【感想・ネタバレ】あきらめるのレビュー

あらすじ

登山で頂上まで行く? 途中で降りられる?

「『あきらめる』って言葉、古語ではいい意味だったんですってね。『明らかにする』が語源らしいんです」

近所の川沿いを散歩するのが日課の早乙女雄大。
入院中の愛する人との残り少ない日々の過ごし方や、
ある告白をきっかけに家を出てしまった家族のこと、
あれこれと思い悩みながら歩いていると、親子風の二人組に出会う。
親に見える人は何やら思い詰めた表情で「自分の人生をあきらめたい」と言う…。

ふとしたきっかけで生まれた縁だったが、
やがて雄大は彼らと火星に移住し、「オリンポス山」に登ることを決意する…!?

「あきらめる」ことで自らを「あきらかにしていく」――
火星移住が身近になった、今よりほんの少し先のミライが舞台の新感覚ゆるSF小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「人を嫌いになりそうなときは離れるのが一番だ。距離は人を好きにさせる。〜」

「私は加害をする人間だとあきらめる」

「理解されなくても愛さえあれば平気らしいのが意外だった」

「楽しいのは、宇宙にいるからではない。自分にいるからだ。」

「火星まで来て、やっとわかったことだった。自分の中が、一番遠い。」

「じぶんの中を見るだけでも、すっごくおもしろいんだよ。歩きながら考えるとね、あたまの中にいるのがたのしいの。自分の中って広いんだよ。」

「言葉が先で、そのあとに気持ちが動く。考えが変わっていく。」

「下山を選ぶことができた自分が誇らしいっていうか。」

「自分をあきらめる。こうやって、これからも生きていくんだ。」

「人生は何もしなくていい。何も成し遂げなくていいんだ。」

「登山をしてよかった。下山ができるから。」

0
2024年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あきらめる、は、明らかにする。

親子間や夫婦間の軋轢、承認欲。かなりストレートに描かれ、身につまされる。

砂しかない火星に行って初めて自分が明らかになり自由になる。

火星に移住するなんてかなり大ごとだけれども、そこは軽やかに進んで、みんな自分で自分に落とし前をつけていく様子がよかった。

0
2024年05月09日

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