あらすじ
外敵に襲われ逃げ出したところを、茂さんに助けられたチャボの桜。茂さんは、仕事も人間関係もうまくいかず調子を崩して、東京の下町の商店街でジイチャンが営む金物店の二階に居候している。ある日、茂さんを外へ連れ出してくれる相手を探しに出かけた桜は、さまざまな出会いを引き寄せることに――。本邦初! キュートでユーモラスなチャボ小説。一日一日を自分らしく生ききるための、止まり木のようなやさしい物語。
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Posted by ブクログ
チャボが主人公の心温まるお話でした。
過酷な労働環境から心の病に陥ってしまった茂さん。一進一退を繰り返しながら少しずつ回復していきます。
身内に同じような状況になった者がいるので、時々その頃のことを思い出しました。
チャボの桜さんがいじらしくて可愛いです。
他にもたくさん個性的な鳥達が出てきますが、お気に入りはバリケン姉さんです。
私も川沿いを散歩している時に、一羽だけいる白鷺を見つけると、どうしても心惹かれてしまうんですよね。「私は私」と凜とした姿が好きなのかも、と思いました。
『なんどでも生まれる』というタイトルもいいですね。辛いこと・嫌なことがあると「もうダメ」「終わった」と気分が下がってしまうけれど、そんな時は回復に努めればいい。またエネルギーがたまるまで。優しい考え方だなと思います。
「迷うのも変えるのも、生き物ががんばって暮らしているから起こることで、素敵なこと」
とても気に入ったフレーズです。
Posted by ブクログ
主人公はまさかのチャボ。
鳥目線の話は初めて読んだので面白かった。
登場人物がみんな良い人ばかりで、ほっこりするけど、イヤミスばかり読んでる私には物足りないかも。。
Posted by ブクログ
チャボの桜さん、商店街の金物屋の孫である茂さん。桜さんの一人称で話は進む。飼われている鳥の目線って想像したことがなかったので最初は困惑したけれど、鳥がこんなふうにものを考えて行動していたら面白いなと思った。鳥の中でも品種や分類が違えば鳥同士でも知らないことがたくさんあったりして、まるで人間社会のような鳥社会があって楽しかった。現実でもこうだったらいいのにな。
なんだか温かな陽だまりの中にいるような作品だった。色々な個性をすべて受け入れて包み込むような温もり。太陽の光は誰にでも平等に降り注いでいるように。
つらい現実も書いているがあくまでも前向きさがあり、タイトルのように何度でも変化の機会があって、みんなどこかで生きていける居場所があると思える作品だった。