望みじゃないとだめというのが微笑ましかった。「あすへゆく」では、若だんながおとっつぁんに辞めていく者たちの話を聞く仕事を任されたことが若だんなの成長を感じた。そろそろ身体も丈夫になってきてるのか?鳴家が明日は大丈夫と言ってたけど、明後日は返事しなかったから次の回は若だんなが寝込んでるところから始まりそうな気がした。

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2025年09月06日

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ネタバレ

やはり私は、いつもの平和な長崎屋の話が好みのようです。
「こいぬくる」の子犬たちがとても可愛かったです。

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2024年10月17日

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ネタバレ

大好きな面々にまた会えてうれしい。ホッとするお話と、美味しそうな食べ物がたまらない。読みたいけれど、読み終わりたくない気持ちになっちゃう。
なぞとき:怪我の原因を全て語らなかった佐助の配慮が凄すぎる。
長崎屋の怪談:寛朝様の「これは不思議な。どうして突然、天麩羅が動いたかのう」「一つ事情が分かったと思ったら、他の疑問が湧いて出るのか。この世には、謎があふれておるな」というおおらかな感じや、秋英さんとのやりとりが楽しい。貧乏神に叱られても「済まぬと言って笑ってい」る、江戸の高僧の器の大きさもあっぱれ。
あすへゆく:藤兵衛の、勘太の次兄への対応はさすが大旦那様。奉公人の退職後まで考えた積立もさすがは大店・長崎屋。
毎月執筆し、毎年きちんと刊行してくださるのって本当すごいと思う。畠中恵先生、ありがとうございます。

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2024年09月03日

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ネタバレ

安心安定のほんわか感が良かったです。
いつまでがごはん炊きが上手になってるところはちょっと面白かった

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2025年06月04日

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ネタバレ

『なぞとき』
表題作の挿絵、顔傷だらけで微笑み浮かべてる佐助、ちょっとシュールですよね。

鳴家の手がやわらかいのは可愛い。
事件自体は拍子抜けする程あっさり解決(?)してしまいましたし、伏線回収の爽快感も少なかったですが、佐助の人柄が出ていて良かったですかね。手代は結婚できないって言うのは厳しいですね。江戸時代、江戸は人口密度高かったって言うし、それでちょうど良かったのかも。仕事に生きるか、家庭を持つか。

私はてっきり犯人捏々子河童の姐さんだと思ってたので、ちょっと残念。


『かたごころ』
鮪丸一匹。サイズにも寄りますけど、凄すぎますね。
当時、魚の中では安い方なんだ。
鮪はそんなに好きでもないのですが。火が通った鮪は特にあんまりかも。青魚特有の酸味がなぁ。

これが小説だからってのもあるでしょうが、筆者の夢は独り言形式だったりするんでしょうか? 私の夢は映画パターンの時と、主人公の視点で体験するパターンの2パターンなんですが。本作に登場する夢はひとり芝居みたいですよね。
まあ、元々台詞のやり取りなんかも落語っぽいところのある作風ですからね。「え?なんだって?どうしてそれがわかったか?それはね」なんてのはリアルな会話ではあまり言いませんし。相手の台詞をメインで語っている人物に言わせる。会話が多い文章を忌避したいのかな。

今でこそ試飲会、試食会、サンプル無料配布なんかありますけど、江戸の町のクチコミ拡散力、凄そうですね。そしてなんとも図々しい面々。いつもは妖がその役割を担ってますが、人も負けてない。

破談理由、そんなことで?? って内容でしたが、時代ですかね。拍子抜け。そもそもの原因も、そんなことで?? ってなりましたし。まあこれも今より交通の便や、連絡手段諸々不便な時代ですからね。マリッジブルーも深いのかも。

忠五郎は破談理由は知らないけれど、誰かの告げ口が原因だと言うことはわかっていたってこと?? しっくり来ない。

オチはなるほど、嫁姑問題でよく聞くやつでしたか。あるあるですね。


『こいぬくる』
タイムリーですね。闇バイトを彷彿とさせます。犯人は妖かな?

畠中さんの作品だと猫のイメージありましたが、仔犬、かわいいですね。仁吉が咽せるのも珍しいですし。毛足が長い黒と白の大型犬、ニューファンドランドとかグレートピレニーズとかかな。

躾。鍵に苦い薬を塗っておくとか? よく乳離れできない子のために辛子を塗るなんて利くけど。あれって母親の方も痛いよね?想像するだけでヒリヒリするわ。

そして、妖警備員は羨ましい。我が家にもいたら安心できるのに。


『長崎屋の怪談』
美味しい蕎麦と天麩羅が食べたい。
タイトルから身構えましたが、しゃばけシリーズでそこまで怖い話は無いかもと気を入れ直し。

酢蛸の誠実さ、とは。ちょっと面白い。

仁吉は万物を知る白沢ですけれど、その千里眼っぷりの加減が今ひとつわからない。妖を直接みたらそれが何かわかる、ってことなんでしょうか。今回の怪異の正体はスッと掴めませんでしたよね。犬の言葉もわかるわけではない。まあ、あまり万能だと話が終わっちゃいますから、仕方ないか。

貧乏神はどう言う立ち位置なんでしょうね。神と言うくらいだから、もっと敬われても良いのではと思うのですが。割と他の妖と同列に扱われていますよね。くわばらくわばら。

パクツイみたいな話でしたね。
作家さんとしては色々思うところのある話でしょう。WEB作品とかでもよくパクリパクられみたいなの見かけますし。作家さんからしたら死活問題。苦言を作品に込められたのかな。


『あすへゆく』
長崎屋、ホワイト過ぎる。藤兵衛は理想の社長ですね。
若旦那、いくつなんだろう。毎回思う。

勝吉。ヤバい奴だ。『ゆとりですがなにか』のヤマギシを彷彿とさせるなぁ。デフォルメされてはいるけれど、実際いそうだから怖い。

二十代半ばと言ったら、江戸時代ならそう若いとも言われなさそうだけど。中年増ってくらいでしょう。まあ、相手が42だから、それと比べてってことかも知れないけれど、それこそ江戸時代には珍しくもなさそう。
え、しかも江戸に暮らしていながらお店者の暮らしを理解していないってのは随分世間知らずな感じがするなぁ。町娘でもその辺りは理解していそうなものなのに。時代的に20過ぎたら行き遅れなんて言われてたはず。ちょっと世間知らず過ぎるわ。

わー!
勘太さんのは最初に話が出た時から心配してたことだった!
一番救いのないやつ。許せないわね!!そんなこったろうと思ったんですよ、私ゃ。長崎屋も平和ボケしてるところがあるからなぁ。人を信用し過ぎなのよ……。あり得ないわ。
19歳かぁ。縁切りは良いにしても、どうするのかしら。若旦那が雇うわけにもいかないだろうし。

徳三郎さんはおそらく袋物屋の奥さんの親戚?の娘さんと添うことになるんでしょうね。勝吉さんはどうだろう。長崎屋に残ることにするのかな。それか、徳三郎さんの店で働くとか?
いや、それは勘太さんかも知れない。従業員は必要だし。

徳三郎さん、42にして裁縫を覚えるなんて、偉いわ。
勝吉さんの結末は意外でしたが、良かったですね。

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2024年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【収録作品】なぞとき/かたごころ/こいぬくる/長崎屋の怪談/あすへゆく

今回若だんなはほぼ元気。
謎のほうは相変わらず持って回っている気がする。

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2024年08月30日

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