あらすじ
戦争は,何も知らない人たちの柔らかな夢に入りこむ.戦争は,物語を語れたこともない.--気づかぬうちに進行する病気のように日常をずたずたにし,野心や憎しみを糧に貪欲に育つ戦争.自らも独裁政権に抗した,ポルトガルを代表する文学者の詩とその息子による絵で,戦争の残酷な本質を描く.今こそ読まれるべき,衝撃的な絵本.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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Posted by ブクログ
最初は絵だけなので、一瞬イラスト集?と思ってしまった。
けど、この絵だけのページがじわじわとくる。
イラストは色が少なくて不穏な空気を描いている。そこに添えられる文章は「戦争は、×××」と続いていく。
これが全て頷けてしまうのだから怖い。
『戦争は、物語を語れたことがない。』『戦争は、鋼と影の子どもたちを生み出す。』
私がいいなと思ったのはこの二つ。そこについているイラストも本を燃やししていたり、工場で人が作られていたりとゾッとする感じがする。
全てがリアルすぎる。
戦争の現実しか書かれてないので、おそらく幼児向けや小学校低学年向けではない。高学年ぐらいから読めるのかなと思った。
この絵本は、不穏ではあるけど人の身体が千切れたり血まみれになるような絵はないので子供にも安心して見せることができると思う。ただ、虫(クモやムカデ、蛇など)に見えるイラストはあるのでそういうものが苦手な人は注意。
戦争をまっすぐに文章にしてる本は、初めて見た気がする。
読んでよかった。個人的には大人にお勧めの絵本。