【感想・ネタバレ】ブルーマリッジのレビュー

あらすじ

3歳年上の彼女へのプロポーズ。人事部の若手社員として関わったハラスメント疑惑。何の変哲もなかった雨宮守の人生は、26歳で大きく動き出す。恋も仕事も理想は幻想へと変わり、目の前の現実と向き合い始める20代後半――過去からも未来からも逃れることのできない世の中で、光を求めて彷徨う者たちの物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

結婚と離婚、男と女、上司と部下、昔と今では随分と印象が変わった事柄が多い。しかし、昔の価値観で接すると現代では大きく取り上げられ標的の的になり今の生活を続けることはできなくなってしまう。昔はなぜかそれが許されていたという意味では改善されたという反面、価値観のアップデートがうまくできない人は老後の人生に不安を覚える怖さもあると感じた。無自覚の加害は誰しも大なり小なりあるはずで、今後の人生では同じ過ちをしないよう思いやりをもって生活していきたいと感じた。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結婚って何のためにするんだろう
そう思い始めていた時に読んだ一冊。

結婚を決めた青年と、離婚を言い渡された中年男性の話。
違う立場に置かれた対比だと思いきや共通点もあってお互いの視点を交互に感じられる構成が面白かった。

結婚を軸としつつも無自覚の加害に関する話がメインで、私もどこかで未だ無自覚の加害をしているかもしれないと思うと、何とも表現し難い気持ちになった。
特に翠さんの「覚えてないの?」という一言からは、何だか苦しかった。
土方さんに対する嫌悪を持って読み進めていたこともあり、守と同じ気持ちを感じたような気がする。

長谷川さんに対するハラスメントをしていた土方さんを守が裁く一方で
守も実は無自覚のうちに翠さんにモラハラをしていて、主犯ではないと見て見ぬふりをしていた学生時代に加害していた相手は土方さんの娘だった
(そのことに守も土方さんも気づいてはいない)


「もしも病気になって、大きな手術とかが必要になったとして。そのときに夫婦じゃなかったら、僕らはただの他人で、大事な決断は、両親とかがすることになる。・・・中略・・・その人の一番大事なときにそばにいてあげられず、もしかすると、看取ることすらできないかもしれない。そんなの絶対に嫌だなあって思って。これは、この感情は、恋とはまた別のものが引き継いでいる感じがするなってずっと思ってた。それで、きっと、夫婦になるのがいい。これからもそばにいるために、そうしたいって思ったんだよ。」

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

土方課長が全てを失って三条に助けを求められたあたりのシーンがよかった。
全てを失ってボロボロになって、自分は誰かに認められたかったのだと、その手段が仕事だったのだと気づいて、無自覚な加害に気づき始めて、少し人として変化した(成長した)場面が特に。

“男は外で働いて女は家庭を守る”今日では時代錯誤な考えだとされ始めている中で、でもまだその考えが蔓延っているこの時代で、生活を楽しむのって簡単じゃ無いよなー。

「人間というのは他者との関係性の中で成長していく生き物」
「エプロンはつけたほうが服も汚れないし、便利ですけど、何より気合が入る。そのための装備です。」
「日々の買い出しも、義務感ではなく、探究心とか好奇心を持って生きると、なんだか生活自体が楽しく思えてくる。わかります?」

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2025年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

気付かぬうちに自分が加害者になってるのかもしれないって考えを巡らせながら読んだ。逆に、向こうは無意識なんだろうな悪気ないんだろうなって思うけど、私はすごく傷つくこともたくさんあったなぁと。関わりって難しいな。

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1年前に購入した本。
仕事に疲弊してた当時はページが進まなかったがふと気になって再開したら止まらず嬉しい気持ちになりました。(本ってやっぱり自分のメンタリティが整ってないとちゃんと楽しめない)

離婚と結婚のコントラストを付けつつもどこか共通点のある土方課長と守。
人って被害された印象は強く残るのに、加害に対しては無頓着だなって改めて気付かされた。
今まで自分がしてきた加害は被害されたことと同じくらい心に留めないといけないと思った。

最後の翠の言葉。
結婚や離婚は幸せになるための選択肢。
はっきり物事を言って自分の言葉を正当化しがちな自分が翠と重なって少し憂鬱になりました、、

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

男性同士が心の傷をケアすることについて書かれていると聞いて手に取った。確かにこういう関係性は、いわゆる男の友情的なものと異なると感じた。
ただテーマの中心は「加害」について。人は知らないうちに加害をしていて、それに気づいた時にどう生きていくべきなのかを問われる。

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2025年08月07日

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