あらすじ
「本をつくり、とどける」ことに真摯に向き合い続けるひとり出版社、夏葉社(なつはしゃ)。従兄の死をきっかけに会社を立ち上げたぼくは、大量生産・大量消費ではないビジネスの在り方を知る。庄野潤三小説撰集を通して出会った家族たち、装丁デザインをお願いした和田誠さん、全国の書店で働く人々。一対一の関係をつないだ先で本は「だれか」の手に届く。その原点と未来を語った、心しみいるエッセイ。(解説・津村記久子)
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Posted by ブクログ
本屋で見かけて気になり、直感で、一目惚れのごとく買った本。
読み終わったら売ろうと思っていたのに、気づけば手元に残しておきたい1冊になっていた。それほど、心に残る内容だった。
「本を読むということは、現実逃避ではなく、身の回りのことを改めて考えるということだ。」
わたしがまさに思っていたことそのままで嬉しくなった。著者のように、誠実に、ひたむきに、夢中で仕事ができたら幸せだろうなぁ。
Posted by ブクログ
今でも大企業のサラリーマンだったらな、と思うことがあると著者は言うけど、サラリーマンたちは逆にだいぶ、相当うらやましいと思う。
仕事だけでなく家族のことも愛して、表現して、実行している。
庄野潤三、和田誠、皆川明、好きな人が出てきて嬉しかった。解説は津村記久子だし。
惹かれて読むとこんなふうにつながってるから不思議。系統があるんだろうな。
野球やサッカーの監督たちの言葉も心に残る。
・人から必要とされること
・勇敢になるか、非常に勇敢になるかの違い
弱者の自分がまた救われた一冊
Posted by ブクログ
この本の親本に対して。
声高ではない。とても穏やかだ。正直でもある。
そして、何より、しずかな反骨心を感じる。
雑にならない。心を込める。
願わくば、一日も早く、新潮文庫に入って欲しい。
少し薄めの一冊になるかもしれないけれど。
無事入った。5年かかったけれども。散文詩のような雰囲気は変わらずに。
Posted by ブクログ
意外や、再読。
施設に入った叔母の書棚から回収してきた。忘れていたが、以前、出版社の編集にいたという叔母に、読後に渡していたのだろう。
意外というのは、読んだ覚えがさほどなかったこと。でも、知っている話もあり、でも、夏葉社のことは、ネットの記事や、雑誌の取材などでもよく見るので、そのあたりから仕入れた情報だったかな? くらいに思って読み終えてしまった。
あとから、付箋紙を貼ったところを、以前読んだ時にメモった個所と較べてみると、驚くほどカブってなくて、僅か数年の差だが(前回は2000年だった)、感じ入る箇所が違うものだと、驚いたという、その点も意外だった。
もちろん同じ個所に付箋を付けた個所もあったが、全体の5分の1くらいか。
ざっくりだが、前回は、出版界、製本、編集の仕事という箇所に付箋が多かったが、今回は、島田潤一郎という著者の内面の吐露に感じ入っていることが多かったかな。
「人生が四度あれば」や、「人生は嘆いたり、悲しんだりして過ごすには、あまりにも短すぎる」とか、「人生でもっとも大切なのは、人から必要とされることだ」や、「重要なのは、自分の能力を過大評価しないことだろう」という、著者の悩みや悔いの部分が気になったのは面白かった。
こういうのも、読書の楽しみなんだろうなあ。