あらすじ
夏の芝生、雨の午後。その手触りは決して褪せることがない――
〈これが記念すべき、安西水丸さんとの初仕事〉
村上春樹の最初の短編小説集を当時の装幀のまま単行本で復刻。
復刊に寄せて、著者による序文を新たに収録。
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Posted by ブクログ
「中国行きのスロウ・ボート」
「貧乏な叔母さんの話」「ニューヨーク炭鉱の悲劇」「カンガルー通信」「午後の最後の芝生」
「土の中の彼女の小さな犬」
「シドニーのグリーン・ストリート」
村上春樹の短編集は長編とは違う雰囲気でこれも好き。
雨の日にのんびり読書は良い。
Posted by ブクログ
村上春樹の小説は初期のものが結構好き。物事がシンプルだし性描写もそこまで多くなくて読みやすい。カンガルー通信は最悪だけど。後半になると性描写細かくなってきて気持ち悪くなる。
午後の最後の芝生が好き。村上春樹の小説において、登場人物は彼らなりの仕事の流儀がある。この主人公も芝刈りになかなかのこだわりがある。タマルとか、世界の終わりの私とか。古い時代ののどかさが感じられた。どこからそれを感じたのかは分からないけど。ビール飲んで車に乗っちゃうところとか、ため口でドライブインの管理人と話すところとかかな。
カンガルー通信は最悪。気持ち悪すぎる。村上春樹の悪いところと言えばこれ、みたいな作品。
中国行きのスロウ・ボートもいい。自分だけが手違いで周囲と異なる羽目になる展開。そのあと同じ場面にいた人物と出くわすのもどこかで見た気がする。別に批判しているわけではないけど。本当に彼自身の幼少期の体験ではないにせよ少年時代を語る村上春樹はなかなかいい。口が達者じゃなかったり、まだひねくれていなかったりするのか、中国人教師の言葉をそれなりに真摯に受け止めているような気がするから。二番目に出会った中国人の女の子の連絡先を(それが手違いにせよ)捨てる。やっぱヤな奴。
シドニーのグリーンストリート。なんだか子供っぽい文章だと思ったら、児童書に載ったやつなのかな?羊男はここにも出てくる、。羊をめぐる冒険の後にかかれた物語らしいからまあ不思議ではないんだけど。今作の羊男はなかなかかわいい。非力。ヤなこともしないし。羊男って世界中にいるらしい、三千人も。驚き。