あらすじ
思いが通じ合った相手の元へ嫁ぐ娘と、
両親に溺愛された美しい娘。
失踪する理由もない二人が忽然と姿を消した。
--その発端は、すべての女性が持つ「迷い」。
嫉妬と憧れ。美しさと醜さ。すべて表裏一体だ。
真っ赤な朝焼けの中、娘が一陣の風とともに忽然と消えた。居合わせた父親が自信番に捕らえられるが、自ら命を絶ってしまう。不自然な失踪に「神隠し」を疑うお初と右京之介。探索を始めた二人は、娘の嫁ぎ先に不審な点があることを突き止める。だがその時、第二の事件が起こった。
悲しみも苦しみも、恨みも嫉妬も全部吸い取ってくれる。
だから、宮部みゆきはすごい。
霊験お初シリーズ、第二弾!
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Posted by ブクログ
1作目「震える岩」より俄然面白かった!と思う第2作。でもこれ、続きでてないのかー。読みたい!続き読みたいです!!!!
不思議なものが視えるお初と、算術な好きな右京之介のコンビで、神隠しの謎に挑む。
人間の怖さと、人外の怖さとが混ざり合い、しっかりミステリーをしてくれるのがよかった。しかもアクションもあり、猫と会話できちゃったり、まさに盛りだくさん。お初の気の強さと、取り巻く家族たち、古沢父も、六蔵兄ちゃんに和尚さま、全員キャラがよすぎる。
ストレートに口説いてくれる右京之介さん最高によかったな……はやくくっついてくれないか。お願いだから続きを読ませてくれないか。。。
Posted by ブクログ
人間の妄念というか、情念というか、本当に恐ろしい。今回は女性の美しさへの拘り、嫉妬、思い通りにならないことへの怒り等々わかる部分が多く、考えさせられる作品でした。でも、右京ノ介さんが少し頼もしくなったようで嬉しかったし、猫の鉄ちゃんとお初ちゃんのやり取りも楽しくて、続きが読みたくなりました。お初ちゃんと右京ノ介のさんの恋の行方も気になるし。宮部先生、是非お願いします。
Posted by ブクログ
面白かった。
虚か実かわからない感じがいい。
お美代ちゃんと消えた娘さんとの会話が良かった。どちらも普通の女の子でわかりあえる所もあるんだなって思った。
猫。かわいいな。和尚はこれまでどう生きてきたのか気になった。スメラギの国の動物みたいな歴史ありそう。
Posted by ブクログ
面白かった。これでシリーズ完結は寂しい。お初と右京之助が結婚した後でもその2人の様子編読みたかった。物語としても、一つの事件から複数の事件へと繫がっていって、すごく読み応えがあった。見た目の美しさかわ全てではないっていうのは、若い時ほど理解し難い。見た目の美しさ以外のその人自身の魅力が分かる人というのも若い時にはあまり周りにいないように感じる。特に男性で内面を重んじて、内面の素敵な部分に目を向ける人は少ないように感じる。周りがそうだと、本人もどうしても影響される。それをどう自分は自分、自分の魅力に気づいてくれる人と関係を結んでいくことに繋げて行くことが大切なんだろうなあとは思いつつ難しいものだ。
Posted by ブクログ
「震える岩」の続編、霊験お初捕物控のシリーズ。
一膳飯屋の姉妹屋の看板娘、お初。不思議なものを見ることができる彼女の周りで、またもや事件が起こる。
婚礼を控えたおあきという娘が神隠しに遭い、父親は同心に責められ自殺。だが、真実は観音様の姿をした妖のせいだった。
化け物の正体は、顔の美醜に囚われた娘の悲しい怨念で、他にも神隠しにまつわる同心・倉田主水の悲しい過去や、阿片を密売する商家などいろいろあったが、ひとまずめでたしめでたしとなる。
この「いろいろあったが、まずはめでたしめでたし」を見るのが、たぶんわたしは好きなんだろうなあと思う。お初が生きる江戸の町で、「まずはめでたしめでたし」に戻った日常に満足する瞬間がとても温かい読後感を醸し出している。
続編は書かれていないみたいだけど、残念。
Posted by ブクログ
結婚を控えた娘が突然姿を消した。
「神隠し」と思われた直後、父親が殺人の疑いで捕らえられる。
自白直後、父親は自ら命を絶つが、お初の身に不可解な出来事が降りかかり、新たにまた娘が「神隠し」に遭う。
”嫉妬と憧れ。美しさと醜さ。すべて表裏一体だ。”
帯の文章が全てだろう。
幸不幸は見た目の美醜で決まるものではない。
けれども蝶よ花よと育てられ、自分の美しさに絶対の自信があった娘が幸せになれなかったとき、彼女がすがれるものは自分の美しさだけだった。
これはとても哀しい話だ。
幸せになれなかったから哀しいのではない。
彼女の世界には、彼女しかいなかったことが哀しいのだ。
「あんたは間違っていた。あんたの不幸な人生は、あんたが自分で招いたことよ。どれほど顔かたちが美しかろうと、それだけじゃ人間は生きていけない。見た目の美しさだけで支えられるほど、人生は軽いもんじゃないのよ!」
「美しさは、それを見る者の心のなかだけにあるのよ!」
お初は両親こそいないけれども、兄夫婦や周囲の人たちに愛され、支えられ、信頼されて生きてきたことをお初自身がわかっている。
身を挺してお初を守った鉄。
真実を見せてくれた右京之介の眼鏡。
そういうものをついに持つことができなかった天狗の人生が、とても哀れで哀しいのだ。
Posted by ブクログ
宮部さんの江戸ものミステリーは
ちょっと不思議で怖いのだけど
人の心の中の嫉妬や暗い悲しい気持ちが
おこしてしまう事件を
人情豊かに書いていて
読んでいて本当にいつもホッとします
お初シリーズも大好きだな
他のシリーズに出てくる人も
ちょっと出て来たりしているとこがご愛嬌
日道はやっぱり悪い奴で登場した
Posted by ブクログ
超能力ものは好きではないつもりなのに
やっぱり読んでしまいました。
このシリーズはこれ以降出ていないようですが、
何故続きが出ないのかと思う面白さです。
それと同時に書き切ってしまった感も濃厚に感じられたので
もう続刊はないのかもしれない…と思いつつ
希望は捨てずにいようと思います。
今回はホラーの質がより高まっていて
かなり怖いと思うのですが
可愛らしいキャラの和む仕草や
面白おかしい変身のシーン等が程よく緊張をほぐしてくれるのが良かったです。
お初さんが天狗に簡単に首を切られて終わりそうなシーンが沢山あったと思うのですが
何故やれるときに殺っておかないのか
そこで殺せない理由はなんだったのかというのはとても気になります。
続刊があるならお初さん自身の力の事も知りたいですね。
終盤の吉沢様の男っぷりも最高でしたし(もはや2人の後の関係は確定したようなものですし)
神仏?が登場するような敵との戦いになってしまった事でどうしても「これでお終い」という感じがorz
今回も魅力的なキャラ盛りだくさんで是非その後の物語を覗いてみたいのでどうか続刊が出ますように…