【感想・ネタバレ】戦争は,のレビュー

あらすじ

戦争は,何も知らない人たちの柔らかな夢に入りこむ.戦争は,物語を語れたこともない.--気づかぬうちに進行する病気のように日常をずたずたにし,野心や憎しみを糧に貪欲に育つ戦争.自らも独裁政権に抗した,ポルトガルを代表する文学者の詩とその息子による絵で,戦争の残酷な本質を描く.今こそ読まれるべき,衝撃的な絵本.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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Posted by ブクログ

ウクライナとガザの悲惨な状況を見聞きしている今、この絵本の語る事が身に迫ってくる。
戦争を始めてはならなかった。先の大戦で、終わらせる事の難しさを学んだのではなかったのか、と。原作は2018年なので、まだウクライナもガザも侵攻されてなかったが、きな臭くはあった。
「戦争は沈黙だ」ラストの言葉は警告だ
小学校高学年くらいの人に読んでもらいたい。中高生には、世界の現状を学んで、併せて読んで欲しいと思う。
絵が内容とあっていて、より深く考えさせられた。

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

静かに忍び寄りやがて世界を覆い尽くす戦争は、憎しみ、野心、恨みを糧とする。今もやまない戦火。理不尽に踏みにじられる市民の生命。
 憎しみの連鎖、理解できない為政者への恐怖を乗り越え、対話と理解、人権と平和を理性の力で実現してほしい。

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は絵だけなので、一瞬イラスト集?と思ってしまった。
けど、この絵だけのページがじわじわとくる。

イラストは色が少なくて不穏な空気を描いている。そこに添えられる文章は「戦争は、×××」と続いていく。
これが全て頷けてしまうのだから怖い。

『戦争は、物語を語れたことがない。』『戦争は、鋼と影の子どもたちを生み出す。』

私がいいなと思ったのはこの二つ。そこについているイラストも本を燃やししていたり、工場で人が作られていたりとゾッとする感じがする。
全てがリアルすぎる。

戦争の現実しか書かれてないので、おそらく幼児向けや小学校低学年向けではない。高学年ぐらいから読めるのかなと思った。

この絵本は、不穏ではあるけど人の身体が千切れたり血まみれになるような絵はないので子供にも安心して見せることができると思う。ただ、虫(クモやムカデ、蛇など)に見えるイラストはあるのでそういうものが苦手な人は注意。

戦争をまっすぐに文章にしてる本は、初めて見た気がする。
読んでよかった。個人的には大人にお勧めの絵本。

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2024年08月14日

Posted by ブクログ

黒く蠢く何かが集まり、鳥の形となって空を飛び、開いた窓辺に降り立つ。それは戦争をイメージしたおぞましい何か。少ない言葉数で戦争とは何かを伝える絵本。

端的に語られる文章が重く響く一冊でした。絵から伝わってくる重苦しく位イメージが戦争のイメージをよく表していると思います。

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2024年11月09日

Posted by ブクログ

岩波「図書」8月号に訳者木下眞穂さんの解説が載っていて、紐解いた。ポルトガルの絵本。

「戦争は、」に続く幾つかの短詩と、禍々しいイメージ絵で構成される。鼠色と褐色しか出てこない。

先ずはこの詩篇にドキッとした。

戦争は、日常をずたずたにする。
「進行していますね」と耳元でささやかれる病気のように。
←あゝ、私にはこの体験はないけど、かつての父親を見ていて、正に彼の心の中に「戦争」が進行していたのだと、まざまざとイメージを持つことができた。

「もののけ姫」の猪神がたたり神に侵されてゆくときの黒い蛇みたいなものが、大陸の林の間をずっと進んでいき、群れをなし、禍々しい鳥の導きにより、街の中の大きなビルの一室の1人の男に取り憑く冒頭。

そのあとの幾つもの詩句は、
文・ジョルジェ氏の経験から作られたものには違いない。けれども、今はウクライナやガザにもほとんど当てはまる(作られたのは2018年)のが恐ろしい。

文と絵は、ポルトガルのレトリア父子によって作られた。ポルトガルは1926年から1974年まで、48年間独裁政権下にあった。ジョルジェは無血のカーネーション革命を支えたレジスタンスだったらしい。絵は静かに始まり、やがて次々とカタストロフが進んでゆく。

司令官(?)の胸元を這い回る蜘蛛や百足や無数の虫蟲。彼が見下ろす作戦地図にも蟲が這い回り、やがて「戦争は、凶悪な顔を幾つも持つ。」として、表紙にあるような1つの顔を被って焚書坑儒を為し、マイクに向かっている。「戦争は、すべてを焼きつくす 栄光の夢を見る」と詩句は叫ぶ。

「戦争は、廃墟の町を支配するのが好きだ。」

それはもうまるで、ウクライナやガザのようだ。ーー見かけだけじゃない。こんな心を侵していく風景をも言葉にする。
「戦争は、憎しみ、野心、恨みを糧とする。」
「戦争は、何も知らない人たちの柔らかな夢に入り込む。」
「戦争は、鋼と影の子どもたちを生み出す。」

戦争は、人類が産んだ鬼子だとわたしは思う。

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2024年09月01日

Posted by ブクログ

なんて恐ろしいのだろう。戦争は。
あまり触れたくない題材だから手に取るのを迷ったけど、読んでおこうと漸く思えたので読んでみた。子らが読むかは彼等に任せるけど、私は読んでよかった。よかったと言うのかわからないけど。色数の少ない絵が静かに迫ってくるよう。
気候変動や災害で、思っているより早く地球は滅亡するかもしれないのに。
戦争のない世界で子どもたちが暮らせるといいのに…

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2024年06月03日

Posted by ブクログ

戦争は,とどのページも語りかける.一面に広がる戦争の傷跡,その惨状.モノクロの世界に重い空気が漂っています.

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2024年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自らも独裁政権に抗した文学者の詩と、その息子による絵とのこと。
暗く重苦しいトーンで灰色の時代が描かれる。
過去のことといえなくなっているのが怖い。

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2024年07月14日

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