あらすじ
誰もが持つ「意図しない偏見や差別=無意識のバイアス」。最新の科学的研究と具体例を用い、克服のための、そして「形成させない」ための実践的アプローチを探る革新的一冊。
無意識のバイアスを克服する 個人・組織・社会を変えるアプローチ
誰もが大切にされる社会をつくるために——
意図的でない偏見や差別を根絶することは、
現代における大いなるチャレンジなのだ
王立協会科学図書賞ほか数々の賞にノミネート
世界経済フォーラム年間ベストブック
『THINK AGAIN』のアダム・グラント、激賞
私たちが意識的に持つ信念と衝突する、意図的でない偏見に満ちた行動。
職場や医療現場、教育の場、警察など、私たちは、それが存在し、その場を腐敗させ、時には致命的な影響さえ与えることを知っている。
しかし、そうした偏見を払拭するには、多大な努力が必要だ。
10年にわたってこの問題に取り組んできた著者は、
科学的研究と多くのインタビューとを織り交ぜながら、
我々の心と行動がどのように変化していくのかを明らかにする。
ジョンズ・ホプキンス病院の医師が使用した診断チェックリストが医療における男女の差別的扱いをなくしたこと、スウェーデンの幼稚園で教師がジェンダー・ステレオタイプを根絶するためにした工夫、オレゴン州の警察でマインドフルネスの実践と専門トレーニングにより武力行使が驚くほど減少したこと—
著者は何が有効で、それはなぜなのかを探っていく。
偏見に満ちた行動は変えられる。本書に概説されているアプローチは、
私たち自身と、私たちの世界を作り直す方法を示している。
たとえ悪意がなくても、公平に接しているつもりでも、人を差別してしまうことはある。
公正でありたいという気持ちと、現に起こっている差別との落差を
言い表すために生まれたのが、「無意識のバイアス」という言葉だ。
本書の目的は、そんな無意識のバイアスに終止符を打つことだ。(「はじめに」より)
【各紙誌コメント】
最先端の科学で、偏見の予防と治療に突破口を開く一冊。講じるべき具体的な手段が明快に書かれている。
―― アダム・グラント(心理学者。『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』著者)
誰も偏見から自由ではない。内面化された偏見を克服するのは、自身の思考を問い直す、生涯続くプロセスである。
―― ガーディアン紙
認知科学や社会心理学の知見を引きつつ、内省、共感、そして何よりもシステムの変革を通じて、人の心に潜むバイアスを減らすための説得力ある方法を多数紹介する。
―― ニューヨーカー紙
医師のジェンダーバイアスを減らすチェックリストから警察の暴力を減らすためのマインドフルネスの導入まで、実に広範な手法を論じている。
―― ネイチャー誌
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Posted by ブクログ
無意識のバイアスを克服する
: 個人・組織・社会を変えるアプローチ
【目次】
PART Ⅰ バイアスを理解する
第1章 バイアスの追跡者
第2章 脳は違いをどう見るか
第3章 微小なバイアスの重大な帰結
PART Ⅱ 思考を書き換える
第4章 習慣を断ち切る
第5章 生死を分ける瞬間
第6章 ロス市警のジグソーパズル
PART Ⅲ 新たな場所にとどまる
第7章 不完全な人間のためのデザイン
第8章 多様性の存在証明
第9章 インクルーシブな環境をつくる
第10章 社会の傷を修復する
竹蔵はできる限りステレオタイプな人の判断はしないように心がけていますが、それでも意識しない間に様々なバイアスによってゆがんだ目で他の人を認識してしまっていることに気づくことがあります。
この本は、男女間、人種間、性的指向、国などで起きている偏見や差別を様々な実例をもとに解説し、その対処方法を提案しています。
人の脳は外界をカテゴライズし、自分と同じカテゴリーを好み優先するという本能を持っており、この本能に逆らうことが如何に難しいかをわかり易く説明しています。そして、こういった本能を持った人が作る社会や仕組みが如何にバイアスに満ちたものかに関しても教えてくれます。それに対処することは非常に難しいと知りながら、有効と思われる取り組みとして、認知行動療法やマインドフルネスがあり、正しくコーディネイトされお互いの学びを伴ったダイバーシティ研修や子供たちへの接し方をあげています。
これらの対処方法は決して万能ではありませんが、一人一人がバイアスを意識してそれを排除しようとした時の心強いツールとなるようです。
差別を拡散・増幅してしまうツールとしてTwitterが挙げられていますが、Twitterの幹部は自分たちが非差別的な経験をしていなかったためツールの設計時にどのように好ましくない情報が拡散・増幅してしまうかに対処する方法をビルドインしていなかったというはなしはさもありなんと思わされるものでした。
謙虚に自分はゆがんだ眼鏡を通して外界を見ており、その歪みを自覚することが最初に一歩になる。
そんなことを心に刻むことができた良書でした。
竹蔵