あらすじ
十七でイタリアに移住、未婚で出産、育児をしながら漫画家デビュー、イタリア人と結婚し世界を拠点に生きるヤマザキマリ。けれど、そんな規格外な母の息子として生まれたデルスは〝世界転校〞を繰り返し、繊細な子供心は縦横無尽にかき乱されて ――。母である前に一人の人間、家族でも、各々一人の人間であれ!「地球の子供」を育てる人間讃歌エッセイ。
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Posted by ブクログ
地球規模で移動し、若い頃から規格外(?)の生活をしてきたヤマザキマリさんが、ムスコや家族との関係、ムスコに対する思いを綴ったエッセイ。
"他者という鏡に自分を投影することで自らの存在を確認などしなくても、地球に受け入れられているという自覚だけ持って堂々と生きて欲しかったし、私の息子である以前に、この惑星の生き物として生まれてきたことを感じてほしかった"という信念で子育てをしてきたヤマザキさんもすごいが、子どもの側から見ると必ずしも子ども中心とは思えない暮らし方、生活の変化を強いられてきたにもかかわらず、グレることもなく、両親や祖父母への気遣いを見せられる人に育った息子のデルス君も素晴らしい。
とはいえ、あとがきにかえてデルス君が書いた「ハハ物語」を読むと、やはりムスコとしては辛い面もある子ども時代だったことがわかる。
それでも、人間性の大きい(と勝手に想像する)人に育ったのは、どんな環境であれ、親の愛情がきちんと届いていたからだと思う。
ヤマザキさんの夫も含め、独特で素敵な家族。