あらすじ
登山で頂上まで行く? 途中で降りられる?
「『あきらめる』って言葉、古語ではいい意味だったんですってね。『明らかにする』が語源らしいんです」
近所の川沿いを散歩するのが日課の早乙女雄大。
入院中の愛する人との残り少ない日々の過ごし方や、
ある告白をきっかけに家を出てしまった家族のこと、
あれこれと思い悩みながら歩いていると、親子風の二人組に出会う。
親に見える人は何やら思い詰めた表情で「自分の人生をあきらめたい」と言う…。
ふとしたきっかけで生まれた縁だったが、
やがて雄大は彼らと火星に移住し、「オリンポス山」に登ることを決意する…!?
「あきらめる」ことで自らを「あきらかにしていく」――
火星移住が身近になった、今よりほんの少し先のミライが舞台の新感覚ゆるSF小説。
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Posted by ブクログ
「人を嫌いになりそうなときは離れるのが一番だ。距離は人を好きにさせる。〜」
「私は加害をする人間だとあきらめる」
「理解されなくても愛さえあれば平気らしいのが意外だった」
「楽しいのは、宇宙にいるからではない。自分にいるからだ。」
「火星まで来て、やっとわかったことだった。自分の中が、一番遠い。」
「じぶんの中を見るだけでも、すっごくおもしろいんだよ。歩きながら考えるとね、あたまの中にいるのがたのしいの。自分の中って広いんだよ。」
「言葉が先で、そのあとに気持ちが動く。考えが変わっていく。」
「下山を選ぶことができた自分が誇らしいっていうか。」
「自分をあきらめる。こうやって、これからも生きていくんだ。」
「人生は何もしなくていい。何も成し遂げなくていいんだ。」
「登山をしてよかった。下山ができるから。」